ヤクルトが再奪首!池山隆寛監督、九回に今季初奇襲スクイズ「普通にやっていたら勝てない」高梨裕稔が6回1失点で3勝&適時打で4年ぶり打点

九回、岩田は内野安打となるスクイズを成功させた(撮影・渋井君夫)

〝イケヤマジック〟がまた決まった!! ヤクルトは8日、広島6回戦(マツダ)に4―1で勝ち、2連勝。阪神がDeNAに敗れたため、4月28日以来となる首位奪還に成功した。8番で先発した高梨裕稔投手(34)が6回1失点と力投し、四回には適時打を放って3勝目。九回には岩田幸宏外野手(28)がチーム今季初となるスクイズを成功(結果は一塁適時内野安打)させた。試合前時点でチーム犠打数は12球団最少の「2」だったが、池山隆寛監督(60)のここぞの場面での采配が勝利につながった。

9回、ヤクルト・岩田幸宏のスクイズで生還し、ベンチでむかえられるヤクルト・伊藤琉偉=マツダスタジアム(撮影・渋井君夫)

ここぞの場面で〝奥の手〟を出し、勝利をつかんだ。2点リードの九回1死三塁で、池山監督は岩田にチームとして今季初となるスクイズを指示。見事に一塁前へ転がし(結果は一塁適時内野安打)、ベンチではしてやったりと言わんばかりの笑みを浮かべた。

「(周囲から)『監督緊張していますか?』って言われたけど、(スクイズを)平然と通達できたと思う。バントが成功するたびにベンチも盛り上がる。よく選手がついてきてくれてるからこそ成功につながっている」

試合前時点でチーム犠打数「2」は圧倒的に12球団最少。昨季まで絶対的主砲だった村上宗隆が米大リーグ、ホワイトソックスに移籍し、得点力が落ちるのは明白だっただけに「普通にやっていたら勝てない。打つことも難しいけど、バントも難しい。バント失敗のリスクを背負うより、打たせるほうがいいんじゃないか」と犠打にこだわらない采配を見せてきた。

スタンドに向かって手を振るヤクルト・池山隆寛監督=マツダスタジアム(撮影・渋井君夫)

八回1死一塁では茂木が投前犠打に成功。1試合2度のバント企図も今季初だった。池山監督は犠打について「1点取ったら勝ちというところでは使いたい作戦の一つ」と明かしてきた。2点差よりも3点差。確実に勝利をもぎ取るための一手だった。

投手を8番に起用する作戦もはまっている。先発の高梨が四回2死一、二塁で中前適時打。今季初安打で、2022年6月5日の西武戦(神宮)以来4年ぶりの打点をマークした。今季は小川や山野ら「8番・投手」が軒並み打点を挙げている。来季からセ・リーグにもDH制が導入されるだけに、〝ラストイヤー〟に投手が存在感を発揮している。

投球するヤクルト・高梨裕稔=マツダスタジアム(撮影・渋井君夫)

攻撃面だけではない。「柱になるためには1試合7イニング以上」を先発陣に厳命し、自覚と責任感を持たせた池山監督の言葉がもたらす影響も大きい。高梨は6回5安打1失点と指揮官の求めるイニングには「1」届かなかったが、好投で3勝目。今季の22勝中、先発した投手が15勝を挙げており、34歳の右腕は高め合う先発陣の関係性の良さを証言した。

「先発陣も切磋琢磨(せっさたくま)というか、誰かがいいピッチングをしたら『自分も』という思いにみんながなっている。いい関係性ではあると思う」

阪神にゲーム差なしの2位につけていたが、阪神が敗れたため、4月28日以来の首位に立った。池山監督は「たくさんの応援があったので、勝ち試合を見せられて本当に良かった」と左翼席の一部で声をからしたスワローズファンに感謝した。勢いだけではない。今季のヤクルトには確かな強さと、面白さがある。(赤尾裕希)