教員採用試験に合格も辞退…学校の先生にならないワケとは?当事者「“保護者への対応”に違和感」「閉鎖的な教育現場に嫌気がさした」

教員採用試験に合格も辞退…学校の先生にならないワケとは?当事者「“保護者への対応”に違和感」「閉鎖的な教育現場に嫌気がさした」
去年、話題になった高知県が行った小学校教員の採用試験。280人が合格する中、その内7割以上が辞退した。実は辞退者が相次ぐケースは、高知県に限らず全国的な傾向に…。
様々な理由から教員の仕事に違和感を覚え、別の道を選ぶ人たち。今や全国の公立小学校、中学校、高校などで4700人以上も足りておらず「教員のなり手不足」は社会問題となっている。なり手も減り、さらに辞める人も多い中、どうすれば教員不足を解消できるのか。『ABEMA Prime』では、採用試験に合格するも辞退した当事者と考えた。
■「“保護者への対応”に違和感」

28歳のコウキさんは教員の採用試験に合格するも辞退した1人。きっかけは先輩教員とサッカーしているときに抱いたある違和感だったという。「練習を中断して、保護者さんに電話対応しているのを目の前で見てしまった。自分のスマートフォンを使いながら、保護者さんへの対応してるのは、ちょっと違和感を感じてしまった」。
保護者への対応について、「教育実習にも行ったが、保護者さんへの対応は、目の前で見えるものではなく、想像でしかない。私の想像が欠けてたかもしれないが、夜8時、9時でも対応するのは、ちょっと想像以上だった」と話す。
教員を目指したのは、「高校生のとき、地元の小学生のサッカーチームでコーチしていて、そこで小学生の成長や笑顔に触れて“いいな”と思ったのがきっかけだった」。
先輩教員の保護者への電話対応を見なければ、「おそらく(教員に)なってたと思う。ただ実際に、保護者への電話対応が高頻度であったら、休職してた状況になってたかもしれない」と述べた。
■「閉鎖的な教育現場に嫌気がさし辞退」

52歳のカズさんは、新卒時に教員採用試験を受けたが不合格。その後、一般企業に勤めたが、夢を諦めきれず20年後に再受験した。しかし、2次試験で行われた他の受験生とのグループディスカッションで、一般社会との“大きなズレ”を感じたという。
「いじめをどう対処するかみたいなディスカッションして、自分は会社員なので曖昧にすることなく、程度によって警察に通報するとか、解決策とゴールみたいなものを設定しようとした。でも試験官は“そうだね”という雰囲気も感じなかった。社会人経験の良さを出したいと思ったが、出ないんじゃないかと思った」(カズさん)
結果合格するも、閉鎖的な教育現場に嫌気がさし辞退した。いじめに対し、“警察に通報”と話した経緯について、「何がダメなのか分からないと、また同じことをする可能性がある。別に罰したいわけじゃなく、ちゃんと理解して、学びに繋げていかないといけないと思った」。
試験官については、「3人ぐらいいて、おそらくどこかの校長先生と教育委員会の人が2人。その方々の顔も当然見えて、ポカーンとしてるというか、澄ました顔だったので、正直受け入れられてないと思った」と振り返る。
その上で、「こういう考え方が自分は正しいとは思っているが、それが(ディスカッションで)でこうなら、現場に行っても同じじゃないか。もしくはもっとひどいんじゃないのかと思ってしまった」という。
文化通訳でシンガーソングライターのネルソン・バビンコイ氏は、「これからは50歳、60歳、70歳からでも学校の先生になった方がいいと思う。社会の知恵などは、AIが教えるから、倫理観や社会でのいじめは、人生経験豊かな方の方が、子供には説得力があって、伝えられるんじゃないか」とコメントした。
■教師不足をどう解消すべき?

東京都教育委員会によると、昨年度採用した新任教諭4237人のうち、1年以内の退職者は239人(5.7%)。退職した主な理由は、217人が自己都合退職 (精神面の不調、進路変更、家庭の都合)、残り22人は指導力不足などにより正式採用にならなかった。
教師不足をどう解消すべきか。コウキさん は「給与アップは熱のある教員を増やすことに繋がらない」「無駄な残業や担任1人への負担を減らすなど ワークライフバランスを整えるべき」。カズさんは「1人の教員に依存した担任制の廃止」 「チーム担任制などもしものときに他の教員に頼れるような環境を整備すべき」と考えている。
コウキさんは、給与アップについて、「例えば『月収100万もらえます』ってなったときに集まってくる方々が、教員の質の部分で適している人材なのか。もちろん集まってくる方々全員がそうじゃない。本当にハートの部分で、子どもたちに教えるのが好きとか、子どもたちの成長のことを考えて、教員をしてくれる方々が、労働環境を理由に諦めるっていう形にはなってほしくないと思っている」。
カズさんは、担任制について「担任だけ別にして、教科は別にするとか、役割をもっと分けた方がいい」と提案する。「1人が1クラスじゃなく、何人かでクラスを持つとか、工夫があると休みやすくなって、余裕も出てくるじゃないか」。
また、教員免許については、「大学4年間ずっと塾講師のバイトをしていたが、正直、科目を教えることに対して(教員免許は)いらないと思う。でも、大学の教職課程の勉強はすごく役に立つ」との見方を示す。
対して、コウキさんは「ライセンスとしては必要ない。授業だとかそういったところでの知識として積み上げは必要だ」と同意。
カズさんは、「クラスのマネジメントや保護者対応は、教員じゃなくてもできると思う。例えば、会社員でもそういう対応をしてた人だったらできる。先生は、子供に勉強することや学ぶことの楽しさを教えることだと思う。それができる人を先生として、他のことは違う人がやるのがいい」とした。
(『ABEMA Prime』より)
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