マチアプで子持ち女性とマッチ…答えの出ないもどかしさを共感しあう姿に「わかる!」と反響【漫画】

『カラフルアンチノミー』が話題

コミックの映像化や、小説のコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、フィール・ヤングにて連載中の、シバタヒカリさんが描く『カラフルアンチノミー』より第4話をピックアップ。

シバタヒカリさんが2月5日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、7,000件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、シバタヒカリさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。

初対面の相手とテーマパークへ

『カラフルアンチノミー』第4話(1/35)

主人公の文は、マッチングアプリで出会った既婚・子持ちのすずとテーマパークに来ていた。初対面のすずは、今日は自身の家庭に関する話題は全部禁止にしたい、と言う。

会話の度に若干のやりづらさを感じていた文だったが、パレード待ちの際にすずが自身の事情を話し出す。それは先週家族で同じテーマパークに来ていた時の、何とも言えないやるせない気持ちだった。

“折り合いの付け方に答えの出ないもどかしさ”を抱いているすずに、共感の気持ちを抱いた文は、環境や悩み自体は違いながらも同じような思いを抱いていることを話す。

そのことをきっかけに、その日二人は“禁止を禁止”にし、語り、愚痴り、笑って過ごし、最後にはお互い少し前を向けるようになるのだった。

作品を読んだ読者からは、「めっっちゃ『わかる!』だった!」「焦れったい気持ちを柔らかく前向きに言語化してくれる作品」など、反響の声が多く寄せられている。

作者・シバタヒカリさん「読者さんがちょっとでも楽しく元気になる作品、心が膨らむ作品を描きたい」

『カラフルアンチノミー』第4話(32/35)

――『カラフルアンチノミー』の主人公・文やマッチングアプリで出会ったすずなど、登場キャラクターはどのようにして生みだされたのでしょうか。また、登場キャラクターの関係性を描く際に意識していることがございましたらお教えください。

私はsnsで自分の漫画のエゴサをよくします。

過去の連載作品が、メイクや美容・ファッションなど、自分のカラダにまつわることについてのオムニバス漫画だったのですが、それについたいくつかの感想が着想のヒントになったなと思います。

感想がどんな内容だったかというと、漫画の内容について自体は肯定的に捉えているが、漫画の中のキャラクター達と同じくらい美容やメイク、ファッションにちゃんと向き合っていない自分が嫌になってしまう、というような感じでした。

私はどこまでやれていたら褒めるに値するとか、そういうラインは無い(はずだ)と思っているのですが、そう思っているにも関わらず同じような気持ちになることがあります。これはメイクや美容・ファッションだけに限ったことではありません。

「映画が好きって言ってるけど往年の名作のアレはまだ観ていないから映画好きを語る資格ないか…」とか「遊びに出てきたけど、こうしている間にも本物の漫画家なら1ページでも多く作品に向き合うべきなんだろうか…」とか。

こういった感情を抱く人達に、ひいてはそう思ってしまう自分の気持ちを紐解いていける話になればいいなと思い、文という人物が生まれました。

マッチングアプリをキッカケに集まった文の周りの人物については、年がそこそこ近い中でも少しバラつきのある人物を配置したいと思っていたのですが、とにかく担当編集さんと共有させてもらったのは“セーフスペース”を構築できる人間関係の集まりにしようということでした。

心地よく考えを共有できる環境に自分を置いてみて初めて自分自身のことが見えてきたという経験が自分にあったので、関係性などはその辺りを意識しました。

それぞれのキャラクターは私の周りにいる安心して話せる女友達の要素を抽出して繋ぎ合わせて作ったという感じです。

――初対面のすずとテーマパークに行くという本エピソードを描いたうえで、「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

このエピソードも、友人からの発言が構想の元になっています。

私は30歳で結婚して32歳くらいの頃に夫と話し合い子供を持たない家庭になることにしたのですが、その事がどうしてもどこか後ろめたいだとか、後悔するかもしれない恐怖を感じてしまう時期がありました。

その頃に母親をやっている友人達に自分の気持ちを話し、もらった言葉達のおかげで今はその気持ちとの折り合いが少しずつ付けられるようになったので、同じような気持ちを持っている読者の方に追体験してもらえたらと思ったのがこのエピソードを描いたキッカケです。

話を聞いてくれた母親をやっている友人達に共通していたのが、誰かへの愛情と自分の人生の切り分けがちゃんと出来ていることでした。

それは子供を産んですぐできるようになった事では全くなくて、自分の人生と自分(とパートナー)が絶対に責任を持たないといけない人間の人生を並行して過ごし、試行錯誤して絶えず抱いた疑問や出した答え達でした。

その過程を話してくれたことで、文とすずの視点の違いのアイディアが生まれました。なので注目して欲しいシーンというかお気に入りのシーンはパークに来ていた子供連れのゲストを見て2人の思考のズレが発生するシーンかなと思います。

――今回のエピソードのなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

「環境も悩みも性格も、あらゆるものが違う私達はそれでも重なりあったところから、そうじゃないところから、自分をフチどるのかもしれない」というモノローグがお気に入りです。

自分が友人達と経験して得た感情を、文とすずの体験を通してうまいこと言語化できたなと思ったからです。笑

――『カラフルアンチノミー』のコミックス第3巻が2026年2月に発売されました。第3巻の見どころをお教えください。

この作品は色々な視点から主人公・文の感情を白黒つけずに、且つグレーにもせず紐解いていくというのを目標にしているのですが、3巻は知り合った友人達の家族の在り方にヒントをもらい、文を軸に家族の問題について言語化していく巻になっているのかなと思います。

どういう家族が良い家族なのかは人によって様々あると思いますので、読みながら自分と同じ所や違う所を見て楽しんでいただけたら良いなと思います。

――シバタヒカリさんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。

漫画家になったキッカケがラブロマンス作品(ラブコメディ作品でもいいな)を描きたいと思ったからなので、性愛にまつわる作品が次は描けたら良いなと思っております。

あと自分のストレス耐性がとても低いので悪役が物語の中で長くのさばっているのが許せない…みたいなこともあり描けるキャラクターの幅が狭いと思っているので、苦手を克服しなんでも描けるようになりたいナ…とか思っています。

あとは作家活動をしていて読者さんと直接お会いする機会がコミティア(オリジナル漫画の同人誌即売会)くらいしかないので、読者さんにお会いしたい気持ちです。めちゃ売れてサイン会とか企画してもらえる作家になれるように頑張ります!

ーーと、やりたい事や目標は挙げるとキリがないのですが、根底にあるのは読者さんがちょっとでも楽しく元気になる作品、心が膨らむ作品を描きたいという気持ちなので、今後もその事を忘れずに作品制作にあたっていきたいです。

――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

単行本の巻末に読者さんへの質問を投げかけさせてもらっていることがあるのですが(2巻は好きなフルーツ何ですか?で、3巻は好きなお菓子もしくは好きな地元銘菓なんですか?)感想と合わせて教えてくださりありがとうございます!

相互コミュニケーションが取れたような気持ちになれるのですっごく嬉しかったです。

感想だけでも嬉しいし、お手紙にて自分のお話を書いてくださるのも楽しいです。

とにかく私はこの作品の向こうに貴方がいるということを感じられることが嬉しいんだと思います。居てくれてありがとうございます。

これからも私の漫画が少しでも貴方の楽しみになれるような作品でありますように、誠意を持って取り組んで参ります!大好きです!