山形県人口100万人割れ、45年後には50万人下回る予測も…1市のみ20年間で増加

 山形県は30日、県推計人口(1日現在)が100万人を割り、99万9378人になったと発表した。前月比で962人減少した。県人口が100万人を下回るのは記録上1920年以来。人口の減少傾向に歯止めがかからない中、社会・経済の活力を維持するため、対策は待ったなしの情勢だ。

山形県内の年代別人口の推移

 県が30日発表した1日現在の推計人口で、性別ごとの人口は男性が48万5281人、女性が51万4097人。世帯数は40万1969世帯だった。

 県によると、人口が90万人台に戻るのは、記録が残る1920年(96万8925人)以来となる。

 県人口のピークは、戦後間もない50年の135万7347人だった。その後約121万人まで減った後、70年代にいったん増加に転じ、80年代半ばに約126万人まで回復。しかし、再び減少し始め、2018年に110万人を割り込むと、毎年1万人以上のペースで減り続けてきた。

取材に応じる吉村知事(30日、県庁で)

 県内では、転出者が転入者を上回る「社会減」の状態が一貫して続いてきた。一方、出生数と死亡数の差で表す「自然増減」は1996年まで「自然増」を維持していたが、97年に「自然減」に転じていた。

 近年の人口減少の主因は「自然減」だ。2023年の人口減(1万4743人)のうち、自然減が約8割、社会減が約2割だった。

 今月の推計人口では、991人の自然減、29人の社会増となった。

 若年女性の減少に伴い、出生数は減少の一途をたどっている。厚生労働省が公表する人口動態統計によると、県内の出生数は04年に1万人を下回り、昨年(速報値)は4999人。過去最少を更新した。

 県は6月3日、産業、教育、金融、行政など29団体が集まる「やまがた未来共創会議」の初会合を開く。人手不足解消の先進例など、人口減対策に向けた取り組み状況を共有する。

「人口減のスピード少しでも緩和」

 県庁で取材に応じた吉村知事は「事実として重く受け止めなければならない。県民の心理的衝撃が大変大きいのではないかと捉えている」と述べた。しばらくは減少傾向が続くとし、「人口減のスピードを少しでも緩和する抑制策と、減少が続く中でも生活の質と地域活力の維持向上を図る対応策にしっかりと取り組む」と語った。

 県民に対しては、「決して後ろ向きにならず、一人ひとりに人口減少を自分ごととして捉えてもらい、明るい未来を一緒に作っていきたい」と呼びかけた。

今後も減少続く

 県人口は今後も減少トレンドが続くとみられる。

 県が今年3月に改訂した「県人口ビジョン」では、国立社会保障・人口問題研究所の調査に県の推計条件を加味し、長期予測を行った。その結果、仮に〈1〉県内で日本人の合計特殊出生率が改善〈2〉県内就職率の向上で転出が抑制〈3〉県内への移住やUターンが進み転入が増加――などの要因で人口減少が抑えられたパターンでも、県人口は2050年に76万4846人まで減少すると予測された。

 最も人口減が進むパターンでは50年に71万838人、70年に49万1347人になる見込みだ。

20年間で唯一人口が増加したのは東根市

 県内35市町村別の人口(1日現在)では、最多が山形市の23万8370人、最少は大蔵村の2625人だった。

 2005年の国勢調査の人口と比較すると、34市町村で減少した。減少率が30%を超えたのは16市町村。特に町村部で減少幅が大きく、戸沢村の38・4%が最大だった。市部では尾花沢市の37・7%が最大だった。

都道府県別の人口ランキング

 この20年間で唯一人口が増加したのは東根市(3・5%増)だ。山形市のベッドタウンとして機能し、仙台市への交通の便も良い。新幹線駅や空港もあり、地理的に恵まれている。商業施設が多く、宅地開発が進む。居住者の満足度を調査した民間ランキングでは県内トップの常連だ。

100万人未満は山形県以外に11県

 都道府県別の推計人口(4月1日現在)をみると、山形県以外に100万人未満なのは11県ある。2017年には秋田県が、昨年は富山県が、それぞれ100万人を割っていた。

 山形県に次いで人口が少ないのは宮崎県で、推計人口は102万1710人だった。

 一方、最多は東京都で1422万200人。前月比で3万3963人増加しており、都心への人口集中が顕著になっている。