ジムニーノマド納車3カ月で確信 「こりゃ売れるわ」11カ月待っても買ってよかった理由

2025年12月、注文から約11か月で筆者のもとにスズキ「ジムニーノマド」がやってきました。納車から3か月が経過し、日常の足として2000kmほど走行した現在は、初期の高揚感が落ち着いたことで、ようやくこのクルマの美点と欠点を冷静に整理できるようになりました。
【画像ギャラリー】現代のクルマが失いつつある魅力がある!! 一年待ってでも買うべき、スズキ「ジムニーノマド」(19枚)
ジムニーノマドは、スペック上、どんなひとにもお薦めできるモデルではありません。しかし、それらを踏まえてもなお、このパッケージングでなければ得られない価値があると感じています。3カ月使い込んで見えてきた、ジムニーノマドの素顔を報告します。
文:吉川賢一/写真:SUZUKI、エムスリープロダクション
「優等生」ではない。3か月で突きつけられたリアルな欠点
まずは気になるところをまとめていきます。ジムニーノマドを日常使いする上でまず直面するのは、駐車場などでの取り回しです。最小回転半径は5.7mと、このサイズ感から期待するよりはやや大きく、正直なところ小回りは苦手。タイトな駐車場では切り返しを求められる場面は少なくありません。
リジッドアクスルや大径タイヤを採用した本格的なオフロード構造ゆえの制約ですが、同じサイズのコンパクトカーに比べると明らかに劣ります。ハンドル操作もやや重めで、据え切り操作には最近のクルマにはない力加減を要求されます。街乗り中心のユーザーにとっては、これが最初に乗って感じる「洗礼」となるでしょう。
また、静粛性や乗り心地といった快適性においても、一般的な乗用車とは比較になりません。走行中はトランスファー周辺からのメカニカルな唸り音が室内へ侵入し、高速域では風切り音や横風によるふらつきも発生します。乗り心地も、路面の凹凸に対して揺さぶられるような挙動もあり、決して「滑らか」とは表現できません。
燃費も期待していたほど伸びず、荷室の床面が高いため、重い荷物の積み下ろしも相応の腕力が必要です。

神奈川県の某スズキディーラーにて2025年12月末に納車

納車から3カ月が経過し約2000kmを走行、徐々に味が分かってきた
死角のない視界と絶妙なサイズが生む、街乗りでの解放感
一方で、狭い道での扱いやすさは抜群です。水平基調の角ばったデザインは死角が少なく、車体の四隅がどこにあるのかを直感的に把握できます。ワイドフェンダーによって車幅は広がっていますが、ベースがコンパクトなため、狭い路地でのすれ違いでも精神的な余裕が生まれます。
駐車場に止めた際も、隣のクルマとの距離をあまり気にせずドアの開閉ができるため、乗り降りのストレスが非常に少ないです。ドア自体の前後長が比較的短いことも、狭い場所での使い勝手のよさに寄与しています。
積載性も見た目以上に優秀で、後席を倒すことでゴルフバッグ2個を積載できるだけのスペースが確保できます。バックドアが横開きのため後方のスペースに気を使う面はありますが、左右のドアからも荷室へアクセスしやすいため、状況に応じて使い分ければ狭い駐車場でもほぼ困ることはありません 。
デザインについても、見慣れるどころかむしろ日を追うごとに愛着が増していきます。小さなボディに凝縮された本格クロカンの佇まいは、単なる移動手段を超えた、所有する満足感を与えてくれます。

標準装着の15インチ大径タイヤ。純正ホイールのコンケイブ感も気に入っているポイントだ

メカメカしい車内に聞こえるノイズも、「味」として感じられるように
「リセールの高さ」というメリットがどうでもよくなるほど、クルマ自体に魅力がある!!
海外生産のため、品質に問題があるといった情報もありましたが、筆者の個体に関しては目立った不備は確認できません。むしろチープなところがありながらもゴツさ溢れる佇まいが、このクルマの真骨頂だと感じています。
当初は「リセールの高さ」という合理的な安心感にも惹かれていましたが、実際に所有してみると、それ以上に「このサイズで本格的なクロカンを楽しめる」という唯一無二のパッケージングそのものに価値を感じるようになりました。
運転席付近にドリンクホルダーや収納スペースがないなど、現代的な乗用車と比較すれば不便な点も少なくないですが、こうした「伸びしろ」があるからこそ、自分なりのカスタマイズを施す楽しみが生まれます。筆者もそうした不満を解消するパーツをコツコツ集めて装着しており、今後は、いまの純正タイヤが消耗した先で、インチアップとオールテレインタイヤを導入する計画です。
前述した走行中に伝わってくるメカニカルな音や振動も、乗り込むうちにこのクルマの大切な「味」のひとつに感じられるようになりました。静かで滑らかな最新のクルマとは対極にありますが、機械がきちんと仕事をしている感触がダイレクトに伝わってくる。この手応えは、現代のクルマが失いつつある魅力のひとつではないでしょうか。
すべてにおいて平均点以上を求める人にはおすすめできないジムニーノマドですが、このスタイルと成り立ちに価値を感じるなら、1年待ってでも手に入れるべき1台だと考えます。もし購入を検討しているのなら、一日でも早くその列に加わることをおすすめします!!

ゴルフバッグ2個が余裕で積載できる。後席ドアから荷室へアクセスできるのも便利

東京オートサロン2026に出展していたノマドのカスタム仕様。自車をどう仕上げるか、ついつい妄想してしまうように