ギリシャの新婚カップルと作る、地中海のヘルシーなファストフード「スブラキ」

「焼き鳥」は世界どこでも, たっぷりの野菜と乳製品で, 陽気な地中海沿岸の人々、しゃべって踊って, スブラキのレシピ

(イラスト・織田博子)

マンガ家の織田博子です。25カ国をめぐり、現地の人と家庭料理を作って食べてきた体験から、世界の料理や人をレシピ付きで紹介します。今回は、ギリシャのファストフード「スブラキ」を踊りながら作った話です。

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「焼き鳥」は世界どこでも

「焼き鳥」は世界どこでも, たっぷりの野菜と乳製品で, 陽気な地中海沿岸の人々、しゃべって踊って, スブラキのレシピ

ギリシャからきたオデュッセウスさんとキリヤキさんカップル

エーゲ海とイオニア海に面した南欧の国。古代から文明が栄え、西洋のみならず世界に影響を与えた。日本でも美術でデッサンを学ぶときはギリシャ神話の神や英雄の石膏(せっこう)像をモチーフにする。

「焼き鳥」は世界どこでも, たっぷりの野菜と乳製品で, 陽気な地中海沿岸の人々、しゃべって踊って, スブラキのレシピ

本場ギリシャの調味料など

そんなギリシャ人のマンガ家が日本に遊びに来た。日本のマンガのスタイルで活動するオデュッセウスさんと、彼女のキリヤキさん。

半年前の来日では、普通の家庭の雰囲気と料理を楽しんでもらった。肉じゃがの食材を買いに行った商店街で、焼き鳥を見て「ギリシャにもある!」と喜んでくれた2人に、今回は「ギリシャの料理を教えて」と頼み、滞在中の民泊施設へ。スーツケースには、いっぱいギリシャの食材が詰まっていた。

「焼き鳥」は世界どこでも, たっぷりの野菜と乳製品で, 陽気な地中海沿岸の人々、しゃべって踊って, スブラキのレシピ

たっぷりの野菜と乳製品で

「今日はギリシャのファストフード、スブラキと、ホリアティキ・サラタを作るよ」とキリヤキさん。取り出したのはオリーブ、ヤギの乳で作られたフェタチーズ、オリーブオイル、塩、スパイスミックス、乾燥ハーブのオレガノ。

まずは田舎風サラダという意味のホリアティキ・サラタ作りから。タマネギ、トマト、皮をむいたキュウリを食べやすい大きさに切り、フェタチーズ、オリーブを入れ、オリーブオイルと塩、オレガノをあえるだけ。ボウル1杯分になったのに、「ちょっとしかできなかった。これじゃギリシャ人は泣いちゃう」とキリヤキさん。普段は一人でボウル1杯は食べるそうだ。

「ギリシャでは、同じ建物に親戚が住んで、一緒に料理を作ったり食べたりするのが普通。あと、料理は女性がするのが一般的かな」。隣で手を動かすオデュッセウスさんを見ながら、キリヤキさんが「ギリシャでは、料理を手伝う男性は超超超貴重。私はツイている」と続けた。

この旅行で、オデュッセウスさんはキリヤキさんにプロポーズした。私は新婚さんの家庭料理におよばれするという、とても幸せな機会にあずかったのだ。

陽気な地中海沿岸の人々、しゃべって踊って

2人は並んでスブラキの準備にかかる。ピタ(平らなパン)をフライパンで焼くオデュッセウスさんの横で、野菜を準備するキリヤキさん。どうやら、パンで肉や野菜を包む料理のようだ。千切りにして塩をもみこんだキュウリや、ギリシャヨーグルトにオレガノやニンニク、塩を入れた「ジャジキ」、そしてフライドポテト、スライスしたタマネギとトマトを準備。薄切り豚肉はスパイスミックスをまぶしてから、たっぷりのオリーブオイルで焼く。

できあがるころ、日本在住・キプロス出身のマンガ家で、オデュッセウスさんの友達、銅島ジャイロさんがやってきた。

とたんに3人がギリシャ語で話を弾ませた。「サラダ、少なくない?」「じゃあ野菜を買ってこようか」「塩をもう少し入れたほうが?」「こんなもんじゃない?」…とてもにぎやか。

「ギリシャ人はおしゃべり。みんなでこうやってワイワイ話しながら料理を作る」とキリヤキさん。そして「音楽かけようよ」と言って、踊り始めた。その横でオデュッセウスさんは、さらに肉を焼く。

2時間かけて作ったスブラキをみんなで食べた。焼いたパンに肉や野菜、ジャジキをのせ、くるりと巻く。手巻きずしみたいで楽しい。肉のうまみと、野菜、さっぱりとしたヨーグルトの風味。サラダはシンプルながらフェタチーズ、濃厚なオリーブやオレガノの風味が効いている。スブラキはボリュームがあり、2つでおなかがいっぱいに。あっという間に時間が過ぎた。

私が帰るとき、「せっかくだから」と余った食材やスブラキを包んで持たせてくれた。ギリシャ神話の中から出てきたような新婚カップルと、わいわいしゃべり、踊り、料理して食べて。帰り道に寒空を眺めながら、ギリシャ旅行をしてきたみたいな気分だと思った。

スブラキのレシピ

材料

豚肉・・・500グラム

タマネギ・・・1と1/4個

トマト・・・1個

キュウリ・・・2本

ジャガイモ・・・6個

ピタ(平らなパン)・・・適量(なければトルティーヤやチャパティなど、丸く薄いパン)

スパイスミックス(塩、黒コショウ、タイム、唐辛子、オレガノ、ニンニクパウダーなど)

オリーブオイル・・・適量

☆ヨーグルト・・・500グラム

☆ニンニクパウダー(もしくは、すりおろしたニンニク)・・・小さじ1

☆オレガノ・・・大さじ2

☆塩・・・小さじ2

作り方

1.タマネギは厚さ5ミリ、トマトは厚さ1センチに切る。キュウリは皮をむき、千切りにして塩でもむ。

2.ジャガイモはよく洗い、皮ごと拍子木切りにする。豚肉にスパイスミックスをもみ込んでしばらく置く。

3.フライパンに多めのオリーブオイルを熱し、②のジャガイモを揚げ焼きにして取り出す。

4.フライパンにオリーブオイルを薄くひき、ピタを両面しっかり焼き、取り出す。さらに豚肉をしっかり焼き、取り出す。

5.☆を混ぜ合わせ、ジャジキ(ヨーグルトソース)を作る。

6.ピタに①③④の野菜や肉を好みでのせ、⑤のジャジキをかけて巻く。

おだ・ひろこ

マンガ家、料理研究家。料理教室を主宰、3児の母。著書に「世界家庭料理の旅」「世界の子育てくらべてみたら、心がふわっとラクになった」など。