子供を産みたいのか…子宮筋腫をきっかけに自分を見つめ直す女性のリアルに「涙が出ました」と共感の声多数【漫画】

『さよならフラクタル』が話題
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、「FEEL YOUNG」に掲載された読み切り作品『さよならフラクタル』をピックアップ。
作者の谷中分室さんが3月27日にXで同作を投稿。そのツイートには5700以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では、谷中分室さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。
生き方を変えたくない…悩める女性がたどり着いた答えとは

『さよならフラクタル』(8/32)
「子宮筋腫ですね」
産婦人科で思わぬ診断を受けたことをきっかけに、津幡真白は「いずれは子供を産みたいのか」について考えることになった。
「産まないと後悔するわよ」という母親の言葉や、「子供は可愛くて仕方がないモノで、誰もがソレを望むのが当たり前」という風潮に違和感を覚えた真白は、自分が母になる未来を想像できないでいた。
同棲中の夕(ゆう)にも本当の気持ちを話すことができず悶々とする中、職場で女性初となる新規案件のリーダーになることを打診される。体力面が心配されたが、子宮筋腫の治療のために薬で生理を止めていた真白は、「生理がなくて良かった」と咄嗟に思ってしまった自分にショックを受けた。
さらにその日の夜、隠していた病気のことが夕にバレてしまい――。
実際に作品を読んだ読者からは、「同じような状況で私の気持ちを言葉で表してくれているようで涙が出ました」「今の私が同じ状況で…でも少しすっきりしたというか、安心しました」といった共感の声も多数上がっていた。
「私にとって漫画はコミュニケーションツール」――作者が語る創作の背景

『さよならフラクタル』(5/32)
――『さよならフラクタル』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
自分がいい歳になり、周りの友人や会社の同僚などが子供がいる方が多くなって…。無意識のうちに焦りを感じていたんだと思います。加えて、本作と同じく自身も婦人科系の病気で生理を止めたんですが仕事や、やりたいことをやる上で「ない方が楽」と思ってしまうことに謎の罪悪感があり、その理由がなんなんだろうと考えていた事がきっかけかなと思います。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
「産む人」「産まない人」、「産みたい人」「産みたくない人」それぞれの考え方があって、「これが正解なんだ」と押し付けない表現になるべくしたいなと思い、編集さんと何度も議論を重ねました。
――本作の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
P6の「まぁ私達も“いずれは”ですし?」「お互い様ってヤツですかね」のセリフは私が実際言われた事がある言葉で、言った本人には悪意も何にもないって分かっているんですが、みんなが当たり前に見据えている「“いずれは”」の未来が、私のモノとは違うのかもしれないと気付かされた言葉だな…と。
でも、お互いを支え合う「お互い様」には「子供を産もうが産むまいが、きっとなれる」と言うラストのメッセージに繋げる起点にしているので、ここのセリフは小さいコマですが私の中でとても大事な部分です。
――『さよならフラクタル』や『お終いのシェアハウス』など、「当たり前」「普通」と言われるような世間の女性像に違和感を感じながら、女性としての生き方を模索していく作品を多く描いていらっしゃいますが、理由があればお教えください。
仕事や趣味の影響で、自身が少し変わった道を来ているなと思っており、それ自体に後悔はまったくないのですが、世の中にある「普通」や「当たり前」と外れていくことに漫然とした怖さはあるなと…。そんなぼんやりした悩みや気づきを「なぜ怖いのか」「何がひっかかるのか」と深掘りし理解する事が自分自身のセラピーになっているから…な気がします。
加えて、自分の周囲にもそういった方がちらほら居たりするので、そんな方々の背中をほんの少しでも支える事が出来たらいいなと思って描いています。
――谷中分室さんの今後の展望や目標をお教えください。
私にとって漫画はコミュニケーションツールで、自分の作品で投げかけたメッセージで誰かの気持ちを揺らしたり、反応や意見を頂いたりして世の中ともっともっと繋がっていけたら嬉しいです。
――最後に、作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
作品を読んで下さってありがとうございます!まだまだ未熟者ではありますが、何か少しでも読んだ方の心に残るモノがあれば嬉しいです。
女性向けだけでなく色んな人間の感情や葛藤をもっと描いていけたらと思いますので、また読んで頂ける様に頑張ります!