コメ価格、JA全中会長「高いと思わない」──“適正価格”いくら? 専門家・農家・卸売業者に聞いた【#みんなのギモン】

「決して高いとは思っていない」。コメの価格についてJA全中のトップはこう述べ、適正価格を求めました。生産コストが高騰する中、後継者の確保や所得アップが求められている厳しい現状を踏まえた問い掛けです。消費者も生産者も納得する値段とは?

そこで今回の#みんなのギモンでは、「コメの価格 いくらなら…?」をテーマに解説します。

■スーパーでの価格、18週ぶり下落

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山崎誠アナウンサー

「コメの価格について、先週と比べてどうなったか、前の年の同じ時期と比べてどうなのか日々お伝えしていますが、今の価格が適正価格なのかということをJAグループが問い掛け、話題となっています」

「まず、直近の価格について。農林水産省は、4月28日~5月4日に全国のスーパーで販売されたコメの平均価格が18週ぶりに値下がりしたと発表しました。5kg税込み4214円と、前の週から値下がりしましたが、その幅は19円でした」

「去年の同じ時期(2106円)と比べると約2倍の値段になっています。備蓄米の店頭販売が本格化したことが値下がりにつながったとみられていますし、今後備蓄米の流通量が増えることでさらに価格が下がっていくのかが焦点となっています」

森圭介アナウンサー

「適正価格がいくらになるかという議論ももちろんそうなのですが、去年と比べて(約)2倍になったという変化で、皆さん苦しんでいらっしゃいますよね」

桐谷美玲キャスター

「(私の)子どももお米を食べるので、少しでも下がってきたというのは消費者としてはありがたいなと思いますね」

■JA全中会長「高いと思っていない」

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山崎アナウンサー

「上昇が一度止まったというのは大きいですよね。こうした動きも受けて、13日のJA全中の会見で山野徹会長から、こういった発言がありました」

山野会長

「いま備蓄米が出回りつつあるので、店頭小売価格の上がり幅は縮小傾向から直近では下落したとの発表もありますので、決して高いとは思っておりません」

──高いと思っていないということは、これ以上安くならない方がいい?

山野会長

「適正な価格を我々としては…。生産者も消費者もお互いに納得いく価格が適正価格かと思います」

山崎アナウンサー

「消費者にとっても生産者にとってもお互いに納得いく価格、適正価格を求めているという話をしました。その理由についても説明しました」

山野会長

「我々としては従前、あまりにも価格が厳しい状況が長く続いたということで…。いまの高い(状態)を望んでいるわけではありません。あまり高値が推移すると、消費者離れも出てくるので」

■生産者の立場から…発言の背景は?

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山崎アナウンサー

「JA全中としては、『農家は長年にわたって生産コストもまかなえないような状況が続いていた』。そういった背景も含めて、生産者の立場からすると、『決して高すぎるわけではない』という意図の発言だったそうです」

「現在コメの価格は上がっていますが、その理由にはコメが足りなくなるのではないかという不安感から業者などが買い入れを急いだことや、一部には値上がりを期待して買い占めるような動きもあるのではないかとみられています」

「今コメの価格が高くなっても、農家の収入アップには直接つながっていないケースが多いということです」

鈴江奈々アナウンサー

「私たちが安心してお米を食べるためには、作ってくださる農家の皆さんが生産コストをきちんとまかなえる形でできることが望ましいです。そうなると今の価格の高さがどうなのかな、と心配になりますよね」

■値段を上げられなかった理由は

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山崎アナウンサー

「コメ農家の収入はどの程度なのでしょうか。農水省が去年の10月に公表した調査では、全体の97%を占める10ha(東京ドームの敷地約2個分)未満のコメ農家では、年間の所得が200万円を下回っているということです」

「この中には兼業農家の方も含まれていますが、純粋にコメについてだけの所得がこれです」

「また、後継者不足の問題もあります。全体の7割のコメ農家では後継者が確保されていません。将来的な国内のコメの生産量をしっかり確保するには、農家の所得も確保されて、後継者を見つけていかなければならないということです」

桐谷キャスター

「農家さんは苦しい状況が続いていたということですが、だとしたら、コメの値段を今まで上げられなかったのはどうしてですか?」

山崎アナウンサー

「2つあります。1つは、日本では長年にわたってコメ離れが進んでいて、需要が減って高い値段では販売しづらくなっていたということがあります」

「もう1つは、そうは言ってもコメは日本人にとって主食ですから、値段が上がることに対しての消費者や業者の抵抗感が強かったことがあります。それによって値段を上げづらい状態が長く続いていました」

■それぞれの立場で考える適正価格

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忽滑谷こころアナウンサー

「これまでは当たり前に手ごろな価格で手に入っていたお米ですが、今回の高値をきっかけに、適正価格は一体どのぐらいなのかをしっかり考え直す時期に来ているのかもしれないですね」

山崎アナウンサー

「それぞれの立場で考えるコメ5kgの適正価格は実際どうなのか? 専門家・生産者・卸売業者に聞きました」

「コメの流通に詳しい流通経済研究所の折笠俊輔主席研究員は2980円~3500円としています。今は高いということですね。現在の4000円台だと、消費者のコメ離れや海外産のコメの流通が進み、日本のコメ農家の衰退が進んでしまう可能性があると指摘しています」

「生産者はどうか。全体の97%にあたる、10ha以下の田んぼでコメを作る群馬県の農家3人に聞きました。1人目は3000円、2人目は3500~4000円、3人目は4000~5000円でした」

「3人目の方は、苗も肥料も燃料も電気代も、コメを作るためのものの値上がりがすごいので、今よりコメの値段が下がると割に合わないということでした。2人目の方も赤字が出ていて、『もうコメ農家をやらない方がいいんじゃないか』とさえ考えるそうです」

「そして卸売業者は、3000円前後。本音を言えば高い方がもうけが出るけれども、高すぎると消費者が買わないので、消費者が購入できる許容範囲がこのぐらいになる、とのことでした」

「コメの価格が1年で2倍になってしまうというのは、消費者にとってはつらい状況です。なぜ値上がりしているのか、消費者・生産者ともに納得できる価格なのか、一度考えてみたいと思います」

(2025年5月14日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

【みんなのギモン】身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)