ウクライナから連れ去った子供たちをロシア兵に? クレムリンの目論見とは
ウクライナの若者を徴兵するロシア軍

ウクライナ政府は今年7月、ロシア軍が18歳を迎えたウクライナ人の若者たちを徴兵していると訴えはじめた。
アンドリー・イェルマーク大統領府長官

中でも、ウクライナのアンドリー・イェルマーク大統領府長官がこの問題について、熱心に声を挙げている。ロシアではウクライナの若者をめぐって、何が行われているのだろうか?
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ウクライナから連れ去られた子供たち

『タイムズ』紙が7月24日に報じたところによれば、クレムリンはウクライナから連れ去った子供たちに対し、18歳を迎えたらウクライナと戦わなくてはならないと伝えているらしい。
ティーンエージャの遺体

同紙はまた、戦場ではウクライナ出身のティーンエージャーの遺体が見つかっていると報道。同紙のポッドキャスト『The General & The Journalist』に出演したイェルマーク長官は「ウクライナは事実を掴んでいます」と述べた。
英国防省による報告

イェルマーク長官の告発は衝撃的だったものの、メディアによる注目は長続きしなかった。とはいえ、完全に忘れさられてしまったわけではない。9月3日、英国防省がこの問題について、最新の報告を行ったのだ。
連れ去られた子供は数万人

同国防省によれば、ウクライナ人の子供たち1万9,000人が「ロシア当局によってロシア領内に強制的に連れ去られたり、追放されたりした」と見られている。また、一部のオープンソースインテリジェンスは連れ去られたウクライナ人の子供の数について、3万5,000人に上るとしている。
再教育したウクライナ人を徴兵

同国防省はロシアに連れ去られた子供たちのうち、6,000人が「再教育キャンプに移送された」と推定。十代後半を迎えた若者はこういったキャンプから軍事訓練施設に送られるケースもあるという。
真偽の判断を避ける英国防省

ウクライナから連れ去られた子供たちがロシア軍に徴兵されているという告発について、英国防省は真偽の判断を避けている。しかし、ロシア政府がそのような手段をとる可能性はあると考えているようだ。
クレムリンの意図を分析

英国防省いわく:「ロシア指導部が連れ去ったウクライナ人の子供たちについて、少なくともその一部は現在または将来におけるロシア軍の人員供給源になり得ると考えているのはほぼ間違いない」
国内からの反発を抑える手段

同国防省はさらに、「大多数のロシア人は彼らがウクライナから連れ去られてきたことをほとんど、あるいはまったく知らないため、彼らがロシア軍に従軍して死亡したとしても、ロシア国内からの反発や抗議は最小限に抑えられるとロシア指導部は見ているはずだ」とした。
ロシア化政策の一環

さらに、ウクライナ人の若者を徴兵するというのは、「違法に占領されたウクライナ領をロシア化するという以前からの政策」に沿ったものだ。
ウクライナの文化やアイデンティティを否定

英国防省はまた、ロシア指導部が「ウクライナの文化やアイデンティティ、そして国家としての地位を消し去ろうとしている」とした。この点については、前出のイェルマーク長官も同様の見解を示している。
生まれ故郷を攻撃する兵士を育成

同長官は「ロシアの狙いは次世代のウクライナ人たちを滅ぼすこと」であり、「生まれ故郷を攻撃するための兵士を育成している」と指摘。「全世界にとって、非常に深刻なサイン」だとした。
イェール大学による調査

一方、ロシアによるウクライナ人の子供の連れ去りについて調査を主導しているイェール大学の人道研究室は、これらの子供たちが戦場に送られたという疑惑についても現在、調査中だという。『タイムズ』紙が報じた。
「徴兵パイプライン」

同研究室を率いるナサニエル・レイモンド室長は『タイムズ』紙に対し、「現在、この件に関する証拠を書類として提出できるよう取り組んでいます」とコメント。ロシアの「徴兵パイプライン」を示唆する事例は無数にあるとした。
実戦用兵士として育成

同氏いわく:「年長の子供たちが士官学校に送られ、兵器や戦闘車両の扱いについて訓練を受けていることはわかっています。彼らはなぜ、訓練課程に放り込まれるのでしょうか? 理由はひとつしか考えられません。彼らが軍事パレード用ではないということです」
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