知的障害がある10代少女監禁…なぜ社会から隠す? ダウン症の弟を持つ当事者「家族がちゃんと見ないといけないと捉えられがち」「母は『弟が迷惑かけてすいません』と常に謝っていた」

知的障害がある10代少女監禁…なぜ社会から隠す?ダウン症の弟を持つ当事者「家族がちゃんと見ないといけないと捉えられがち」「母は『弟が迷惑かけてすいません』と常に謝っていた」
東京都内で起こった「少女監禁事件」。事件が起きたのは1月下旬。10代の娘を数日間にわたり自宅の押し入れに監禁し、ケガをさせたとして、5月12日、両親と兄が逮捕された。
捜査関係者によると両親は、押し入れに板を張って鍵つきの扉を作り、自作の金具で娘の手足を縛った状態で監禁。室内には監視カメラを設置していた。
事件は、母親が娘の異変に気付き、119番通報したことで発覚。娘は低体温症になっていて、背中には床ずれ、他にも骨折した痕や全身にあざが…。そして、娘には知的障害があった。
家庭はどのような状況だったのか。娘は中学校に在籍していた数年間、1度も登校せず学校側は状況を把握しようと、電話や自宅訪問を行っていたが、応答はほとんどなかった。
Xでは「この事件を『ひどい家庭』の一言で終わらせてはいけない」「学校の調査を拒んだ時点で、家族の機能不全は明らか。をなぜ何年も放置したの?」「娘さんを家族だけで囲ったのが、虐待に繋がったのかもしれない」などの意見があがっている。
この事件を受けて、『ABEMA Prime』では、障害がある家族について当事者と考えた。
■障害がある家族を育てる大変さ

障害がある家族を育てる大変さについて、株式会社Lean on Meの代表で、ダウン症の弟を持つ志村駿介氏は「普通の子育てというライフイベント自体も初めてであれば大変だが、そこに障害が加わると情報量が圧倒的に少なくなる。将来の見通しが立てづらく、分からないことだらけで、ストレスの負荷もたくさんかかってくる」。
また、「障害特性ごとのケースにおけるベストプラクティスが情報として入りづらい。発達障害、知的障害、精神障害という大きな括りでまとめられがちだが、本当に当事者や家族が欲しいのは、自分の子どもに似たケースの情報。そこまで絞り込もうとすると情報が足りていない」と訴える。
■「母は『弟が迷惑かけてすいません』と常に謝っていた」

志村氏は自身の経験として、「父親が弟のことを受け入れられず、親族も隠すところがあった。それがきっかけで離婚し、母子家庭で育ってきた。家族が周りに相談して助かったという事例が世の中に溢れていれば、自分も相談してみようというアクションに繋がるが、そうした情報が世の中には少ない。社会側から見ても『家族がちゃんと見ないといけないことだ』と捉えられがちだ」と語る。
また、「弟と2人で出かけた際、日本では周囲が必ず私に話しかけてくるが、イギリスやアメリカでは弟に対して1人の人間として人権を尊重し、当たり前に話しかけてくる。日本はまだ、家族がこの子の面倒を見るものだという空気感をどこに行っても出してしまう現状がある」。
さらには、「母親が私の小学生時代、外出するたびに『すいません。弟が迷惑をかけて』と常に謝り続けている姿を見てきて、生きづらさを感じていた。障害特性を周りが理解し、世の中全体で知っていれば気をつかわなくなるが、知らない人があまりにも多すぎる。いちいち説明するのも大変だし、わかってもらおうと熱量が高いと周りから重たく感じられたりもするため、親御さんも遠慮してしまう。上手く社会と紐付けるのが難しい世の中だ」と続けた。
■「諦める」という言葉の重要性

家族はどう向き合っていくべきなのか。小児科医で松永クリニックの院長であり、パニック症とうつ病のある子どもを持つ松永正訓氏は、「諦める」という言葉の重要性を提唱している。「決してネガティブな言葉ではなく、ポジティブな言葉だと思っている。『諦める』と『投げやりになる』というのは対極にある。現状を嘆いたり悔いたりしても意味がないので、これから再スタートを切ると決意することが、諦めるということ。その諦めが障害受容の第一歩であり、そこから始まっていく」。
この考えに志村氏は同意し、「全部を変えなくても、周りの人だけにも伝えていくとか、ハードルを下げていくのはすごく大事なアクションだろうと強く思っている。あとは、私の弟の場合も、やはり障害のない子どもと比較すると発育は遅い。そのため、例えばダウン症の子だったらダウン症の子と、その目線感や物差しを少し変えて、成長を追っていくと、親御さんの気持ちもちょっと楽になったりするのではないか」とした。
(『ABEMA Prime』より)
【映像】10代少女を監禁していた様子(実際の映像)
【画像】10代少女を監禁していた様子(複数カット)
【映像】「美人」すぎて悩むという奥峰さん(20代)