地下水位、最大1.12メートル低下の予測

県庁で開かれた地下水保全推進本部会議であいさつする木村敬知事=16日、熊本市の県庁
台湾積体電路製造(TSMC)など半導体企業が集積する地域の地下水位について、県は、2030年度に、23年度に比べて最大1・12メートル低下する可能性があるとの予測を公表した。工業化に伴って田畑や林野が減少することで、地中にしみこむ雨水の量が減少し、地下水の「収支」が悪化することが影響するという。
16日の県地下水保全推進本部で担当課が報告した。県内では、合志市と菊陽町にまたがる「セミコンテクノパーク」を中心に半導体関連企業の集積が進んでいる。
県は今回、将来予測のシナリオとして、TSMC工場などが年1200万トンの地下水をくみ上げて利用すると想定。さらに、周辺の田畑と林野計1500ヘクタールが開発により企業用地や宅地、道路などにすべて置き換わるという「やや極端」(県環境立県推進課)な土地利用の変化も仮定した。
その結果、土地利用の変化による影響だけで、同パーク周辺では地下水位が最大0・95メートル低下するとの予測になった。雨水が地表から地下に浸透せず、河川などを通じて流出してしまうからだ。
これに、TSMC工場などによる取水や、地域住民の水道利用の減少、水田に水を張って地下水を補充する「人工涵養(かんよう)」の取り組み強化の効果を足し引きすると、地下水位は最大1・12メートル低下するとの結果になった。
ただ、地下水位は1年を通じて5~10メートル程度の変動があるとして、県は「地下水が枯渇するような状況にはない」と説明している。
一方、熊本市の坪井川で有機フッ素化合物(総称PFAS)の一部の物質について濃度上昇が確認された問題では、TSMC工場を含む排水量が多い企業を対象に、PFAS類の使用状況に関する聞き取りを進め、原因の特定をめざす方針も示した。(渡辺淳基)