ウクライナが予想するロシアの領土的野心:モルドバやルーマニアも射程圏内に
- ロシア軍の目論見を予想するウクライナ位
- オデーサ市は依然として標的
- モルドバおよびルーマニアとの国境まで占領
- バルカン半島でも工作活動
- ウクライナ大統領府副長官のコメント
- 「ロシアはウクライナ領のさらなる占領を図っている」
- 和平の見通しは立たず
- ドニプロ川以東全域の占領
- ドニプロ川以西の地域もターゲット
- ウクライナを内陸国化
- 2025年9月までにドネツク州とルハンシク州の全域を占領
- 来年末までのロードマップ
- ロシア軍は計画を実行できるのか?
- 侵攻初期の支配地域の2倍
- 進軍速度は15ヵ月で50~80キロメートル
- 現在の進軍速度では目標を達成できない
- ロシア軍の前に立ちふさがる障害
- 兵力不足と物的損害
- ロシアの領土的野心
- 和平の意思はナシ
ロシア軍の目論見を予想するウクライナ位

ゼレンスキー大統領は6月11日、ロシアの進軍に関するウクライナ側の見立てを明らかにした。それによれば、ロシア軍はオデーサ市を占領し、モルドバおよびルーマニアとの国境まで支配地域を広げようと目論んでいるという。
オデーサ市は依然として標的

同大統領いわく、オデーサ市は黒海に面した港湾都市として戦略的に重要であり、クレムリンは依然として同市の占領を優先課題に位置づけている。さらに、ロシアはこの先、ウクライナを足掛かりとして欧州に攻め込む可能性があると指摘した。
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モルドバおよびルーマニアとの国境まで占領

ウクライナ支援プラットフォーム「UNITED24」によれば、ゼレンスキー大統領はウクライナ・南東欧サミットに出席した際、「ロシア軍の狙いはオデーサを通過し、モルドバおよびルーマニアとの国境に達することだと見られます」と説明したという。
画像:Wiki Commons By Amitchell125, Own work, CC BY-SA 4.0
バルカン半島でも工作活動

同大統領はさらに、「ロシアがバルカン半島で民族間の対立を煽り、破壊工作を繰り広げ、クーデターを企てきたのは周知の事実です」とした。
ウクライナ大統領府副長官のコメント

ゼレンスキー大統領による糾弾に先だって、ウクライナ大統領府のパヴロ・パリサ副長官もロシアはウクライナ領の半分以上を奪い取るつもりだと発言していた。
「ロシアはウクライナ領のさらなる占領を図っている」

パリサ大佐はワシントン訪問中の6月5日に、「ロシアはウクライナ領のさらなる占領を図っています」と述べ、プーチン政権が領土拡大へのあくなき野心を見せていることに、警戒感を示したのだ。
和平の見通しは立たず

さらに、同大佐は記者会見の場で、「残念ながら、ロシアは和平に興味がありません。それどころか、戦争の準備ばかりしています」と主張したという。『キーウ・インディペンデント』紙が焙じた。
ドニプロ川以東全域の占領

また、ニュースサイト「ポリティコ」によれば、パリサ大佐はロシア政府の狙いについて、ウクライナ東部での足場を固め、ドニプロ川以東全域の占領を目指していると指摘したそうだ。
ドニプロ川以西の地域もターゲット

同大佐はさらに、ウクライナ側が予測したクレムリンの領土的野心を地図上で図示し、プーチン政権がドニプロ川以西の地域にも触手を伸ばそうとしていることを示唆。
画像:X @ak_mack
ウクライナを内陸国化

この地図によれば、ロシア政府はオデーサ州およびミコライウ州の大部分を占領することで、ウクライナを黒海から切り離そうと企んでいるということになる。これについては、ゼレンスキー大統領も最近のコメントの中で言及していた。
2025年9月までにドネツク州とルハンシク州の全域を占領

パリサ大佐の見立てによれば、ロシア軍は2025年9月初旬までにドネツク州およびルハンシク州の全域を占領する目標を立てているらしい。戦争研究所が報じた。
来年末までのロードマップ

その後、2025年末までにはロシア側の支配地域とウクライナ側の支配地域の間に緩衝地帯を設け、2026年末までにドニプロ川以東全域および、オデーサ州とミコライウ州の大部分を占領する計画だという。
ロシア軍は計画を実行できるのか?

ただし、戦争研究所いわく、パリサ大佐の見立てが正しい保証はないほか、ロシア軍にこれほど広大な領土を占領する能力があるかどうかも不明だ。
侵攻初期の支配地域の2倍

同研究所の指摘によれば、パリサ大佐が提示した地図では、ロシア軍は侵攻初期に奪った支配地域のおよそ2倍の面積を占領するつもりだということになる。
画像:X @TheStudyofWar
進軍速度は15ヵ月で50~80キロメートル

しかし、ロシア軍は過去15ヵ月に各地の要衝で50〜80キロメートルしか前進できていない。
現在の進軍速度では目標を達成できない

つまり、ウクライナ側が予測するロードマップにしたがって、ロシア軍がドネツクとルハンスク全域を占領し、さらに西進するためには、進軍速度を大幅に上げなくてはならないということだ。
ロシア軍の前に立ちふさがる障害

一方、米国を拠点とするシンクタンクの戦争研究所はロシア軍がウクライナ側の主要な防衛線を突破するのは困難だと指摘。さらに、オデーサ市を手中に収めるためには、ドニプロ川の渡河を成功させなければならないとした。
兵力不足と物的損害

同シンクタンクいわく、兵力不足と物的損害が障害となるため、ロシア軍が期限内に目標を達成することは不可能だ。
ロシアの領土的野心

とはいえ、同シンクタンクもパリサ大佐の提示した地図について、「ロシアが長年にわたって見せてきた領土的野心や、親露派が最近、オンライン上で行っている主張」と整合性があると認めている。
和平の意思はナシ

今のところ、ロシア軍がドニプロ川以東全域を占領し、さらなる西進するかどうかは不明だ。しかし、ロシア軍は近いうちに夏季攻勢を仕掛けるとの報道もあり、和平の意思がないのは明らかだろう。
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