“大根切り”カット素振りは何のため? 「これがハマった」松山英樹が続ける試行錯誤

19位で決勝に進んだ松山英樹

◇米国男子◇ザ・メモリアルトーナメント presented by Workday 2日目(5日)◇ミュアフィールドビレッジGC (オハイオ州)◇7569yd(パー72)

ミュアフィールドビレッジは朝から風が吹き荒れていた。アプローチにも影響が出そうな強風は、時に収まり、時に強まり、まるで波を打つようだった。グリーンも硬く、ボールは止まりにくい。2日目はスコアが出ない――。誰もがそう思う状況の中、松山英樹はティオフした。

3バーディ、4ボギーの「73」でプレー

1番は6mのバーディパットを外してパー、2番は2mのパーパットを残すもこれをしっかりセーブ。3番は138ydのショットを8mにつけ、2パットのパー。風の中でも安定したゴルフを見せていた。

4番久しぶりのチップイン

続く4番(パー3)では2打目のアプローチをそのまま決めてバーディ先行。5番(パー5)でも7mを入れて連続バーディとした。6番でアプローチのミスからスコアを落としたが、続く7番(パー5)で3打目101ydを1mにつけてバウンスバック。8番、9番は共にティショットをミスしたもののパーをセーブし、前半を2アンダーで折り返した。強風の中で周囲がスコアを落とす中で順位を上げていった。

しかし後半は耐える展開となる。10番はアプローチを寄せ切れず、パットも入らずこの日2つ目のボギー。11番(パー5)は5mのバーディパットを打つも、難しいラインを読み切れず決めきれなかった。

12番(パー3)はスリークォーターでラインを出し、ピン奥6mにつけるも、バーディパットはカップの左に抜けた。13番でティショットを右に曲げてトラブルとなり、ここをボギーとし前半の貯金を使い果たした。

9番の2打目は池を越えてバンカーへ

15番(パー5)は6m、16番(パー3)は4mのバーディチャンスにつけたが、いずれも決めきれない。最終18番はドライバーで完璧なティショットを放ち、フェアウェイ中央へ。2打目もカットボールで完璧なショットを放ったが、ピンハイに落ちた球は止まらず奥へこぼれた。難しいアプローチは寄せ切れず、パットも入らずボギー。最後にスコアを落として2日目を終えた。

3バーディ、4ボギーの「73」。前半で伸ばしていただけに、悔しい後半となった。だが、この日アンダーパーは72人中13人のみ。世界ランキング上位者が多く名を連ねるフィールドで、このスコアを見れば、いかにハードなコンディションだったかが分かる。

実際コースは風が吹き荒れ、グリーンも硬くてボールは止まらず、外せば粘り気のあるラフが待つ。その中で1オーバーは上出来とも言えるが、そこは満足しない男。スコア提出後はそのまま練習場へ直行し、強風が吹く中、誰もいない練習場で最後まで球を打ち続けていた。

9番ティでカット素振り、その1

さて、テレビ中継をご覧になっている方は気づいただろうか。前週「チャールズ・シュワブチャレンジ」から、ある素振りを行っている。ティイングエリアで球を打つ前によく見せる、いわゆる「カット素振り」だ。

トップまで振りかぶってから、“大根切り”のようにクラブを左下へ振り下ろす動き。かつてタイガー・ウッズがクラブが下から入り過ぎるのを嫌い、矯正の意味で行っていた素振りを連想する。

9番ティでカット素振り、その2

その意図を尋ねると、「自分のやりたいことをやろうとしたら、これがハマっただけです。タイガーみたい? 意図は違いますけどね」と、明言は避けた。

「スイングにいい味付け? うーん。どうなんだろう。いろいろありますからね」と試行錯誤は続いているようだ。実際にここ2週は良いショットも増えており、本人も「これが続けば」と、試合で使えるスイングに手ごたえを感じ始めている。それにしても、この素振りをカット打ちの多いアマチュアが真似したら、とんでもないことになりそうだが…。

トップとは10打差の19位で週末を迎える。まだ上位も見える位置にいる。土曜日の巻き返しに期待したい。(オハイオ州ダブリン/服部謙二郎)