維新消滅も覚悟 単独取材、松井一郎元代表の期待と注文「副首都構想は要件変えるべきだ」

インタビューに応じる松井一郎氏=24日、大阪市北区(南雲都撮影)

日本維新の会の松井一郎元代表が産経新聞のインタビューに応じ、維新が目指す「副首都構想」の地域指定について、「大阪都構想」を前提にした要件を見直すべきだとの認識を示した。自民党との連立政権樹立により、維新の存在感が低下することを懸念する声もあるが、「維新が消滅したとしても、日本のために政策が実現できればいい」と語った。

副首都構想の法制化は連立の合意書に盛り込まれ、両党は来年の通常国会で関連法案の成立を目指している。維新がまとめた法案の骨子では、都構想でも掲げた大都市地域特別区設置法(大都市法)に基づく特別区の設置が要件としている。

これに対し、松井氏は「日本経済を牽引(けんいん)する拠点を複数作るのは喫緊の課題。特別区を条件にしてしまうと、現時点でやれる場所がなくなってしまう」と述べ、要件を変えるべきだとした。

要件の前提となっているのが都構想であり、維新は3度目の住民投票に挑む可能性もある。だが、令和5年の前回統一地方選で維新は都構想を公約に掲げていないことから、「住民と約束したことをほごにする形でやると政治への信頼がなくなる。ずるいやり方で、やるべきでない」とした。

都構想の民意を問うため、維新の吉村洋文代表(大阪府知事)らが出直し選挙に打って出るのではないか、との見方も一部で出ている。仮にそうなった場合については、「議会も審判を受ける必要がある。莫大(ばくだい)な費用もかかる」と否定的な見解を示し、「住民投票をするのであれば、次の統一地方選まで待って、そのときに公約に大阪都構想を掲げ、民意を問うべきだ」と語った。

都構想について松井氏自身は「やりたいと思っている」としたが、「都構想にこだわりすぎて、(副首都構想による)経済の多極化が遅れることは本末転倒。都構想は手段であって目的ではない。目的は大阪を豊かにすることだ」と指摘した。

一方、連立を組む自民についても言及。「(政策協議で合意した)12項目の政策をどこまで進めてくれるか、見定める必要がある」とし、冷静に関係性を築くよう求めた。維新が閣僚を出さない「閣外協力」としたことを巡っては、これからの自民の対応を見極める必要があり、自民を全面的に信用するのは時期尚早との認識を示した。

連立入りによって、維新の存在感が低下するのではないかとの見方もある。こうした観測については、「政党は政策を実現するための結社。結果として維新という政党が消滅したとしても、一つでも二つでも政策を作り、日本のために足跡は残せる」と語った。

両党の連立合意書では「1割を目標に衆院議員定数を削減」と明記されている。議会の定数削減に関しては、維新の母体である地域政党「大阪維新の会」が主導して大阪府市の両議会で取り組んだ実績があるとし、「政治家がまず自らの身分に対してメスを入れ、覚悟を示すのは当然」と強調。「(国会で)自民と維新だけでは可決できない。汗をかいて野党の協力を取り付ける必要がある」と述べた。

連立政権樹立の記者会見後、握手する自民党の高市早苗総裁(右)と日本維新の会の吉村洋文代表=20日午後、国会内(春名中撮影)

また、自民との選挙区調整にも触れ、これまで吉村氏が示している見解と同様に、「必要ない」との認識を示し、「違う政党であるならば堂々と戦えばいい」とした。(江森梓)