船運航の市民団体「おわびのしようもない」高校側も謝罪…出航判断「船長に任せていた」教員乗らず船転覆、女子生徒ら死亡
沖縄県名護市の辺野古の沖合で小型船2隻が転覆し、女子高校生と船長が死亡した事故で、17日に高校が会見を開き謝罪しました。船を出す判断は「船長に任せていた」ということです。
■船運航の市民団体「おわびのしようもない」
17日夜、取材に応じたのは、船を運航していた市民団体の共同代表。
転覆した船を運航する団体 仲村善幸共同代表
「あってはならない事故を引き起こしてしまった。おわびのしようもない状態。弁護士さんとも相談をして、きちんとできるような対応、責任をとれるような対応をしなければいけない」
16日、沖縄県名護市の辺野古沖で起きた小型船2隻が転覆した事故。船に乗っていたのは、研修旅行で来ていた高校2年生18人と乗組員3人。
そのうち14人がケガをしたほか、小型船「平和丸」に乗っていた17歳の女子生徒と、もう1つの小型船「不屈」の船長、金井創さん(71)が亡くなりました。金井さんは普段、牧師としても活動していたといいます。
■小型船、普段は抗議活動で使用

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現場はアメリカ軍キャンプ・シュワブの沖合。このあたりは普天間基地の移設をめぐり、埋め立て工事が行われている場所です。
普段から市民団体による抗議活動が行われていて、今回転覆した小型船、「平和丸」と「不屈」も、普段は抗議活動で使われているものでした。
17日に『news zero』が取材した、事故の目撃者は…。
目撃者
「海上保安庁がいて、そこで心臓マッサージやってたから、なんでかなと思ったら、不屈と平和丸が転覆したと聞いた」
男性は、船に高校生たちが乗っていく様子も見ていたといいます。
目撃者
「結構な人数乗っていくなとは思った」
──事故当時の海の状況は?
目撃者
「少しうねりはあった」
■海上保安庁、2隻に“波浪注意報”呼びかけ

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海上保安庁は事故当時、2隻に対して「波浪注意報が出ているので航行に気をつけてください」など、呼びかけをしていたことが新たに分かりました。
17日、運輸安全委員会は船舶事故と認定し、現場での調査を開始しました。
運輸安全委員会 事故調査調整官
「損傷は現状見たところでは上部の構造物のみの状況。船底には損傷は見られませんでした。波の衝撃ではなくて、海底にぶつかったのではないかと」
■高校が会見 最終判断「船長に任せていた」

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亡くなった17歳の女子生徒が通っていた同志社国際高校では…。
並木雲楓フィールドキャスター
「校長らが入ってきました。まもなく記者説明会が始まります」
西田喜久夫校長
「心よりおわび申し上げます」
「(亡くなった女子生徒について)非常に優秀な生徒で、英語の力、特にネーティブ並みに話せるお子さんだった。廊下で出会った時、非常に気軽に『先生おはよう』『こんにちは』と声をかけてくれる生徒でした」
今回の説明会で明らかになったのは、出航するまでの判断の流れ。
当時、現場海域では波浪注意報が出されていましたが…。
西田喜久夫校長
「朝の時点で教頭は(波浪)注意報が出ていることは確認していた。その上で最終的に乗るか乗らないか、出航するかどうかに関しては、現地で引率しました担当教員と、船長の金井牧師の方で相談して決めることになっていました。
金井牧師は、そのことについて特に言及なく、出航に関しての疑念も話されなかった。私どもも海のことはよく分からないので、船長の考えのかたちで出航を決めたと理解している」
波浪注意報が出ていたことを把握した上で、最終的な判断は「船長に任せていた」と説明しました。
──船に関して、なにをもとに安全と認識していた?
西田喜久夫校長
「今となっては本当に、そこの部分に関して私の認識の甘さ、それから学校の判断の甘さというのがあったんだろうと思いますけれども、先ほど申しましたように、金井先生のお言葉、それと教員との信頼関係のなかで、『普段から乗船されている金井先生のおっしゃることだから』と思いがあったんだろうと思います」
■教員乗らず後発隊と待機、生徒だけ乗船

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さらには教職員がおらず、生徒だけが船に乗っていた理由についても説明。
研修プログラムは前と後の2班に分かれて船に乗るもので、引率の先生2人は港で後発隊の生徒たちとともに待機していたといいます。そのため…。
西田喜久夫校長
「生徒たちと教員たちが待っていたところ、思いのほか長く帰ってこない。どうしたんだろうという思いでいたようだが、そうこうしてるうちに救急車のサイレンの音がして、港に緊急車両が来て、その時初めて現場の教員は転覆事故があったと聞いた」
港にいた先生は、転覆事故が起きたことを現場に緊急車両が来てから把握したといいます。
■海から基地見学“船長が提案”か

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平和学習の一環で行われていたという今回の沖縄研修。
事故当日は、7つのコースから選択して研修を選ぶことになっていたといいます。
辺野古基地の見学は、11年前から実施されたもの。当初は陸から見学するだけの研修でしたが、3年前からはボートに乗船して見学するかたちに変わったといいます。
そのきっかけとなったのが…。
西田喜久夫校長
「金井牧師から船に乗って沖のほうから現場を見ることもできると話があり、本校で検討し、海上からの辺野古基地見学を研修旅行に取り入れることになった」
キリスト教の牧師をしていた、亡くなった金井さん。キリスト教教育を行う同志社国際高校とは個人的に交流があり、そのつながりの中で、金井さんから提案があったといいます。
生徒らが乗っていた船は普段、普天間基地の移設をめぐる抗議のために使われていたものでしたが、学校側はあくまでも平和学習なので、「抗議活動を行うようなことも、立ち会うことも一切していない」と話しました。
■平和丸の船長「気が動転」「葛藤あった」

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一方、今回の事故を受けて基地建設に反対する沖縄県の組織「オール沖縄会議」は、緊急の幹事会を実施。
亡くなった女子生徒が乗っていた「平和丸」の船長も出席したといいます。
女子生徒が乗船「平和丸」の船長(会議の出席者による)
「『不屈』が転覆したので冷静になれなかった。助けに向かったが途中で(平和丸も)転覆した。(不屈が転覆して)気が動転した。(不屈の生徒たちを)助けることを優先するか、平和丸の生徒の避難を優先するか、葛藤はあった」
■大波が発生しうる危険な海域…リーフの際

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海上保安庁によると、今回船が転覆したのは、珊瑚礁が広がる“リーフ”の近くだったといいます。
この“リーフ”の特徴について、元海上保安官の遠山純司氏は…。
元・第三管区海上保安本部長 日本水難救済会 遠山純司理事長
「(“リーフ”付近について)大きな波が発生する可能性が高い、危険な海域であるといえる」
遠山氏によると、リーフは、海の中で珊瑚礁が盛り上がってできた地形。リーフは、海の外側に向けて壁のようになっているといいます。
この壁に波が反射することで、後から来た波とぶつかり、通常の2倍ほどの高さの波が発生するということです。
日本水難救済会 遠山純司理事長
「リーフの際(きわ)は、大きな波が立っているといえると思います。たくさんの人を乗せて、なぜこの海域に近づいてしまったのか」
◇
海上保安庁は船を運航していた市民団体の安全管理体制に問題があった可能性もあるとみて、業務上過失往来危険や業務上過失致死傷の容疑を視野に、関係者からの聴き取りを進める方針です。
(3月17日放送『news zero』より)