効率よりも、心地よさ。「ひと手間」を家訓にする夫婦が選んだ、一生もののキッチン道具
料理をしていると、「別に嫌いじゃないけれど、ちょっと面倒だな」と感じる作業がいくつもあります。たとえば、ごはんを炊く前の米研ぎや、蒸し器の準備と片づけ……など。どれもレシピでは語られない、料理には欠かせない地味な工程です。
最近は「手間いらず」「手間を省く」などが重視されがちですが、すべての手間を排除したいわけでもない。大切なのは、“減らせる手間”と“残したい手間”を見分けることです。
今回は料理好き&道具好きのEriさんのご自宅へ伺い、料理にまつわる「ひと手間」と「道具」の関係を一緒に考えてみることにしました。
料理がおいしくなるなら、ちょっとの手間は惜しまない

Eriさん宅 キッチン
Eriさんが、のちに夫となるJunさんとこの住まいに引っ越してきたのは、2021年の夏のこと。広々として使いやすいキッチンも、この部屋を選んだ決め手の大きなひとつになりました。
Eriさんにとって、料理は毎日に欠かせない“楽しみ”。仕事でどんなに疲れていても、キッチンに立つことで気持ちが切り替わり、リフレッシュできるのだそうです。
洋風の料理にも憧れますが、毎日つくるのは和食が多いですね。ごはんと、お魚かお肉、お野菜とお味噌汁。平日は私がつくり、片づけは夫がします。週末はふたりで料理をすることも多いですよ(Eriさん、以下同)

Eriさん
興味深いのが、EriさんとJunさんが大切にしているという“暮らしの考え方”。ふたりで暮らしはじめてすぐに、「ひと手間」という家訓を決めたのだそうです。
どういうことかというと、夕食のあと「片づけは明日でいいか」と思うこともありますよね。でも、そこで重い腰を上げて片づけてしまえば、翌日がすごく気持ちいい。そのちょっとした「ひと手間」を大切にしようというものです
だからといって、Eriさんは「手間が多いほうがいい」と思っているわけではありません。
たとえば、すりごま。市販のものを使えば手軽ですが、いりごまをすったほうがおいしくて香りも楽しめるから、そこはあえて時間と手間をかけます。
一方で、蒸し料理にはせいろを使っていますが、大きいし洗って乾かすのが面倒……と感じることもあります
料理がおいしくなるなら、手間はかけたい。でも面倒な作業はできれば減らしたいと、Eriさんは考えています。

キッチン道具

EriさんとJunさんそれぞれが愛用してきたまな板
EriさんとJunさんそれぞれが愛用してきたまな板もたくさん
Eriさんが料理と同じぐらい好きなのが、お気に入りの道具を扱うこと。開放感のあるキッチンには、Eriさんの慣れ親しんだ道具やJunさんが独身時代に使っていた小物などが、ずらりと並べられています。
18歳で親元を離れてから、二十代のうちに揃えた道具がほとんどです。はじめから長く使えるものを選んできたので、どれも愛着のあるものばかり。だから、「これよさそうだな」と思う道具を見つけても、買い替えることはなかったんですよね
料理のひと手間を劇的に変える「家事問屋」の5つの道具
新しいものを迎えるよりも、今あるものを大切にしたい。
そう決めているEriさんにも、「いつか道具を買い換えることがあれば、このシリーズを使ってみたい」という道具があります。

家事問屋シリーズ 使ってもらったもの
それは下村企販の「家事問屋」シリーズ。
下村企販は、キッチン用品やコーヒー用品など、道具にこだわる人には名の知れたメーカー。新潟県・燕三条の金属加工技術ならではの、高い機能性とデザイン性が人気の理由です。
わが家のキッチンはオープンで、道具を並べたり壁に引っかけたりする“見せる収納”なので、道具選びの条件はデザインがシンプルで美しいことが大前提。家事問屋の道具は、その美しさが、使いやすさを追求した先に生まれた“機能美”であると感じます
それならばと、「家事問屋」から厳選した5つの道具をEriさんに試してもらうことにしました。
この「家事問屋」のコンセプトは、「ありきたり、なのに使いやすい。」。料理にまつわる「ひと手間」を助ける道具であること、そしてその「ひと手間」の積み重ねによって暮らしが豊かになれば……という思いによって生まれたブランドです。
「ちょっと蒸したい」にちょうどいい、手軽な蒸しかご

蒸しかご
まず紹介するのは「蒸しかご」。せいろや蒸し器を出さずとも、いつものフライパンで手軽に蒸し料理をつくることができる道具です。
いつもはせいろを使っていますが、たくさんではなく「少しの量を短時間で蒸したい」ってときに手軽ですごくいいですね。コンパクトだから、乾かしたり収納したりするのに場所をとらないのも助かります

蒸しかごに食材を乗せて、フライパンに移す
直径24cm以上のフライパンに水を張って沸かし、食材をのせた蒸しかごをセットすれば準備はOK。フタをして、食材にちょうどよく火が通るのを待つだけです。
お肉などは網から油が落ちてヘルシー。食材の下に水が溜まらないので、おいしく仕上がります。

完成した蒸し料理を蒸しかごのまま食卓に出す
「蒸しかごをそのままお皿にのせてテーブルに出せるのもうれしいです。あとは、唐揚げなどの盛りつけ網としても重宝しそう」と、Eriさん。さすが料理好きだけあって、料理を食卓にのせるときのアイデアまで提案してくれました。
幅広いサイズに対応した、立てて置けるフライパンカバー

フライパンカバーをサイズ違いのフライパンに乗せる
左:22cmのフライパン 右:26cmのフライパン
蒸しかごをセットしたフライパンにかぶせたのは「フライパンカバー 20-26」。
20cm、22cm、24cm、26cmと2cm幅で溝がついているので、これひとつで4サイズのフライパンや鍋に対応。サイズごとにフタを買う必要もありませんし、収納場所もとりません。

フライパンカバーを立てかける
特徴的なのは、ハンドルをスタンドとしても使えるところ。
フライパンの中を混ぜたり調味料を入れたりするとき、外したフタをどこに置こうか悩みますよね。私はやかんの上に仮置きしていました(笑)。洗ったあとも作業台に立てられてスマートですし、うちのような引っ掛ける収納にもぴったりですね

フライパンカバーで蓋をする。ガラス窓から中の様子が見える
フライパンカバーの中央がガラス窓になっているのも、使いやすさのポイントです。
「沸騰してるかな」などとフタを開けることなく、両手がふさがった状態でも調理中の食材の様子を確認できるのでストレスフリー。
蒸しかごにのせた鶏肉に火が入ってきたか、野菜がしんなりしてきたか、フタをしたまま確認できました。
水があふれない、ボウルとザルのセット

横口ボウルザルセット 20
どの家庭にもあるボウルとザルのセットですが、この「横口ボウルザルセット 20」が違うのは、ボウルの横に注ぎ口がついているところ。ボウルの水が一杯になると、横口から排水されるしくみです。

横口ボウルザルセットで米をとぐ

横口ボウルザルセットの注ぎ口から水が出る
ボウルに注ぐ水を出しっぱなしにしてしまい、麺や野菜が流れたり。お米を洗った研ぎ汁を流そうとしたら、お米まで流れてしまったり。それが意外と小さなストレスになっていたんです。でもこれは水が勝手に流れてくれるので、お米が1粒も流れなくて感動しました

水から米を引き上げる
ザルには左右に取っ手がついているので、水から引き上げるのもラクチンです。
ボウルは、食材を洗ったり食材を混ぜたりする用途のほかに、「たこやきなどの生地を流し入れるにも便利そう!」とEriさん。茶碗蒸しの卵液を、おたまを使わずにボウルのまま器に流し入れるなど、アイデアが次々と浮かんできます。
この「横口ボウルザルセット 20」は、お米なら2〜3合にちょうどいいサイズ。小さめの「横口ボウルザルセット 15」と、大きい「横口ボウルザルセット 26」がラインナップしており、15と26は重ねて収納できるので、サイズを揃えて持っておくのもおすすめです。
ごますりのハードルを下げる、片口ごますり+すり棒

片口ごますり+すり棒
「片口ごますり」と「すり棒」は、これまでのすり鉢&すり棒のイメージを覆す小ぶりでスタイリッシュなアイテムです。
どちらも手のひらサイズなので、ごまをすりたいと思ったときに引き出しなどから取り出しやすく、気持ちのハードルを下げてくれます。

ごまをする
栄養があり、おいしくて香りもいいので、毎日ごまをすって料理に取り入れているというEriさんは、「これで本当にごまがすれるの?」と半信半疑だったようですが、「ちゃんとすれるし、ちゃんといい香りが立って、驚いた」とのこと。

ごますりの凸凹
触ってみてようやくわかるくらい凸凹は細かい

ごますりを洗う
私が使っているのはレトロ感のある昔ながらのすり鉢。お気に入りですが、すったごまが櫛目に詰まるのは仕方がないと思っていたんです。でもこれは凸凹が細やかでしっかりすれるし詰まらない。洗いやすいなと思いました。
あと、天然木のすり棒は、すり心地がいいだけでなく、あたたかみがあって手なじみもよくて癒やされます
ごますりには片口がついているので、器に移すのもスムーズ。この日はすったごまを小皿に移して、蒸し料理用のつけだれにしました。

家事問屋のアイテムを使って作った料理を食卓に並べる
「家事問屋」の道具5つを使ってつくったEriさんのお昼ごはんです。
道具のよさを味わいながら使うことができたので、料理がとても楽しかったです。食材に感謝するように、道具にも感謝したくなる。それが「家事問屋」の道具だと思いました
つくり手の思いがこもった道具で、料理はもっと楽しくなる
使いやすさを追求してたどりついたシンプルな機能美、手入れや収納のしやすさを叶えてくれる「家事問屋」の道具たち。
今回、5つのアイテムを使ってみて、Eriさんが受け取ったのは「つくり手の思い」です。

食事を楽しむEriさん
どうしたら使う人が快適にストレスなく、料理やそのひと手間に向き合えるかが計算し尽くされていると感じました。
「かゆいところに手が届く」では軽くて、もっとこう、料理をする人をねぎらうようなあたたかさに、この道具を通してふれることができました
Eriさんのような料理好きはもちろん、料理に苦手意識を持つ人にとってもそのハードルを下げ、誰もが気軽に料理を楽しめるきっかけを提案したい──。
そんな思いを受け取れる「家事問屋」の道具、ぜひ毎日の「ひと手間」で使ってみませんか?
Photographed by Megumi Uchiyama