ウクライナ兵の放った携行式防空ミサイルがロシア軍のSu-25を直撃
- 思いがけない戦果
- 動画によって確認されたSu-25の撃墜
- 撃墜の瞬間が映像に捉えらるのは「珍しいケース」
- コードネーム「タリブ」
- 「卑しいハエが上空を飛び回るのを快く思っていない」
- 携帯式防空ミサイルで攻撃
- 初めて配備されたのは1983年
- 旧式だが、いまだに現役
- 防空ミサイル発射を捉えた動画
- 墜落・爆発したSu-25攻撃機
- 「ウクライナ領空はより安全になった」
- 親露派ブロガーもSu-25の撃墜を確認
- パイロットは入院中?
- パイロット救出作戦を妨害したウクライナ軍
- 攻撃を受けたロシア軍ヘリ
- 自力で飛び去ったロシア軍ヘリ
- 撃墜の現場はどこ?
- 昨年8月にもロシア軍のSu-25を撃墜
- ロシア軍は敵陣地を攻撃するためSu-25を使用
- ロシア軍が失ったSu-25は39機
思いがけない戦果

ウクライナ軍の自動車化歩兵旅団は5月12日、旧ソ連製の携行式防空ミサイルを使って、ロシア軍の主力攻撃機Su-25を撃墜するという目覚ましい戦果を挙げた。
動画によって確認されたSu-25の撃墜

しかも、第58独立自動車化歩兵旅団がSNS上で公開した映像によって、Su-25の撃墜は事実であると確認されている。この動画には、コードネーム「タリブ(または、タリバン)」というウクライナ兵が「9K38 イグラ」を発射する様子が映し出されていた。
画像:Facebook @58brigade
The Daily Digest をフォローして世界のニュースをいつも手元に
撃墜の瞬間が映像に捉えらるのは「珍しいケース」

RBCウクライナ通信によれば、同旅団はこの事件について次のようなコメントを発表:「敵の航空機を撃ち落とす瞬間を映像に捉えることができたという意味で、珍しいケースです。第58機械化歩兵旅団に所属するコードネーム『タリブ』が携行式防空ミサイルの正確な一撃によって、ロシア軍のSu-25を撃墜したのです」
画像:Facebook @58brigade
コードネーム「タリブ」

さらに、同旅団の発表によれば、このベテラン兵士がロシア軍の航空兵器を撃墜したのは今回が初めてではないという。コードネーム「タリブ」はこれまでに、敵の航空機4機およびシャヘドドローン2機を撃ち落としたとされているのだ。
画像:Facebook @58brigade
「卑しいハエが上空を飛び回るのを快く思っていない」

同旅団は「『タリブ』は優秀なハンターであり、卑しいハエが自分の上空を飛び回るのを快く思っていません」と説明。ちなみに、ロシア軍のSu-25は以前にも、別のウクライナ兵が放った「9K38 イグラ」によって撃墜されている。
携帯式防空ミサイルで攻撃

ウクライナの軍事情報サイト「Militarnyi」によれば、今年2月にもウクライナ軍の第28独立機械化旅団および第57独立自動車化歩兵旅団の兵士らが携帯式防空ミサイル「9K38 イグラ」を用いて、ドネツク州トレツク近郊で敵のSu-25攻撃機を撃ち落としたそうだ。
画像:Telegram @ombr_28
「9K38 イグラ」とは?

ロシア製の携帯式防空ミサイル「9K38 イグラ」。軍事情報サイト「Army Recognition」はこの兵器について、やや旧式だと指摘している。
初めて配備されたのは1983年

「9K38 イグラ」が旧ソ連軍に配備されたのは1983年のこと。以来、この兵器は多くの国々で採用されることとなった。本来のターゲットは軍用機や巡航ミサイル、ヘリコプターだが、現在では無人機やドローンの撃墜にも使用されている。
画像:Wiki Commons By Vitaly V. Kuzmin, CC BY-SA 4.0
旧式だが、いまだに現役

旧式であるとはいえ、「9K38 イグラ」はいまだに現役だ。例えば、2024年12月にはウクライナ軍の防空部隊がこの兵器を利用して、ロシア軍の発射した巡航ミサイルを撃墜している。その様子はウクライナ軍によって動画に撮影されており、ウクルインフォルム通信によって公開されることとなった。
画像:Facebook @kpszsu
防空ミサイル発射を捉えた動画

さて、今年2月に発生したSu-25撃墜の様子を捉えた動画には、ウクライナ兵が塹壕から「9K38 イグラ」を発射する様子が捉えられていた。ただし、防空ミサイルの軌道や敵戦闘機に命中する瞬間は映っていなかった。
画像:Telegram @ombr_28
墜落・爆発したSu-25攻撃機

動画ではその後、Su-25攻撃機がゆっくりと墜落するシーンに切り替わる。映像からはこの戦闘機がどちらの軍に所属するものなのか定かではないが、ウクライナ・ロシア双方の報道でロシア軍のものだと伝えられている。
画像:Telegram @ombr_28
「ウクライナ領空はより安全になった」

『ニューズウィーク』誌によれば、ウクライナ軍の第28独立機械化旅団はTelegram上に、「第28独立機械化旅団の兵士らが敵のSu-25を撃墜しました! わが軍の防空部隊のおかげで、トレツクの戦線からロシア軍機が1機減ったのです。ウクライナ領空はより安全になりました!」と投稿したとのこと。
画像:Telegram @ombr_28
親露派ブロガーもSu-25の撃墜を確認

同誌いわく、同機パイロットの安否は不明。一方、親露派軍事ブロガーの「Fighterbomber」は撃墜された機体について、ロシア軍所属のSu-25攻撃機であり、パイロットは病院に搬送されたと主張している。
画像:Telegram @ombr_28
パイロットは入院中?

同ブロガーいわく:「わが軍は航空機を1機失ったが、これはよくあることだ。パイロットは入院しているが、命に別状はない。歩兵隊のおかげだ」けれども、ウクライナ軍が公開した動画には、撃墜されたパイロットを救助するためにやってきたロシア軍ヘリがウクライナ軍に妨害される様子も映っていた。
画像:Telegram @ombr_28
パイロット救出作戦を妨害したウクライナ軍

「Militarnyi」によれば、ロシア軍はSu-25を脱出したパイロットを救出するため、ヘリコプター2機を出動させたという。しかし、第28独立機械化旅団の兵士らによって、この救出作戦は妨害を受けることとなった。
画像:Telegram @ombr_28
攻撃を受けたロシア軍ヘリ

第28独立機械化旅団はドローン4機を用いてロシア軍ヘリを攻撃。うち2機は地上に着陸したロシア軍のMi-8を襲撃し、残りの2機は飛行中の敵ヘリに攻撃を仕掛けたという。
画像:Telegram @ombr_28
自力で飛び去ったロシア軍ヘリ

「Militarnyi」いわく:「映像から判断すると、ドローンは敵のヘリコプターに重大な損傷を与えることはできず、ロシア軍ヘリは自力で現場から飛び去ることができたようだ。とはいえ、パイロットの救出を妨害することには成功している」
画像:Telegram @ombr_28
撃墜の現場はどこ?

Telegramチャンネル「War in Ukraine. Loss of equipment.」はSu-25攻撃機の撃墜現場について、ドネツク州ザイツェヴェ村付近だと特定。
画像:Telegram @ombr_28
昨年8月にもロシア軍のSu-25を撃墜

ウクライナ軍の第28独立機械化旅団がロシア軍のSu-25を撃墜したのは今回がはじめてではない。2024年8月にも、同旅団は対空砲を用いて敵のSu-25を撃墜したと報じられているのだ。
画像:Telegram @ombr_28
ロシア軍は敵陣地を攻撃するためSu-25を使用

「Militarnyi」によれば、ロシア軍は「ウクライナ国防軍の陣地を空中から無誘導ミサイルで攻撃するために」Su-25攻撃機を使用しており、ロシア軍パイロットらは「前線付近にあるウクライナ軍防空部隊の射程圏内」に入らざるを得ないとのこと。
ロシア軍が失ったSu-25は39機

画像や映像を用いて両軍の損失を推計しているオランダのオープンソースインテリジェンス大手「Oryx」によれば、ロシア軍は開戦以来、Su-25を39機失ったとされている。
The Daily Digest をフォローして世界のニュースをいつも手元に