「サザエさん一家が夫婦別姓なら家族の概念が崩壊」竹田恒泰氏に“賛成派”が反論 選択的夫婦別姓の是非を考える(2)

「サザエさん一家が夫婦別姓なら家族の概念が崩壊」竹田恒泰氏に“賛成派”が反論 選択的夫婦別姓の是非を考える(2)

立憲民主党・国民民主党・日本維新の会の野党3党がそれぞれ法案を提出、1997年以来、28年ぶりの国会審議が始まった。

このうち立憲と国民が提出したのは「選択的夫婦別姓を導入する」法案。別姓を選択した場合の子どもの姓については、立憲案は結婚時に決めるとしたのに対し、国民案では結婚する際に戸籍筆頭者を決めてその筆頭者の姓を名乗るとしている。一方、維新は夫婦同姓を維持しつつ「旧姓の通称使用を拡大する」法案を提出。旧姓の通称使用の届け出があった場合、戸籍に記載し法的な効力を持たせるというもので、パスポートや運転免許証、マイナンバーカードなども旧姓のみで使えるようにするとしている。ただ、どの案も過半数を得る見通しはたっておらず、今の国会での成立は難しい情勢だ。

あちこちから様々な意見が噴出し、国会で行われた参考人質疑でも議論が白熱。何十年にも渡り着地点が見えない選択的夫婦別姓に、落としどころはあるのか。『ABEMA Prime』で賛成派と反対派を交え議論した(『“反対派”竹田恒泰氏「困っている人は少ない」 “賛成派”経団連・大山みこ氏「問題はまだたくさんある」 選択的夫婦別姓の是非を考える(1)』から続く)。

■サザエさん一家が夫婦別姓なら家族の概念が崩壊…?

選択的夫婦別姓に反対する旧皇族出身の作家・竹田恒泰氏が主張しているポイントの2つ目が、「家族の概念が崩壊する」という点。『サザエさん一家が夫婦別姓なら』と仮定し、次のように説明する。

「磯野家とフグ田家、2つの家が同居している。例えば、夫婦別姓で磯野波平と石田フネのままの場合、現在の立民案だと子どもの姓は全員同じなので、子は全員『石田』だとする。カツオくんが花沢さんと結婚して夫婦別姓を選択し、子どもは花沢姓だとすると、磯野さんの息子が石田、石田の子どもが花沢で、これはもはや“磯野家”ではない。私は『家族の一体感が薄れる』とは言っていなくて、“◯◯宅”“◯◯家”“◯◯家の墓”といった概念がなくなる。これがどういうインパクトを持つのか。全然問題ないという人もいるかもしれないが、やってみたら問題が起きたという時の社会的影響が大きいので、よほど明確なメリットがないといけない。それほど大きな社会的コストをかけてまでやることなのかは、推進側が立証する必要がある」

これに、賛成派で一般社団法人あすには代表理事の井田奈穂氏は、「国会の参考人で出た事実婚のカップルは、『お互いの氏名を尊重するために婚姻届を出せず、公正証書を作って不利益を解消しようと思ったが、法的な意味はない』と。“法的に守られた家族になりたいのに”“同じ戸籍に載りたいのに”という人は間違いなくいるわけだ。私たちの試算では、20代から50代の事実婚の人たちで、選択的夫婦別姓が導入されたらすぐにでも婚姻届を出したいという人たちは58.7万人いる。これは少ないのか」と訴える。

同じく賛成派で、経団連ソーシャル・コミュニケーション本部副本部長の大山みこ氏は「共同親権の話も家族法制を大きく変えた一例だ。“離婚して名前が変わっても、家族は家族なんだ”ということの証だと思う。今回、選択的夫婦別姓に反対している方々が、むしろ共同親権を求めてきたというねじれた関係がある。また、3組に1組が離婚すると言われている中で、離婚後は旧氏と結婚氏のどちらを使うかを選ぶことができる。さらに事実婚も入ってきたりと、これまでにもいろいろ変わってきている中で、何か問題が起こっているのか。海外は別姓だが、三原女性活躍担当大臣が『海外の夫婦別姓で困った話は聞いたことがない』という国会答弁をされていた」と主張した。

一方、反対派で麗澤大学教授・憲法学者の八木秀次氏は「これは、“1つの戸籍の中に2つの氏”を入れるかどうかの問題。明治民法の親族編を作る時に“1つの戸籍の中に1つの氏”とし、それを戦後も継承した。今の戸籍制度もそれが前提で、これをどうしていくのかという議論をしないと、話の中心がずれていく」と述べる。

■“事実婚&夫婦別姓”のハヤカワ五味氏「社会的コストで見れば見直す部分も」

竹田氏は、「いろんな話題で本当に悩んでいる人はいると思うし、彼らを馬鹿にしたつもりはない。ただ、全員のアイデンティティをすべて実現できる社会ではなく、例えば医師の家系だから自分も目指す、という人を全員医師にさせられない。また、社会問題として迫られている状況でもない。今年の参院選の重大なテーマとして選択的夫婦別姓を挙げた人は、JNNの調査で1%、ANNは3%。関心がないとは言わないが、少し下がればリストにもあがってこないテーマなわけだ。大きな社会変革を伴うもので、慎重でなくてはいけないし、社会的コストをきちんと分析しなければいけない」と述べた。

平日会社員/休日コスプレイヤーのハヤカワ五味氏は、事実婚ゆえに夫婦別姓であることを告白。「ビジネスネームはハヤカワ五味で、本名をほぼ使わない。選択的夫婦別姓にも賛成で、竹田さんの家族観の話には共感できない。ただ事実婚で法律婚との壁として感じるのは、共同親権の部分。社会的コストの観点で見た時に、“事実婚に共同親権を導入する”コストと“法律婚で夫婦別姓を導入する”コスト、どちらが高いのかで判断はできないのかと考え直す部分はあった」と述べた。(『ABEMA Prime』より)

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