スペイン人は夏に「昼寝」を欠かさない。暑さを味方につける快適な過ごし方5つ

スペインは夏のイメージが強く、観光地としても人気があります。そんなスペインに50代で単身留学中のRitaさんが、実際に過ごしてみて感じた「夏のスペインの魅力」を5つ紹介します。暑さに身をゆだね、ゆっくり休むことに罪悪感をもたないこと。夜こそが1日のハイライトであるという元気な感覚。自然体に生きるスペイン人の生き方を詳しくレポートしてくれました。

1:暑さのピーク時にはがんばらなくていい「シエスタ文化」, 2:夜から1日が始まり、人とつながる時間に, 3:「冷製スープ」は夏の救世主, 4:ビーチ大好き、太陽大好き、日やけ大好き!, 5:白い家と青い海に多くの観光客がやってくる, スペインの夏は、ただ「暑い」だけじゃない

スペインの海

【写真】スーパーにずらりと並ぶ「ガスパチョ」

1:暑さのピーク時にはがんばらなくていい「シエスタ文化」

1:暑さのピーク時にはがんばらなくていい「シエスタ文化」, 2:夜から1日が始まり、人とつながる時間に, 3:「冷製スープ」は夏の救世主, 4:ビーチ大好き、太陽大好き、日やけ大好き!, 5:白い家と青い海に多くの観光客がやってくる, スペインの夏は、ただ「暑い」だけじゃない

スペインの夏に欠かせないのが、「シエスタ(昼寝)」の文化です。

とくに暑さがピークに達する14時~17時ごろ、街はまるでゴーストタウンのように静まり返ります。スーパーも銀行も洋服屋さんも閉まっていて、「臨時休業かな?」と思ってしまうほどです。

最初はその静けさに戸惑いましたが、今では「日差しの下で無理をしない」ことが、自分を大切にする知恵のように感じます。私もこの時間は、極力身体を休め、冷たいものを飲み、ゆったり過ごすようになりました。

近所のマダムたちはおしゃべりを楽しんでから昼寝をし、起きてから夕食の準備をするという、ゆるやかなリズムで過ごします。

「がんばらなくていい時間」があるというぜいたくは、心にも身体にもやさしい習慣だと思います。

2:夜から1日が始まり、人とつながる時間に

1:暑さのピーク時にはがんばらなくていい「シエスタ文化」, 2:夜から1日が始まり、人とつながる時間に, 3:「冷製スープ」は夏の救世主, 4:ビーチ大好き、太陽大好き、日やけ大好き!, 5:白い家と青い海に多くの観光客がやってくる, スペインの夏は、ただ「暑い」だけじゃない

スペインの夏は、日が暮れるのがとても遅いのが特徴です。22時を過ぎても空はほんのり明るく、家族連れが散歩したり、カップルがアイスを片手に歩いていたりする光景が見られます。

夕食も21時~22時が当たり前で、昼間はひっそりとしていたバル(居酒屋)は、この時間になると一気に活気づきます。

「暑さを避けて夜に動く」のではなく、「夜こそ人とつながる時間」という感覚が、しっかり根づいているのです。3世代の家族がワイン片手に語り合ったり、友人たちが笑い声をあげて楽しんでいたり。

日本では「夜=終わり」の感覚でしたが、スペインでは「夜からが始まり」という感覚がとても新鮮で、今ではその時間が私にとっても特別なひとときになっています。

3:「冷製スープ」は夏の救世主

1:暑さのピーク時にはがんばらなくていい「シエスタ文化」, 2:夜から1日が始まり、人とつながる時間に, 3:「冷製スープ」は夏の救世主, 4:ビーチ大好き、太陽大好き、日やけ大好き!, 5:白い家と青い海に多くの観光客がやってくる, スペインの夏は、ただ「暑い」だけじゃない

真夏のスペインで、私がいちばん恋しくなるのが「ガスパチョ」です。トマトやパプリカ、キュウリなどをミキサーにかけてつくる、ひんやり冷たいスープで、冷蔵庫から取り出してそのまま飲める手軽さが魅力です。

スーパーには紙パック入りのガスパチョがずらりと並び、各家庭の「常備飲料」として親しまれています。

最初は「スープをスプーンなしで飲むなんて!」と驚いたのですが、今ではお気に入りの味をいくつもストックするようになりました。

朝の目覚めに、食欲のないときに、夜のおともに。それぞれのシーンにぴったり寄り添ってくれる優秀な栄養ドリンクです。地域や家庭によって味つけも違い、行く先々で試してみるのも、密かな楽しみの1つになっています。

4:ビーチ大好き、太陽大好き、日やけ大好き!

1:暑さのピーク時にはがんばらなくていい「シエスタ文化」, 2:夜から1日が始まり、人とつながる時間に, 3:「冷製スープ」は夏の救世主, 4:ビーチ大好き、太陽大好き、日やけ大好き!, 5:白い家と青い海に多くの観光客がやってくる, スペインの夏は、ただ「暑い」だけじゃない

スペインの夏でとくに印象的だったのは、「太陽への愛」です。とにかく、みなさん日光浴が大好きなのです!

ビーチはもちろん、公園や川辺、ベランダにまで、あらゆる場所でタオルを広げて寝転ぶ人たちを見かけます。年齢や体型など一切気にせず、自然体の姿で日差しを楽しむ姿がとても印象的です。シニアのご夫婦やビキニを着たマダムたちが、堂々と日やけを楽しんでいる姿を見ると、自分もだんだん肩の力が抜けてきます。

そして「やけた肌は、元気な証し」という価値観のなかで、私も「見られ方」の意識が少しずつ変わってきました。だれのためでもなく、ただ太陽の光を心地よく浴びる…そんな素直な楽しみ方が、この国にはあるのです。

5:白い家と青い海に多くの観光客がやってくる

1:暑さのピーク時にはがんばらなくていい「シエスタ文化」, 2:夜から1日が始まり、人とつながる時間に, 3:「冷製スープ」は夏の救世主, 4:ビーチ大好き、太陽大好き、日やけ大好き!, 5:白い家と青い海に多くの観光客がやってくる, スペインの夏は、ただ「暑い」だけじゃない

夏のスペインは、まさに「世界中から人が集まる季節」です。とくに南部アンダルシア地方にある、真っ白な家並みと青い海が広がる村々には、毎年多くの観光客が訪れます。

ミハス、ネルハ、カディス…どこも絵本のような景色で、訪れるたびに心が洗われるような気持ちになります。白く塗られた建物は日差しを反射し、暑さを和らげてくれるだけでなく、見た目も涼やかで美しいのです。

静かに流れる時間、花で彩られた玄関先バルコニーでくつろぐ人たち。観光では気がつかなかった、暮らしの風景に息づく「夏の日常」を感じるようになったのも、住んでいるからこその変化かもしれません。

スペインの夏は、ただ「暑い」だけじゃない

1:暑さのピーク時にはがんばらなくていい「シエスタ文化」, 2:夜から1日が始まり、人とつながる時間に, 3:「冷製スープ」は夏の救世主, 4:ビーチ大好き、太陽大好き、日やけ大好き!, 5:白い家と青い海に多くの観光客がやってくる, スペインの夏は、ただ「暑い」だけじゃない

スペインの人たちは、夏も冬も1か月ほどの長期休暇を交代で取るのが一般的です。多くの家庭には「いつもの海」や「いつもの山」と呼ばれる第2の家があり、そこか実家に帰省して、季節ごとに家族でゆったりと過ごすのが習慣になっています。

「別荘で過ごす」と聞くと、どこか特別でぜいたくな印象がありますが、スペインでは「もうひとつの日常」として、自然とゆるやかにつながる場所が大切にされているのです。

スペインの夏は、ただ「暑い」だけではありません。その暑さとどうつきあうか、という「生き方の知恵」のようなものがつまっています。

我慢するのでも、ただ逃げるのでもなく、無理せず、心地よく過ごす。そんなスペインの夏の過ごし方を、今年もまた、私なりに楽しみながら探っているところです。