アマゾンに3500万円賠償命令 偽造品の出品「十分な調査せず」

トライアンドイーが製造し、エクセルプランが販売していたパルスオキシメーターの商品ページ。定価は約2万6千円だが、偽造品の価格「2200円」が表示されている=2022年9月、トライアンドイー社提供

 ネット通販大手「アマゾン」に自社製品の偽造品が出品されたのに削除されなかったなどとして、出品業者ら2社がアマゾンジャパン(東京)に計2億8千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、東京地裁であった。新谷祐子裁判長は「アマゾンが十分な調査をせず義務を怠った」として、うち1社に3500万円を支払うよう命じた。

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 原告は「トライアンドイー」と「エクセルプラン」(いずれも神戸市)。トライ社は、血中の酸素濃度を測る機器「パルスオキシメーター」を製造し、エクセル社がアマゾンで販売していた。

 アマゾンでは、すでに出品中の商品を別の業者も出品した場合、商品ページにそれぞれの売値が並んで表示される「相乗り出品」という仕組みがある。

 判決によると、2021年8月、トライ社のパルスオキシメーターと酷似した別商品が、複数の業者により相乗り出品された。原告側は、「自社製品の定価の約1割の偽造品がある」とアマゾンに削除を求めたが対応されず、トライ社製品が価格の誤設定を疑われて出品停止にされて売り上げが減ったと訴えた。

■「被害申告後も対応せず」判決が指摘

 原告側は、アマゾンには偽造品を自ら見つけて削除する義務があるなどと主張したが、判決は、不正出品にどんな対策を講じるかはアマゾンに裁量があると指摘した。

 一方で、出品者から具体的な被害の申告があった場合は対応する義務があり、エクセル社の申告後も対応しなかったことで、同社に3500万円の損害を生じさせたと認定して賠償を命じた。

 トライ社の藤井敬博社長は判決後の会見で、「アマゾンで同じような目に遭っている中小零細企業はたくさんいると思う。アマゾンは判決を受け止めてきちんと対応してほしい」と話した。(黒田早織)