豪華列車「カシオペア」のE26系客車引退へ 四半世紀の歴史に幕 写真とともに振り返る

JR東北線の福島駅付近を走る「カシオペア紀行」。誰もが憧れる豪華な列車だった=5月11日、福島市 (芹沢伸生撮影)
平成11年に上野-札幌間を走る寝台特急「カシオペア」の専用車両としてデビュー、四半世紀にわたり走り続けてきたJR東日本の豪華客車「E26系」が、今月末の運行で第一線を退く。多くのファンが憧れた全室2人用A個室寝台という特別な列車は、間もなく見納めとなる。
斬新なデザインに注目
E26系客車はJR初のオール2階建てで12両編成。曲線で構成されたステンレスの車体に赤、黄、青などのストライプが入り、従来の客車にはない斬新なデザインが特徴だった。1部屋しかない「カシオペアスイート 展望室タイプ」、優雅なディナーが楽しめる「ダイニングカー」などの豪華設備は、デビュー当初から注目を集めた。

JR東北線を走る下り寝台特急「カシオペア」。牽引する電気機関車はE26系客車に合わせ銀の車体に流星と5本のストライプが入った「カシオペア色」のEF510=平成27年6月、埼玉県久喜市(芹沢伸生撮影)
大人気の寝台特急だったが、「カシオペア」は28年3月の北海道新幹線開業のタイミングで、上野-札幌間の定期運行を終了した。ただ、根強い人気があり同年6月以降は、ツアー専用の臨時列車「カシオペアクルーズ」、「カシオペア紀行」などとして不定期で運行を継続。東日本エリアの周遊企画などは引き続き盛況だった。

東京に雪が舞う朝、JR東十条駅付近を走る上り寝台特急「カシオペア」。E26系客車は曲線の美しさも魅力だった=平成27年2月、東京都北区(芹沢伸生撮影)
しかし、今年5月に行われた記者会見で、JR東日本の喜勢陽一社長は「6月でひとつの節目にしたい」と言及。JR東の広報担当者は「節目ではあるが7月以降は白紙。何も決まっていない」としながらも「(各マスコミの)『引退』という表現を明確には否定していない」(同)と打ち明ける。E26系は老朽化も指摘されており、運行終了は確実視されている。
JR東は、デビュー25周年を迎えた昨年7月から「カシオペア運行開始25周年YEAR」と銘打った特別プロモーションを展開していた。最後になるとみられる「カシオペア紀行」は5月の大型連休明けから上野-仙台間で3回、上野-秋田間で2回、ツアーを実施。運転日の沿線には、最後の雄姿をひと目見ようというファンが大勢詰めかけている。

首都圏がうっすら雪化粧した朝、カシオペア色の電気機関車「EF81」にけん引され上野を目指す=平成22年2月、埼玉県川口市(芹沢伸生撮影)
先月11日、「仙台行き」が走った福島市のJR東北線沿線には、「カシオペア紀行」を撮影するため東京都内から訪れた鉄道ファンもいた。通過を見守った福島市に住む60代男性は「一度は乗りたかったが、最後まで夢はかなわなかった」と、少し残念そうだった。
E26系の〝ラストラン〟は、今月28日夜に上野駅を出発し仙台に向かい、30日午後5時半~7時半頃、上野駅に戻る「仙台行き」のツアーとなる。(芹沢伸生)
◇
北海道新幹線開業まで定期運行した寝台特急「カシオペア」は、客車とカラーリングを合わせた専用の電気機関車もあった。人気の豪華列車を写真で振り返った。