「民主」の遺恨うずまく八王子市…勝つのは国民か立憲か 自民も萩生田光一氏の地元で必勝期す 東京都議会議員選挙
22日投開票の東京都議選で、多摩地区で最多の5議席を11人が争う八王子市選挙区は、国民民主党系の立候補が波紋を広げている。立憲民主党だった現職が国民推薦の無所属にくら替えし、立民は急きょ新人を擁立。自公の強い「保守王国」で、旧民主党系の党がつばぜり合いを演じている。 (敬称略、皆川剛)

◇東京都議選八王子市選挙区(定数5)※届け出順
与倉さゆり 41 参政 新
滝田泰彦 43 無所属 現
両角穣 63 都民 元
須山卓知 44 無所属 現
馬場貴大 46 自民 新
青柳有希子 46 共産 現
東村邦浩 63 公明 現
伊藤祥広 56 自民 現
細貝悠 32 立民 新
須浪薫 63 再生 新
伊藤あゆみ 54 無所属 新
◆地元市議との信頼関係を築けず離党、くら替え
「都議会に国民民主の議員は現在、私1人だ。都民の手取りを増やすため、この選挙でぜひとも仲間を増やしたい」
今月上旬、国民から推薦を受ける無所属現職の須山卓知(たかし=44)は、京王八王子駅前でそう訴えた。前回は立民の公認を受けて当選したが、地元市議との信頼関係を築けず「公認を留保され続けた」として、3月に離党届を提出。国民に公認を申請した。

有権者と握手する国民民主党の玉木雄一郎代表=14日、東京都八王子市で(皆川剛撮影)
「今の政治がやるべきは都民の暮らしを支えることだ」と国民の政策に共感を示すが、公認は得られず推薦にとどまった。国民都連の関係者は「ついこの間まで他党にいた方。政策を見極める時間が足りないし、(公認を出せば)有権者にどう映るか」と漏らす。
それでも、党代表の玉木雄一郎が告示翌日に須山の応援に駆けつけた。「手取りを増やす夏にしたい」。熱弁をふるい約100人から拍手を浴びると、一人一人と握手して写真撮影に応じていた。
◆「後ろ足で砂をかけて出て行った」と怒り心頭
立民は、くら替えの経緯に怒り心頭だ。須山の公認に向けて地元市議団を説得したという都連関係者は「ようやく公認までこぎ着けた直後に離党届が出され、関係者の努力が水の泡だ。後ろ足で砂をかけて出て行った」。立民は離党届を受理せず、須山を除籍とした。
空席を埋める形になったのが、地元出身の新人細貝悠(32)。立民都連幹事長の元秘書で目黒区議の在職中だったが「自分が手を挙げるのが自然だと思った」と出馬を決断した。
公認発表が5月と出遅れたが「拡声器で一方的に思いを伝えるのは違う」と駅頭に座り、都民と一対一で話す活動スタイルを採った。お台場の巨大噴水整備などの都の施策を批判し「人へ多くの予算が使われるべきだ」と訴える。
◆国政と都議会の裏金問題がくすぶる自民
八王子は、自民党元政調会長の萩生田光一の地元で、前回は自民2人が当選するなど保守系が強い地域。国政と都議会の裏金問題がくすぶる自民は「激戦区」と位置付け、前回同様の2人当選を期す。
告示日には前首相の岸田文雄が入り、現職伊藤祥広(56)と新人馬場貴大(46)の出陣式をはしご。「経済を大きくする王道を通じ、手取りを増やせるのは自民」と訴えた。裏金問題を指摘された萩生田も岸田と並び「国政の至らなさから批判もあるが、都政は地方の政治だ」と強調した。

東京都議会議事堂
一方、前回トップ当選の公明と2位の共産は、組織力を背景に支持固めを進める。
こうした党主導の選挙戦に対し「地域のために政党の理屈は必要ない」と主張するのは、「完全無所属」を掲げる現職滝田泰彦(43)。約40人のボランティアが支える選挙戦で、勉強会での都民との対話を通じた地域課題の解決を目指している。

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