川口駅に「悲願」の上野東京ライン停車へ、市とJRが協定…東京や品川まで10分短縮

新ホームが整備される川口駅の西側部分(24日、川口市で)
埼玉県川口市とJR東日本は24日、上野東京ラインを川口駅に停車させるための基本協定を締結した。市とJRは今後、新たなホームや自由通路などを整備する。停車が始まるのは早くても2037年度以降で、現在は約30分かかる川口―東京駅間は、上野東京ラインにより10分程度短縮される。
混雑緩和に期待
協定によると、新たに整備されるのは〈1〉停車ホーム・駅舎など〈2〉駅東西を結ぶ自由通路〈3〉駅舎内の店舗――など。総事業費はこれまで示されてきた約431億円を基本額として今後、詳細を検討する。
費用負担は主に〈1〉〈2〉が市、〈3〉がJRで、大半を市が負担する。一部事業には国庫補助の活用が見込めるが、建築資材の高騰などから、今後、費用が膨らむ可能性がある。設計などに2~4年程度、建設には10~12年程度かかる見通し。今年度は測量などを行う予定。
現在の京浜東北線ホームの西側に、ホームを新設する。用地の拡幅には駅西口側の市有地を充てる。現在の駅舎と駅舎内通路は撤去し、すぐ北側に二つのホームを東西方向にまたぐ自由通路と新たな橋上駅舎を整備する。

川口駅停車後の上野東京ラインのイメージ
現在の駅舎内通路はJRが管理し、終電から始発の間は閉鎖されている。新たな自由通路は市が管理し、24時間の通行が可能となる。新たな改札口は自由通路に設置される。
川口駅の1日あたりの乗客数(23年度)は約7万4000人で、県内駅では大宮、浦和に次ぐ3番目の多さという。利用者が京浜東北線に集中し、混雑の要因となっている。
上野東京ラインでは、上野駅と東京駅間を経由し、宇都宮線や高崎線などと東海道線が直通運転している。京浜東北線では川口から東京駅までは約30分、品川駅までは約40分かかる。上野東京ラインでは、それぞれ10分程度短縮される。
長年の悲願
24日には川口市役所で基本協定の締結式が開かれた。奥ノ木信夫市長は「停車によって混雑緩和や利便性の向上が期待される。駅周辺の整備で、川口が住み続けたい、住みたいと思われる街になる」とあいさつ。石井剛史・JR大宮支社長は「地域、沿線の発展につながるよう、連携して街づくりを進めたい」と述べた。
2路線の川口駅への停車は地元にとって長年の悲願だった。市は国鉄民営化直後の1987年、JRに2路線の停車を要望。その後も要望や協議を続け、市とJR、地元商工関係者による検討会が駅周辺の将来構想について協議し、2022年にはホーム増設などを調査する協定を市と同社が締結していた。