平均108fpsが517fpsに? DLSS-MFGの6xモードとダイナミックマルチフレーム生成は確かにすごかった、でも弱点もあった

「固定倍率」でDLSS-MFG 6xモードを利用する, 「動的」にDLSS-MFGの倍率を変更するDMFGモード, RTX 5060でも4K&レイトレ&最高画質で高フレームレートが出せる?, パストレーシングで500fpsを超えた, 高性能なGPUほどフレーム生成によるPCレイテンシーも短い, RTX 5060はVRAM不足が祟って仕事ができない, DLSS-MFGの画質はGPUパワーで変わる, まとめ:DLSS-DMFGやDLSS-MFG 6xモードも素のパワーが大事

 NVIDIAがCES 2026で発表した「DLSS 4.5」は、2つの技術が目玉になっている。1つはアップスケーラーである「DLSS Super Resolution(DLSS-SR)」の学習モデルを、第2世代トランスフォーマーモデルにアップグレードすることで画質を向上させるというもの。これに関しては以前の記事にて検証済みだ。

 そして、もう1つはマルチフレーム生成。つまり、「DLSS Multi Frame Generation(DLSS-MFG)」のさらなる強化だ。GeForce RTX 50シリーズ最大の武器であるDLSS-MFGは、連続する2フレームの間に3フレームを挿入し、最大4倍のフレームレートを獲得する技術である。

 GeForce RTX 40シリーズで採用したDLSS-FR(Frame Generation)は最大2倍であったことを考えると、DLSS-MFGの段階でかなりのブーストになる。DLSS 4.5ではこのDLSS-MFGを強化し、連続する2フレームの間に最大5フレームを挿入することで、最大6倍のフレームレートを引き出すことを可能にする。

 DLSS-MFG 6xモードを利用するには、「GeForce RTX 50シリーズ」と「NVIDIA Appのv11.7以降」、「Game Readyドライバー(バージョン595.97以降)」の3つが必要だ。要はGeForce RTX 50シリーズユーザーであれば、NVIDIA Appとドライバーの更新だけでフレームレートが爆上がり! という無料アップグレードなのである。

 しかし、「タダ(無料)より高いものはない」という格言がある通り、この手の技術はメリットだけではない。そこで、本稿ではDLSS-MFG 6xモードやDLSS-DMFG(後述で詳細を解説)について、筆者が試せる範囲で検証した結果をお届けするとしよう。

「固定倍率」でDLSS-MFG 6xモードを利用する

 まずはDLSS-MFG 6xモードを利用する手順について解説しておこう。まずNVIDIA Appを起動し、6xモードを使用したいゲームに対し、フレーム生成の倍率を6xに設定するだけ。ただし、現状ではDLSS-MFGに対応していても、4x止まりのゲームも存在する。その場合は、NVIDIA Appのアップデートを待とう。

 また、グローバル設定を利用し、DLSS系の設定はすべて「推奨」にしておこう。

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NVIDIA Appを起動し、左の「グラフィックス」から「グローバル設定」を開く。そこにある「DLSSオーバーライド- モデルプリセット」を選ぶ

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デフォルトは「3Dアプリケーション設定を使用する」だが、「推奨」をクリック。こうすることで、DLSS-SRの学習モデルでより新しいトランスフォーマーモデルが使える

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グローバル設定が終わったら、DLSS-MFGの設定を変更したいゲームを選ぶ(ここでは「サイバーパンク2077」)。中段の「DLSSオーバーライド – フレーム生成」の右にある「グローバル -3Dアプリケーション設定を使用する」をクリック

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倍率固定で6xモードを選ぶ場合は、この画面にある「修正済み」を選択する。「マルチプライヤ」の部分にある数値がDLSS-MFGの倍率となる。最低3x〜最高6xまで4段階の設定が選択可能だ。ちなみに、「修正済み」は完全な誤訳である。NVIDIA App開発チームはローカライズ仕事が雑で本当に困る……

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先月リリースされたばかりの「DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH」の場合、検証時点ではフレーム生成モードは4xが最大値だった。こういうゲームの場合はアップデートで対応されることを待つのみである

 ちなみに、DLSSオーバーライドのフレーム生成は、「プリセットA」のほかに「プリセットB」が選択できるゲームがある。ゲーム画面でメニューや体力のバー表示(いわゆるHUD)がフレーム生成で乱れてしまう場合に、プリセットBを選択すると軽減されるとNVIDIAは説明している。

 ただし、フレーム生成のプリセットBは、ゲーム側が「UIデプスバッファー」を提供しているタイトルでないと効果がない。プリセットBで改善しないようであれば、その時はあきらめよう。

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DLSSオーバーライドのフレーム生成のところは「推奨」でよいのだが、一部のゲームではプリセットBが選択できる。ただし、これを選択したところでデメリットは(筆者の知る限りは)ないので、試してみて都合がいいほうを選ぼう

プリセットBで効果が見込めるゲーム(レビュアーズガイドより引用。2026年4月1日時点)

●Battlefield 6 (キャンペーン)

●Borderlands 4

●DOOM: The Dark Ages

●Dragon Age: The Veilguard

●The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered

●F1 24

●F1 25

●Forza Horizon 5

●God of War Ragnarök

●Horizon Forbidden West

●Horizon Zero Dawn Remastered

●Indiana Jones and the Great Circle

●Marvel’s Spider-Man 2

●Marvel’s Spider-Man Remastered

●Marvel’s Spider-Man: Miles Morales

●Monster Hunter Wilds

●Outer Worlds 2

●Ratchet & Clank

●Star Wars Outlaws

●Starfield

「動的」にDLSS-MFGの倍率を変更するDMFGモード

 DLSS-MFG 6xモードで超高フレームレートを出力しても、ディスプレーのリフレッシュレートを超えたぶんのGPUパワーはムダになる。そこで、NVIDIAはDLSS-MFGの倍率をリフレッシュレートに合わせて動的に変更する機能も実装した。これがダイナミックマルチフレーム生成こと、「Dynamic Multi Frame Generation(DLSS-DMFG)」である。

 DLSS-DMFGをリフレッシュレート144Hzのディスプレー環境で使用したら、ゲームのフレームレートは144fpsになる。360Hzなら360fpsになるように自動的に調整される。軽いシーンなら1x(フレーム生成なし)まで下がり、重くなるにつれて倍率が最大6xまで変わる(上限倍率は指定可能)。

 つまり、十分なGPUパワーがあれば、DLSS-DMFGを使っても倍率が3xや4x止まりになる場合もあり得る。後述するDLSSの状態を確認できるオーバーレイを利用して、動作状況を把握しておくことはとても重要だ。

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DLSS-MFGのオーバーライド設定で「動的」を選択すると、DLSS-DMFGの設定となる。「ターゲットFPS」は文字通り目標とするフレームレートだ。ここを「最大リフレッシュレート」にしておけば、ディスプレーの最大リフレッシュレートに到達するまで倍率が自動的に上がる(これがデフォルト)。なお、「マルチプライヤ」はどこまでDLSS-MFGの倍率上昇を許容するか、という設定になる

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ターゲットFPSを「カスタム」にすると、目標フレームレートを任意の数値で指定できる。たとえば、360Hzのディスプレーでもここを「120」に設定すると、120fps以上を超えないようにDLSS-MFGの倍率が調整される。もちろん、120fpsを出すための性能が足らなければ、120fpsを下回る可能性はある

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このような表記になっていれば設定は終わり。ゲームを起動して動作するか確認してみよう。しかし、NVIDIA Appは設定の一覧性があまりよろしくない(筆者の好みにすぎない)。どうにかならないものか……

 ゲーム側でDLSS-DMFGの動作状況を確認するには、NVIDIAの「FrameView」のほか、NVIDIA Appのパフォーマンスオーバーレイ、あるいは「DLSS Swapper」などでDLSSの開発者向けオーバーレイを有効化するといった方法がある。ここでは標準のオーバーレイ機能で確認する手順を紹介しよう。

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ゲームを起動したら「Alt-Z」キーでNVIDIA Appのオーバーレイを出す。左下にある「統計情報」をクリックしよう

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この表示になったら一番上の「ヘッドアップディスプレイに……」のスイッチをオンにし、「統計情報ビュー」を「DLSS」にセットする。これで画面右上にDLSSの状況が表示されるようになる

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画面右上に出てくるオーバーレイ情報のうち、「FG OVR」がフレーム生成の状態を示している。「動的 5x」ならDLSS-DMFGの5xモードで動いていることを示している

RTX 5060でも4K&レイトレ&最高画質で高フレームレートが出せる?

 ここまで読めばもうお気づきだろうが、DLSS-DMFGの倍率は使用しているGeForceのパワー、ゲームの画質・解像度設定によって変わる。同じ画質・解像度設定でも、RTX 5060のようなエントリーに近いGeForceなら常に6xに張り付く一方、RTX 5080のようなパワーのあるGeForceであれば、2xや3x程度で済んでしまうこともある。

 そこで、今回はRTX 5080、RTX 5070、RTX 5060の3種類のGeForceを用意し、DLSS-MFG 6xでどこまでフレームレートを引き出せるのか検証した。果たしてRTX 5060は使いものになるのか? という観点で検証してみたい。

 ドライバーはレビュー用に提供されたGame Ready 595.99を使用した。Resizable BARやSecure Boot、メモリー整合性やカーネルモードハードウェア強制スタック保護、HDRなどはひと通り有効化。ディスプレーのリフレッシュレートは144Hzに設定したが、今回はあえてDLSS-DMFGで240Hzにターゲットを合わせた設定を試すことにする。

パストレーシングで500fpsを超えた

 今回はシンプルに「Cyberpunk 2077」でフレームレートを比較する。なお、これはレビュー用に提供されたNVIDIA Appやドライバーの組み合わせの制約によるものだ。

 画質は「レイトレーシング:オーバードライブ」、いわゆるパストレーシングを利用した最も重いモードを使用する。解像度はフルHD(1920×1080ドット)、WQHD(2560×1440ドット)、4K(3840×2160ドット)の3通り、DLSS-SRはすべてDLSSパフォーマンス(DLSS Pと表記)に統一した。

 3種類のGPUそれぞれに、「DLSS-DMFG 240fps目標」「DLSS-MFG 6x」「同4x」「フレーム生成なし」の4通りで、フレームレートにどのような差が出るかを検証する。テストはいつも使っているゲーム内ベンチマークよりも描画負荷の高い、ドッグタウンのブラックマーケット付近を歩き回った時のフレームレートを計測した。フレームレートの計測には「CapFrameX」を使用している。

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Cyberpunk 2077:フルHD時のフレームレート

 解像度がフルHDだと、RTX 5080やRTX 5070では容易に240fpsを超えてくれる。RTX 5080とRTX 5070でフレームレートがMFG 4x>DMFG 240fpsとなっている理由は、DLSS-DMFG使用時の実効倍率が2xや3xあたりになるからだ。

 とはいえ、RTX 5080ならDLSS-MFG 6xを利用すれば平均500fpsを超える。Cyberpunk 2077のようなゲームでeSports系ゲームのようなハイフレームレートが必要かどうかという話はさておき、DLSS-MFG設定をオーバーライドすることでフレームレートがさらに伸びるようになった点は評価したい。

 ただし。RTX 5060は少々様子が異なる。RTX 5060の性能だとDLSS-MFG 4xを使っても240fpsに届かないため、ほぼ常時6xで動作するようになる。DLSS-MFG 6xとDMFG 240fpsのフレームレートが近い理由はこのためだ。

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Cyberpunk 2077:WQHD時のフレームレート

 WQHDではRTX 5060+DLSS-MFG 6x設定で平均120fps以上出せているが、最低フレームレートは60fpsを大きく割り込んでいる。フレーム生成なし(w/o FG)の素のフレームレートを見ると、RTX 5060の最低フレームレートは20fpsを大きく下回っていた。

 平均こそ120fpsは超えているが、操作には常時強いラグを感じたので、アクションにはまったく向かないと感じた。ただし、街を歩き回ってスクリーンショット撮影のポイントを探すとか、そういった用途なら使えなくも使えなくもない。GPUパワーが足りない場合は、フレーム生成なしで少なくとも40〜50fps程度は維持できるような画質に落とす設定が実用的といえる。 

 対してRTX 5070はフレーム生成のない状態では最低フレームレートが50fps程度だが、この程度なら違和感は感じない。RTX 5070の場合、DLSS-MFG 6xを利用すれば300fpsに迫るフレームレートが叩き出せる。もっとも、VRAMの搭載量的にRTX 5070で攻めるならこの解像度までだろう。

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Cyberpunk 2077:4K時のフレームレート

 4Kになると、RTX 5060は完全に使い物にならなくなる。素のフレームレートで平均10fpsも出ないものは、DLSS-MFGを使ったところでゲームにならないということだ。RTX 5070もフレーム生成を使わなければ平均60fpsを下回っているのでちょっと重い感じはするが、操作のラグ感はWQHD時のRTX 5060よりもよく、RTX 5080よりちょっとラグが大きいかな? と感じる程度だ。

 RTX 5080のフレームレートに注目すると、DLSS-MFG 6xの平均フレームレートがDMFG 240fpsのそれよりもやや高い。つまり、DLSS-DMFG利用時の倍率はほぼ6倍に張り付いていることを示している。

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DLSS-MFG 6xで動作している時のフレームタイムを「FrameView」でキャプチャーしたもの(抜粋)。横1列が1フレームぶんの処理時間を示すが、3つの数値が意味するところはさておき、数値の傾向に注目してみよう

 上の図はDLSS-MFG 6xで動いている最中のフレームタイム(単位はms)をFrameViewで計測したものの抜粋だ(RTX 5080環境)。これによると、ゲームが描画命令(Present)を出す間隔、すなわちmsBetweenPresentsを見ると、処理時間の長いフレームがきっちり5フレームおきに出現している。17〜20msで処理しているフレームはGPUが頑張って描画したフレームで、0.6ms未満で処理できているフレームはDLSS-MFGが生成したフレームとなる。

 だが、これをそのまま画面に出力すると画面の更新が不自然に脈動するため、フレームペーシングという処理を挟んで、均一なタイミングで画面が更新されるようにする。この間隔がmsBetweenDisplayChangeであり、この図の場合は3.6ms付近に調整されている。

 ちなみに、DLSS-MFGがGeForce RTX 50シリーズ専用機能となっている理由は、このフレームペーシングの機能を専用回路で実装しているためだ。逆にいえば、専用ハードで安定して処理できるからこそ、オンデマンドでDLSS-MFGの倍率を変えるという変則的な処理が可能になっている。そのうちRadeonにもDLSS-MFGのような機能を搭載される日が来ると筆者は予想しているが、このフレームペーシングをソフト的にどう解決するのか楽しみである。

高性能なGPUほどフレーム生成によるPCレイテンシーも短い

 フレームレートの傾向がわかったところで、次はレイテンシーの話をしよう。フレーム生成は2枚の連続したフレームの中間にGPUがフレームを挿入するため、、フレーム生成を使わない時よりもPCレイテンシーは長くなる。PCレイテンシーとはなにかについての詳細は割愛するが、あるフレームの処理開始からディスプレーに映像信号が出力されるまでのタイムラグのことだ。

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PCレイテンシーとは、CPUで新しいフレームの処理をする瞬間から、ディスプレーを更新するまでの時間のこと。CPU〜GPUが責任を負う処理時間ともいえる。CPUとGPUの性能と、描画処理の重さがPCレイテンシーに強く影響する

 なお、実際のラグはこれに入力デバイスのコントローラーがPCに向けてシグナルを送るまでのラグと、ディスプレーのドットの色が変化するまでのラグが加わる(これがEnd-to-Endシステムレイテンシーである)。なお、PCレイテンシーはFrameViewやCapFrameXでフレームレートを計測することで算出できる。

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Cyberpunk 2077:フルHD時のPCレイテンシー

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Cyberpunk 2077:WQHD時のPCレイテンシー

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Cyberpunk 2077:4K時のPCレイテンシー

 GPU性能が高いほどPCレイテンシーは短縮され、描画負荷が軽いほどさらに短くなる。今回検証した中ではRTX 5080が最も高性能なGPUであるため、PCレイテンシーが最も短い。フレーム生成を使わない状態を基準にすると、解像度が高くGPUのランクが低くなるほどに、DLSS-MFG利用時のPCレイテンシーが長くなる傾向にある。

 たとえば、RTX 5080の場合、フルHDであればDLSS-MFG 6xを利用しても、PCレイテンシーの増加は20%未満だ。しかし、4Kともなると41%に増大する。RTX 5070の場合、フルHD時はDLSS-MFG 6x使用時で+30%、4Kでは+50%といった感じだ。WQHDまでならレイテンシーの増大を強く意識せずにプレイできる、と書くこともできるが、どこまでPCレイテンシーの増加を許容するかはプレイヤー次第だ。

 ただし、RTX 5060はそんなレベルではない。WQHD以上の解像度ではPCレイテンシーが100msを超え、4Kともなると500msに迫る。つまり、0.1秒から0.5秒のラグが発生しており、フレームレートが数字上120fps以上でも到底快適なプレイ環境とはならない。

 考えてみれば当然の話だが、DLSS-MFG 6xは性能が低いGeForceを4Kゲーミング可能な領域に引き上げる機能ではなく、もともとある一定レベルのフレームレートが出せるGeForceのQOLを向上させるスパイスのようなものだ。つまり、もとのフレームレートが極端に低ければ、DLSS-MFG 6xの恩恵は小さくなるのだ。

 言い換えれば、RTX 5060でも画質設定を下げてもとのフレームレートを一定水準まで上げれば、DLSS-MFG 6xやDLSS-DMFGは有効に働くだろう。フレーム生成のない状態でおおよそ60fps以上出せるような設定に調整してから、DLSS-DMFGを利用してディスプレーの性能をフルに使えるフレームレートに引き上げてもらう、という運用がベストだろう。

RTX 5060はVRAM不足が祟って仕事ができない

 RTX 5060のPCレイテンシーが異常に長いが、この時GPUやCPUはどうなっているのか? そこで、ベンチマーク中にGPUとGPUが消費した電力の平均値をチェックしてみた。今回の検証では電源ユニットからビデオカードに流れる電力を計測するHWBustersの「Powenetics v2」を利用している。

 ちなみに、検証の都合上、PCI Express x16スロットに流れる電力は除外せざるを得なかった。RTX 5080やRTX 5070はx16スロット経由の電力はとても小さいので無視できるとはいえ、RTX 5060に関しては無視できない設計である。そのため、RTX 5060のみドライバー経由で取得できるGPU Powerで比較することにした。

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Cyberpunk 2077:フルHD時のGPUとCPUの平均消費電力

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Cyberpunk 2077:WQHD時のGPUとCPUの平均消費電力

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Cyberpunk 2077:4K時のGPUとCPUの平均消費電力

 まずRTX 5080やRTX 5070の場合、GPUの消費電力はフレーム生成を使わない時が最も低く、DLSS-MFG 6xモード使用時に最大となる傾向が確認できた。GPUで中間フレームを生成する作業にも電力が必要になるから当然の話だ。ただし、解像度が高くなるほどフレーム生成時とフレーム生成不使用時の差が縮まってくる。

 対してRTX 5060は、解像度が高くなると逆に消費電力が下がっていた。普通は解像度を上げるとGPUの負荷が増えるので消費電力も増大するもの。しかし、負荷の増大に対して消費電力が減少する場合は、単にGPUの処理性能が「不足しすぎたため」処理が止まっていることを示している。

 つまり、RTX 5060だけWQHD以上のPCレイテンシーがとんでもなく大きい原因は、負荷が重すぎて仕事が滞っているためだ。ではなぜ仕事が滞るのかといえば、RTX 5060はVRAM搭載量が8GBと少なく、パストレーシング+高画質設定のデータを保持しきれないからだ。DLSS-DMFGやDLSS-MFG 6xモードは、エントリークラスのGPUにハイエンドGPU向けの処理を無理にさせるための機能ではないのだ。

DLSS-MFGの画質はGPUパワーで変わる

 最後に「ホグワーツ・レガシー」を利用して画質を比較してみよう。ホグワーツ城のホール内を動き回った時の映像を外部PCでキャプチャーした映像を比較した。画質はレイトレーシングを含め最高設定である。

 ちなみに、このタイトルは同じセーブデータから読み込んでも、NPCの配置や挙動が毎回異なる。そのため、まったく同じ動きをすることが困難なので厳密な比較にはならない点をご了承いただきたい。

「固定倍率」でDLSS-MFG 6xモードを利用する, 「動的」にDLSS-MFGの倍率を変更するDMFGモード, RTX 5060でも4K&レイトレ&最高画質で高フレームレートが出せる?, パストレーシングで500fpsを超えた, 高性能なGPUほどフレーム生成によるPCレイテンシーも短い, RTX 5060はVRAM不足が祟って仕事ができない, DLSS-MFGの画質はGPUパワーで変わる, まとめ:DLSS-DMFGやDLSS-MFG 6xモードも素のパワーが大事

検証に使用したシーン。全力で走り回っているため、モーションブラーが画面全体に効いている。プレイヤーキャラの動きもわりと激しめだ。解像度は4Kで比較している

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RTX 5080をDLSS-MFG 6xモードで動かした場合。疾走するキャラの輪郭部分に白い線のような描写が部分的に見受けられる。とくに階段を駆け上るようなシーンではキャラの輪郭がチラつきやすい。これはフレーム生成の仕様上、仕方のない部分ではあるが……

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同じシーンをフレーム生成を使わずに使用した場合。モーションブラーで輪郭がぼやけることはあっても、ゴーストや輪郭が不自然に縁取られるようなことはない

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次はこのシーン。RTX 5060とRTX 5080で比較する。どちらもDLSS-DMFGを利用し、240fpsをターゲットにした。解像度はRTX 5060に合わせてWQHDとしている(さすがにRTX 5060で4Kはまともに操作できなかった)

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RTX 5080だとDLSS-DMFGの倍率は4x止まりになることが多いのだが、それでもキャラの輪郭が明るく縁取られるような描写が観測できる

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RTX 5060だとDLSS-DMFGは6xに常時張り付く感じ。Cyberpunk 2077ほど操作に重さ(レイテンシー)は感じないが、キャラの輪郭がにじむような描写になりやすい。この図では前後に動く腕がボケているが、そのほかに帽子の「くるん」とした部分(ここも激しく動く)もにじみやすい

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こちらはRTX 5080で解像度はフルHD、240fps想定で動かしたものだ(これが筆者のキャプチャー環境の限界でもある)。プレイヤーキャラが高速でグルグルと視点を回している状態である。DLSS-DMFGだと4x止まりになる

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MFG 6xモードの場合。プレイヤーキャラの輪郭部にアーティファクトが出ている

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DLSS-DMFGの240fpsターゲットの場合。前述の通り、4x相当で動いている。こちらもアーティファクトが出ていることがわかる

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同じシーンをフレーム生成なしで試した状態。アーティファクトは出ていないが、背景がモーションブラーでぼやけてしまい、視認性はよろしくない

 検証時間の都合上、サンプルをあまり提示できなかったが、DLSS-DMFGやDLSS-MFG 6xは画質を重視する人にはあまりオススメできない。GPUの性能が低く、素のフレームレートが低いほど連続する2フレーム間の差分が大きくなる。それを推論でいい感じにブレンドして出力するという仕様上、高性能なGeForceであるほど画質の損失は少なくなる。

 とくに、今回検証に使用したホグワーツ・レガシーの場合、RTX 5060のようなエントリー寄りのGPUを使うと輪郭のチラつきが気になった。これはモーションブラーがかかっているためだが、DLSS-DMFGを利用するのであれば、GPUを問わずモーションブラーはオフにしたほうがいいだろう。

まとめ:DLSS-DMFGやDLSS-MFG 6xモードも素のパワーが大事

 以上で簡単ではあるが、DLSS 4.5で解放されたDLSS-DMFGやDLSS-MFG 6xモードの検証は終了だ。フレームレートを力業で引き上げるNVIDIAの技術力は確かだが、その恩恵を余さず享受するには強力なGeForce RTX 50シリーズが必要だ。

 RTX 5060でも高フレームレートを出せることに嘘はないが、実用するには画質をある程度まで落とす必要がある。つまり、根本的な性能改善のアップデートというよりは、GPUパワーを余らせた人向けのQOL向上機能とい評するべきだろう。

 最近の重量級ゲームを4K解像度+最高画質で遊ぼうとすると、DLSS-MFGの4xモードを使っても、ディスプレーのリフレッシュレートに届かないことが多い。ところが昨今は4Kディスプレーでも240Hzに対応するモデルも登場している。リフレッシュレートのギリギリを攻めてより滑らかな表示を得たい人こそ、DLSS-DMFGやDLSS-MFGの6xモードを使うべき人である。

 それなりのGPUパワーは必要にはなるが、従来よりもフレームレートが高められるチャンスが増えたと歓迎したい。

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■関連サイト

  • GeForce RTX 50シリーズ製品情報
  • NVIDIA