2026年のアストンマーティンAMR26、コースによっては5番目に速い可能性も? デ・ラ・ロサ示唆「とはいえ、満足できる状況ではない」
元F1ドライバーであり、今はアストンマーティンF1のアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、アストンマーティンの今季マシンAMR26について、最も得意とするサーキットであれば「5番目に速い」可能性があると主張している。
アストンマーティンは2026年シーズン、大いに苦しんでいる。同チームは昨年まではメルセデスのカスタマーパワーユニット(PU)を使ってきたが、今季からはホンダと契約を結び、ワークス体制となった。
しかしそのホンダPUに起因する振動がシャシーに伝わる際に増幅されてしまい、異常振動が発生。この振動がPUのバッテリーにダメージを与えたり、ドライバーの身体にも影響を及ぼした。この振動に伴う信頼性の問題は解決してきているものの、今度がホンダ製PUを使うことを決めたために自社で開発することになったギヤボックスという問題も明るみに出てきた。当然ホンダのPUにはさらなるパフォーマンス、ドライバビリティの向上が求められる。この面については、まもなく公表されると見られるADUO(追加開発&アップグレード機会)により、出力向上につながることが期待されている。
では稀代のF1デザイナーと呼ばれることも多いエイドリアン・ニューウェイがアストンマーティンにやってきて初めて手がけた今季マシンAMR26の真の価値とは、一体どのようなモノなのだろうか? ニューウェイは今年の2月の時点でこの点について言及し、チームの最新鋭の風洞が2025年の4月まで稼働せず、それによって開発が遅れたと語っていた。
「実際、2026年型マシンのモデルを風洞に入れたのは、4月中旬になってからだった。一方、ライバルチームのほとんど、もしくは全者が、昨年1月のはじめに、2026年の空力テストが解禁された時点で、すぐに風洞実験を始めていただろう」
そうニューウェイは語った。
「そのため我々は4ヵ月も出遅れてしまい、研究開発サイクルが非常に短縮されてしまったのだ」
デ・ラ・ロサはモナコGPで取材に応じた際、AMR26はサーキットによっては5番目に速いこともあるだろうと語った。そして今後面白いことが起きるはずだとも示唆した。
「サーキットによっては、5番目に速いタイムを出せる所もあるだろう。でも、他のサーキットではもっとずっと遅いタイムになる可能性もある」
そうデ・ラ・ロサは語った。
「どんな状況であれ、満足できる状況ではない」
「これから面白いことが起きると分かっている。だから、辛抱強く待つしかない。現在の制約の中で、レギュレーションを出来る限り理解し、新しいパッケージが導入された時に、そこから最大限の性能を引き出すための手段を揃える必要がある」

Pedro de la Rosa, Aston Martin F1 Team
モナコではフェルナンド・アロンソが10位に入り、待望の今季初ポイントを獲得した。しかしこれは、レース終盤に赤旗中断になってライバルとの差がなくなり、さらに他車にペナルティが科されたことで得られたもの。パフォーマンスの面で言えば、今季最悪の週末だった。
「ここではもう少し良い結果を期待していたが、低速コーナーで非常に深刻なアンダーステアに見舞われた。チームはあらゆるセットアップ変更を試み、改善しようと努力してきた」
そうデ・ラ・ロサは説明した。
「しかしこれは、セットアップ変更よりも根本的な問題だ。これほど酷いアンダーステアは、他のどのレースでも経験したことがない」
「我々の予想を裏切ることになった。チームはセットアップの調整など、機械的にも空力的にも、考えられるあらゆる面で素晴らしい仕事をしてくれた。でも、それでは十分ではなかった」
「マシンは依然として非常に扱いにくく、低速コーナーで方向を変えたり、正しい方向にマシンを向けたりするのがとても難しいのだ。モナコではそういう部分で多くのタイムを失ってしまった」
「これが今の我々の状況だ。次のレースでどうなるか分からない。これまでのレースでは、これほど酷い状況には陥っていなかったからだ」
モナコGPの舞台であるモンテカルロ市街地コースは、F1開催カレンダーの中でも特殊なコースであると言える。他のサーキットでは同じような問題には見舞われないのではと尋ねられたデ・ラ・ロサは、「現時点では何とも言えない」と語った。
「モナコとは全く異なるサーキットで、こういう現象は見られていない。だからまずは、今回のレースで得られた全てのデータを分析すべきだと考えている。もし再び同じような問題が見つかった場合に、対策を講じるための手段がさらに増えることになるだろうからね」
「しかしモナコのようなサーキットは他にはないから、これほどのアンダーステア、特にコーナー途中での慢性的なアンダーステアが、他のサーキットで発生するとは考えにくい」
「今年は、こういうサーキットにとってはソフトタイヤでもかなり硬く、我々も含めて多くのチームが、フロントのソフトタイヤを適切な温度まで温めるのに本当に苦労していた。だから今後数レースで、同じようなバランスの問題が起きるとは考えにくいと思う」
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