ウクライナ侵攻で少子化傾向に拍車がかかるロシア
ロシアの機密文書を入手したウクライナ国防省情報総局

ウクライナ国防軍情報総局は9月18日、ロシアの人口について、今後50年間で25%減少する可能性があるというデータを発表した。これはロシアの機密文書に基づくものだ。同情報総局はその原因について、長期化するウクライナ侵攻が原因だとしている。
ウクライナ侵攻が原因

ウクライナ国防省情報総局はTelegramチャンネルを通じて、「侵略者たちにもたらされた戦争の報いです。ロシアの人口は25%減少する見込みです」とコメントした。RBCウクライナ通信が報じている。
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ロシアの人口に関する機密文書

同情報総局いわく「人口統計に関するロシア国内の機密文書によれば、侵略国家(ロシア)の人口は今後50年間で少なくとも25%減少する可能性があるとされています」とのことだが、この見通しは正しいのだろうか?
ロシアの人口減少は事実?

ウクライナはこの戦争の当事国であり、ウクライナ発の情報を鵜呑みにすることはできない。とはいえ、ロシアが人口減少に直面していることを示す兆候は少なくない。
非常に低い出生率

たとえば、『モスクワ・タイムズ』紙は今年4月に、ロシアの出生率が過去200年間で最低を記録したと報じた。ロシア連邦国家統計庁のデータによれば、2025年1月から2月にかけてロシア国内で生まれた子どもの数はわずか19万4,000人だったとのこと。
前年よりも低下した新生児の数

2025年1月から2月にかけて生まれた子供の数は前年の同時期と比べ、3%減。2月から3月にかけては9万500人の子供が誕生したが、これは前年比7.6%減だ。この傾向は3月以降も続くものと見られている。
ウクライナ侵攻で少子化傾向に拍車

人口統計学者のアレクセイ・ラクシャール氏によれば、2025年第1四半期におけるロシアの出生数は1800年代以降で最低になる公算が大だ。そして、ウクライナ侵攻のせいで、少子化傾向に拍車がかかった可能性もあるという。
ロシア軍の死傷者数

なお、ウクライナ参謀本部は今年1月1日の時点でロシア軍の死傷者数を79万800人と見積もっていた。その後、9月26日現在の死傷者数は110万6,430人となっている。ただし、このデータでは、戦死者と負傷者が区別されていないことに留意する必要がある。
ロシア軍の死傷者増加が少子化加速の一因に

いずれにせよ、働き盛りの男性100万人あまりが子供を持てなくなったということであり、少子化を助長するのは確かだろう。
専門家による分析

実際、国際政治学者のモニカ・ダフィ・トフト教授はハーバード大学ケネディ行政大学院が運営するロシア関連ニュースサイト「Russia Matters」に寄稿した記事の中で、ウクライナ侵攻がロシアの人口動態に打撃を与えていると指摘している。
出生数をはるかに上回る死亡数

同教授いわく、ロシア連邦国家統計庁のデータによれば、ロシアでは死亡数が出生数をおよそ60万人上回っており、これは「コロナ禍以降、もっとも急激な自然減」だという。200年ぶりの低出生率がこのような現象を引き起こしたものと見られる。
軍における死傷者と国外への移住者

トフト教授はさらに、「軍における死傷者や国外への移住者により、もはや当局が隠蔽したり軽視したりできないほどの人口消失が引き起こされました。死傷者数は79万人あまりと推定されています」とした。
国外に流出した80万人のロシア人

また、同教授いわく、現体制への反発や徴兵逃れのため、教育レベルの高い都市部の若者を中心に80万人ものロシア人が国外へ流出したものと見られている。
徴兵の対象は出生率が高い地域の男性

一方、ロシア国内に留まった男性は兵役に直面することとなる。しかも、ロシア国内では比較的出生率が高い地域の男性たちが重点的に徴兵されてしまうのだ。
「残酷な皮肉」

トフト教授いわく:「これは残酷な皮肉です。かつては高い出生率によってロシアの人口安定に寄与すると期待されていたコミュニティが、今では戦争によって壊滅的な打撃を受けているのです。こうした人口の供給源が断たれることで、ロシアにおける人口動態の長期的な見通しは悪化の一途をたどるわけです」
今世紀中には1億2,000万人に

同教授はさらに、「ロシアの人口は以前から減少傾向にあり、1994年の1億4,900万人をピークとして、現在はおよそ1億4,500万人まで減少しています。今世紀中にはさらに減少し、およそ1億2,000万人に至る可能性が高いでしょう」と結論付けている。
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