農家の勘違いから「日本一辛い村」に 福島県平田村、ハバネロで原発風評乗り越え

「道の駅ひらた」で駅長を務める高野哲也さん=福島県平田村
東京電力福島第1原発事故後、福島県平田村の「道の駅ひらた」が、激辛唐辛子ハバネロを活用した商品開発に力を入れる。赤い見た目が「かわいい」と勘違いして農家が栽培、出荷したことがきっかけ。みそ、ソフトクリーム、ラーメン…。風評被害に苦しむ中、あらゆるものに辛さを加え、地域活性化に一役買ってきた。昨年ついに「日本一辛い村」の商標を登録し、さらなるブランド力向上を目指している。(共同通信=西沢俊佑)
阿武隈高地にある平田村は寒暖差が大きく、良質な農産物が育つ。2011年の原発事故では避難指示の対象にはならなかったものの、風評に悩まされた。道の駅に出荷された野菜は大量に売れ残り「どうせ作っても売れない」と農家の意欲も薄れていった。
「生産者を支えたい」。駅長の高野哲也さん(64)は自身の給料や削った道の駅の運営経費で、売れなかった野菜を買い取り続けた。その中にあったのが中南米原産のハバネロ。ある農家が「色味がかわいいから」と栽培したものだった。
物珍しさで手に取る人はいたが、あまりの辛さにリピーターはほとんど現れなかった。道の駅では併設する食堂で使ったり、加工品として販売したりするなど工夫を重ね少しずつ存在感を高めていった。
ポテトチップスや、神奈川県平塚市の醸造所と共同開発したハバネロ入りクラフトビール「ハバネロビールIPA」など、開発した商品は40種類を超える。初めは道の駅の職員だけで考えていたが、人気が出るにつれ県内外の企業とのコラボレーションも増えた。
激辛商品は食堂でも楽しめるが、注意が必要。特に辛い「生き地獄カレー」や「ハバネロソフト地獄級」は「自らの意思と責任においてこれを注文し、食します」と記した念書への署名を求める。あまりの辛さに途中でギブアップする人も多く、高野さんは「面白半分で食べないで」と呼びかけている。
2024年3月に特許庁から「日本一辛い村平田村」の商標登録を受け、品質や辛さの追求にも力が入る。「ゆくゆくは道の駅で全国各地の生産者や企業を呼んでサミットを開きたい」。激辛の聖地として飛躍を続ける。

福島県平田村、福島第1原発

福島県平田村のハバネロを使ったポテトチップス

ハバネロを活用した商品開発に力を入れる「道の駅ひらた」=福島県平田村
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