「無力な自分が苦しく…」生活保護世帯の子の葛藤や生き辛さとは?難関大学に進学した当事者「自分だけいい思いしちゃいけない」「将来も両親の世話を…」

「無力な自分が苦しく…」生活保護世帯の子の葛藤や生き辛さとは?難関大学に進学した当事者「自分だけいい思いしちゃいけない」「将来も両親の世話を…」
現在、生活保護を受けているのは約165万世帯。その中には、子どもがいる世帯も…。親が生活保護を受給することで不自由を強いられる子どもが実在している。
ネットには「お小遣いをもらえず、友達の誘いを断わる毎日だった」「音楽の道に進みたかったけど、楽器を買えない」「親に『働け』と言われ、大学進学を諦めるしかなかった」など、嘆きの声があふれている。
生きるための最低限度の生活を送れるようにする生活保護制度。その子どもが強いられる不自由と将来の切り開き方について、当事者に『ABEMA Prime』で話を聞いた。
■生活保護世帯のユウタさん

大学4年生のユウタさんは、中学3年生のとき、両親が病気で倒れ生活保護世帯となった。3人家族で生活保護費は約21万円(住宅扶助込み)。当時、お小遣いはなく、友達と遊ぶのも一苦労だったという。
「友達と外食したいとなったら何かを犠牲にしなきゃいけない。食費を切り詰めて、その分1ヶ月に1回だけは友達とご飯食べる感じでやりくりするしかなかった。朝も昼も食事を抜いていたので、体重が10キロぐらい減ってしまった」
当時の悩みについて、「1番大きかったのは学校生活を送ることが大変だった。例えば受験となると、多くの生徒が塾や予備校に通って勉強するが、生活保護だとそういう選択はできない苦しさがあった」と振り返る。
しかし、「税金で生かしてもらっている」「高校に行けることに感謝」と考え、「高望みする自分に申し訳なさを感じる日々」だったという。
■難関大学への受験を決意

ユウタさんは「無力な自分が苦しくなった」と、高校をやめて、就職することも考えたが、貧困の連鎖を断ち切るべく、難関大学への受験を決意した。「家に帰ったら、両親の介護や家事で自由がない。その状況を打開するために、唯一自分が頑張れるのは勉強すること。どうにかして家族を養いたいというモチベーションがあった」。
その道のりは並大抵ではなく、「大前提として塾や予備校に通えない。参考書を買えばある程度補えるが、それが合計して2万円、3万円となるので、お金が払えなくなってしまう。そこで大きな格差を感じた」と明かす。
また、「インターネットには『生活保護世帯だと大学に通えない』という誤解を招きやすい情報も多かった。実際には、ちょっと特殊な制度を使わないと大学に行けないっていう意味だった。そういう制度面での不自由さがあった」。
ユウタさんは、必死の思いで勉強し、国立大学に現役合格。通うためには、生活保護の世帯認定から外れて生計を分ける「世帯分離」をしないといけなかった。「それをすると3月までは受給できていた金額がいきなりなくなってしまう。今までは何も貯蓄できてなかった状況から『全てアルバイトで、自己負担で大学行ってください』と言われてしまう苦しさがあった」。
■奨学金の利用、7つのアルバイトを掛け持ちして大学に進学

大学に進学したユウタさんは、奨学金を利用し、7つのアルバイトも掛け持ちした。「みんなと顔を合わせる頃にはもうバイトづくしだった」と振り返る。
奨学金について、「日本学生支援機構の奨学金だったが、その受給額は『どれだけ納税してますか?』がベースで決まる。世帯分離してる以上、納税額は1人で換算されるので、今まで家族の中で生活してたのに、いきなり1人で、子どもも養う人もいない状況で、稼いでる人みたいに扱われてしまう不自由さはある」と説明。
「家族は一切貯蓄ができないので、何かあったら全部自分で面倒見なきゃいけない。なので、働かないといけないってずっと思っていた。しかし、働こうと思うと奨学金の方も切られてしまう。どうしようかなっていうジレンマにはまっていた」。
大学生活については、「例えばサークルも検討して、実際に入ったのもあるが、新歓や会議などでたくさんお金がかかってしまう。自分の学費、他のことの不安が募ってくるばかりで、辞める選択をした」。
一方で、「今まで受けられなかった高い教育が受けられるので、それで自分の進路が広がっている感覚はある」と学びへの意欲を語った。
■「自分だけいい思いしちゃいけない」「将来も両親の世話をしなきゃいけない」

自身と同じ境遇の人に大学進学は勧められるか。ユウタさんは「置かれている状況に寄る。家事や介護しながら勉強するのが辛すぎて、心理的に追い込まれる時期もあった。それが行き過ぎて最悪の選択を取られるくらいなら、そこは諦めて、働くのもいいんじゃないかと思う」と答えた。
ユウタさんは、今後の親との関係性については、「両親との関係は相当悪化して、将来まで見たくないと思ってしまうときもあったが、大学に行けたという結果があったからこそ、自分だけがいい思いをしちゃいけない。学生時代も社会人になってからも、両親の世話を何らかの形で見続けなきゃいけないと思っている」。
また、同じ境遇の人に対して、「生活保護世帯の子どもは、本当に不自由で感情的にも追い込まれて、最悪の選択をしたくなるときがたくさんある。『大丈夫。大学だって行けるよ』って言われすぎるのも、逆にしんどい。そういうときは、むしろ諦めていい。他の大人がそういう子たちを救っていくべきで、もっと気楽に生きてほしい。当事者だからこそ思う」と述べた。
(『ABEMA Prime』より)
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