Intelの逆襲。携帯ゲーム機向け「Arc G3」はRyzenを過去のものにする

Arc G3 Extremeを搭載したOneXPlayer 3
Intelは6月2日(台湾にj間)から台湾・台北市で開催されているCOMPUTEX 2026に参加しており、CEO リップ・ブー・タン氏が基調講演に登壇するなど、同社の最新製品の紹介をしている。
また、COMPUTEX会場近くに報道関係者や業界関係者向けの説明会、デモ会場などを用意し今回発表した新製品に関する情報の紹介や、搭載製品などを展示している。6月1日に行なった記者説明会では、AMDのRyzen Z2 Extremeなどの競合製品との性能差などについて説明されたほか、搭載された製品として新たに「OneXPlayer 3」が公開された
Intelのハンドヘルドゲーミング向けとしては第3世代となるArc G3

Intel フェロー トム・ピーターソン氏
今回Intel Arc G3の概要に関しては既に別記事で紹介しており、搭載された製品としてMSIの「Claw 8 EX AI+」、Acerの「Predator Atlas 8」などを記事にしているので、詳しくはそちらの記事をご参照いただきたい
6月1日にIntelが開催した記者説明会では、競合製品となるAMDのRyzen Z2 Extremeとの性能差などに関しての説明が行なわれた。スピーカーは、こうしたGPU製品ではスポークスパーソンを務めるIntelフェロー トム・ピーターソン氏。

Xe3はArcに採用されているGPUとしては第3世代
ピーターソン氏は「Intelの統合グラフィックスといえば、ゲームに利用するなんて、というイメージがかつてはあったと思う。しかし、それは新しいアーキテクチャXeを導入してきてから変わってきている。特にAlchemistの開発コードネームで知られる初代Arcから、世代を経るごとに性能が向上してきており、Lunar Lakeで導入されたXe2、そしてPanther Lakeで導入されたXe3ではさらに性能が向上している。
そのため、ハンドヘルドゲーミングマシン向けのSoCとなる第3世代のPanther Lakeで、我々はブランドをCoreではなく、Arcというグラフィックスのブランドを採用することにした」と述べ、Core Ultraシリーズ3およびArc G3でブランド名を分けた理由を説明した。

Core Ultra with Arc Graphics、Core Ultra 200Vシリーズ with Arc Graphics、Arc Gシリーズと進化してきたハンドヘルドゲーミング用マシン

Arc GシリーズにはArc G3 ExtremeとArc G3の2SKUが用意されている
Intelのハンドヘルドゲーミング向けプロセッサは、初代がCore Ultra with Arc Graphics(開発コードネーム: Meteor Lake)、第2世代がCore Ultra 200Vシリーズ with Arc Graphics、そして今回の第3世代のArc Gシリーズとなる。初代となるCore Ultraで市場を立ち上げた後、第2世代となるCore Ultra 200Vで消費電力の最適化が実現され、第3世代となるArc G3では用途別SoC、さらには性能で競合を上回ったことが特徴だとした。
同じPanther LakeでもPコアが4から2に、ディスプレイ出力が3から2、TB4が4から2に

ノートPC用のハンドヘルドゲーミング用の違い
ピーターソン氏によれば、ノートPC向けのPanther Lakeの最上位構成(つまりはCore Ultraシリーズ3の16コアCPU+12 XeコアのGPU)と、ハンドヘルド向けのPanther Lake(Arc G3)は、基本的に物理的なチップは同じだという(もちろん出荷時期によってダイが新しいリビジョンになっているなどの違いはあるが)。
では、Panther Lakeの最上位構成との違いは何かというと、ノートPC向けの16Core12Xeとの違いは、Pコアが4コアから2コア減らされていること、ディスプレイ出力が3パイプから2パイプになっていること、さらにはThunderbolt 4が4ポートから2ポートに減らされていることになる。

Pコアが4から2に、ディスプレイ出力が3から2、Thunderbolt 4が4から2に減らされている
いずれも、ダイにはすべての機能は実装されているが、SoCのファームウェアレベルで電気的にオフにされることで、機能が減らされている形になる。「電力効率を上げるため、ハンドヘルドゲーミング機では必要ない3本のディスプレイ出力や4つのThunderbolt 4というところを削ることにした。また、ゲームではPコアよりもEコアのマルチスレッドが重要になるため、Pコアを2つ減らした」(ピーターソン氏)とのことで、こうしたスペックにしたそうだ。
Pコアはゲームの起動時には必要だが、ゲーム中はマルチスレッド処理が多くなるため、コア数の多いEコアが有効だと考えられるため、Eコアは全部残し、Pコアを削ったのは妥当な判断だろう。
Ryzen Z2 Extremeと比較して性能が平均42%向上し、同じ性能なら電力は半分に

cTDP設定が35W(G3)/30W(Core Ultra 200V)における、前世代との違い、平均して44%

17Wに設定したときは平均24%、それでも多くは30FPSを超えている
IntelはArc G3の性能データも合わせて公開している。前世代(Core Ultra 200V)との比較では、cTDP設定が35W(G3)/30W(Core Ultra 200V)、1080pで2xアップスケーリング時に平均44%の性能向上が認められるという。
Core Ultra 200VのGPUは8基のXe2コアがあるが、Arc G3では12基のXe3コアがあるため、単純な演算器が1.5倍になっているのだから、44%という性能向上は十分期待通りだろう。なお、cTDPを17Wにしたときには、平均24%の性能向上が認められるという。

cTDPを35W、2xアップスケーリングに設定した状態でAMD Ryzen Z2 Extremeと比較するとArc G3 Extremeは平均して42%アップ

Arc G3 ExtremeのcTDPを17Wに、AMD Ryzen Z2 ExtremeのcTDPを35Wにして、2xアップスケーリングの設定ではほぼ同じ性能だが、消費電力は約半分
競合となるAMD Ryzen Z2 ExtremeとArc G3 Extremeの差では、いずれもcTDPを35W、2xアップスケーリングに設定した状態で、Arc G3 Extremeが平均して42%高い性能を発揮するという。
また、Arc G3 ExtremeのcTDPを17Wに、AMD Ryzen Z2 ExtremeのcTDPを35Wにして、2xアップスケーリングの設定ではほぼ同じ性能になるが、Intel側は半分の電力で済むため、電力効率がArc G3 Extremeが優れているとアピールした。

インテリジェントバイアスコントロール
ほかにも、従来の第2世代でもサポートされていたインテリジェントバイアスコントロールの機能も進化して、CPUとGPUの熱設計枠をシェアすることでGPUクロックを高める機能に加えて、Pコアの動作を停止するPコアパーキング、Eコアの方に先に動作を割り当てる(Eコアファーストスケジューリング)などの新しいアルゴリズムが導入されてより電力効率を改善している。

cDTPを12WにしてもAMD Z2 Extremeに比較して37%高速

Endurance Gamingモードにすると、ゲームはプレイ可能な状態のままバッテリー駆動時間を延ばすことができる
これにより、cTDPの設定を12Wにした場合でも、多くのゲームで30fpsを超えてゲームプレイが可能で、かつRyzen Z2 Extremeに比べて平均して37%高速だという。
今回Intelは「Endurance Gaming」と呼ばれるモードを用意しており、そのモードにすることで、消費電力を抑えながらゲームをプレイすることができるので、より長時間バッテリーでゲームを楽しむことができると説明した。
通常モードからEndurance Gamingモードにすることで、バッテリ駆動時間はForza Horizon 6で2時間47分だったのが5時間51分、GTA Vで2時間31分だったのが5時間55分、Team Fortress 2で3時間37分だったのが11時間45分に延長したという。

Premompiled Shader Distribution
また、現在Premompiled Shader Distributionへの対応を進めており、対応した場合には平均して3倍以上高速になることも確認できているという。
OneXPlayer 3も公開される

OneXPlayer 3
Intelはこのセッションの中で、MSI Claw 8 EX AI+、Acer Predator Atlas 8に加えて、OneXPlayer 3を公開した。
OneXPlayer 3は左右のゲームパッド部分が外せて、かつ背面に用意されているスタンドを利用して本体ディスプレイだけを自立することができる。
さらに下部にキーボードをつけてクラムシェル型ゲーミングノートPCのようにゲームがプレイできるほか、普通にノートPCの替わりにも利用することができる。

左右のゲームパッドは取り外すことができる

背面のスタンド

上部のポート

下部のボゴピン、キーボードを接続可能

キーボード
関連記事
Intel Arc G搭載、Acerの8型ゲーム機「Predator Atlas 8」
Acer、960gのCore Ultraシリーズ3搭載14型ノートとAI開発用ミニPC
400京トークン消費時代に応える。Qualcommサーバー向け新ブランド「Dragonfly」