秋田市の側溝に女性遺体、岩手では庭で男性と飼い犬が死ぬ…いずれもクマに襲われた状況

 岩手県、秋田県で27日、クマに襲われたとみられる人身被害が相次ぎ、2人が遺体で見つかった。環境省によると、今年度のクマによる人身被害の死者数は10人(24日時点)で、過去最悪だった2023年度の6人を上回っており、犠牲者が後を絶たない深刻な事態となっている。(盛岡支局奥州通信部 松本茉莉、秋田支局 吉田夏子)

数人がかりで軽トラックの荷台から箱わなを降ろす猟友会のメンバーら(22日、秋田県横手市で)

 27日午前10時45分頃、岩手県一関市 厳美町(げんびちょう) で、「住人と連絡がつかない」と親族から110番があり、駆けつけた警察官がこの家に住む佐藤富雄さん(67)の遺体を庭で見つけた。佐藤さんには獣にひっかかれ、かまれたような傷があり、すぐそばで飼い犬も死んでいた。一関署はクマに襲われた可能性があるとみて詳しく調べている。

クマに襲われたとみられる人身被害が確認された現場周辺(27日午後3時26分、岩手県一関市で)=長嶋徳哉撮影

 市によると、地元猟友会が午後、体長1・5メートル、体重70キロほどのオスの成獣を駆除した。市職員らが庭で箱わなを設置している最中にクマが現れたという。現場は山あいの田畑に囲まれた集落で、約1キロ離れた民家では22日に別の飼い犬がクマに襲われて死んでいた。近くに住む農業女性(38)は「クマが人里の民家まで近づいてきたことはなかった。怖くて犬の散歩もできない」と語った。

 秋田市 雄和萱ヶ沢(ゆうわかやがさわ) では27日午前11時頃、田んぼ近くの側溝で女性の遺体が見つかった。損傷が激しい遺体の状況やクマの目撃情報があったことから、秋田東署はクマに襲われた可能性が高いとみて身元などを確認している。現場は山林に囲まれるように住宅が点在し、遺体が見つかった頃、別の住民が近くで体長1・5メートルほどのクマを目撃していた。

 新潟県上越市大島区棚岡では27日午前8時45分頃、森林の測量をしていた20歳代の男性2人がクマに襲われ、ともに軽傷を負った。市によると、やぶの中から突然現れた体長1メートルほどのクマに足首をかまれ、腕をひっかかれたという。

 環境省のまとめでは、4~9月のクマによる人身被害(死者を含む)は、岩手22人、秋田19人、長野15人など20都道県で108人に上っている。