テレビで「ガンマ波サウンド」放送、認知症を抑制…東北のCATV10局でスタート予定
東北地方17局が連携する「東北ケーブルテレビネットワーク(TCN)」(山形市)は、認知機能の改善につながる可能性がある特殊な音を使った独自番組の放送を始める。高齢化が進む中、視聴者に無理なく長期的に認知症の予防や認知機能のケアをしてもらうことが狙いだ。

「ガンマ波サウンド」を組み込んだ放送を発表した吉村社長(左)ら(3月26日、山形市本町で)
TCNと塩野義製薬(大阪市)、筑波大学発の新興企業ピクシーダストテクノロジーズ(東京)が共に行うもので、6~7月頃、東北地方のケーブルテレビ10局で始める見込みだ。
塩野義製薬とピクシーダストテクノロジーズが開発した「ガンマ波サウンド」と呼ばれる特殊な音を使用する。「ガンマ波」は記憶や推論などの思考をしているときに現れる脳波の一種で、認知症患者の脳ではその特定のリズム活動が弱まっているという研究がある。両社はこの点に着目して2021年末から共同研究を進め、脳を活性化し、ガンマ波を強める可能性がある40ヘルツの音を開発した。ガンマ波サウンドは、認知機能悪化の抑制や脳萎縮の抑制につながることが期待できるという。
TCN加盟局では、特別番組を作り、この音を使った放送を行う。通常通り制作した番組の音をBGMと音声に分け、BGM部分をソフトウェアなどで変調し、ガンマ波サウンドを流すという。変調された音は本来のBGMを損なわないもので、体操番組などでの使用を想定している。
3社は3月26日、共同で記者会見を行った。会見では、東北地方では高齢化率が全国平均を大きく上回っており、認知症対策が必要なことを強調。TCNの吉村和文社長は「日常で聞けるチャンスがあるのはすばらしい。テレビを通し、少しでも多くの人にガンマ波サウンドに触れていただきたい」と話していた。
TCNには17局で約165万世帯が加盟している。番組視聴への追加料金は不要。家庭のテレビに新たに機械やスピーカーを取り付ける必要はなく、初めは10局で放送を開始し、順次拡大していく予定。