「新学部の新設ラッシュ」「工学部再編」「後期日程廃止」 2026年度大学入試の3つのキーワード

■特集:2026年度大学入試

2026年度は、特に私立大学で学部・学科の新設が活発になっています。一方、国公立大学は理工系を中心とした学科の改組や後期日程の縮小、廃止の動きが目立ちます。こうした変更を受け、受験生の志望動向はどのように変化しているのでしょうか。25年夏に実施された模試の結果をもとに、専門家の見方をまとめました。(写真=genzoh / ピクスタ)

難関私大で学部新設が活発に

26年度は私立難関大学で学部・学科の新設が目立ちます。学習院大学国際文化交流学部、成蹊大学国際共創学部、立教大学環境学部、京都産業大学アントレプレナーシップ学環、立命館大学デザイン・アート学部、近畿大学看護学部などが新設されます。

学習院大学の国際文化交流学部は、学習院女子大学との統合に伴い、新たに設置されます。学部を再編するケースでは、中央大学が理工学部を募集停止して基幹理工学部、社会理工学部、先進理工学部の3学部を新設。東京理科大学は、創域理工学部の情報計算科学科と経営システム工学科を募集停止し、創域情報学部を新設します。東京理科大学の学部新設は、1993年の経営学部以来、33年ぶりです。

学科では、理系では東京理科大学理学部第一部科学コミュニケーション学科、関西大学システム理工学部グリーンエレクトロニクス工学科、文系では明治大学政治経済学部政策学科などが新設されます。

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(表=河合塾提供)

河合塾が25年8月に実施した「第2回全統共通テスト模試」では、立教大学環境学部の志望倍率が10倍を超えています。河合塾教育研究開発本部の近藤治・主席研究員は、こう話します。

「立教大学環境学部は新設学部でありながら、すでに以前からある学部と同程度の人気を集めています。受験生に人気の大学は、新設学部でも志願者を集めることが予想されます」

公立大で地域系学部の新設

国公立大学では学部の新設は多くありませんが、公立大学で地域系学部の新設が目立ちます。旭川市立大学地域創造学部、福井県立大学地域政策学部、長野大学地域経営学部などです。

「公立大学は地元の受験生が多く、学部新設は将来的にも地元に残り、地域の発展に貢献するような人材を育成する狙いがあると考えられます。少子化が進む中、国立大学の定員を増やすことは原則認められていませんが、これらの公立大学は定員を増やしています。受験生にとっては、地元で学べるチャンスが広がっています」(近藤主席研究員)

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(表=河合塾提供)

情報系では、山口大学が情報学部、長野大学が共創情報科学部を新設するほか、県立広島大学は地域創生学部地域創生学科を情報学科に改組します。ベネッセコーポレーション教育情報センターの日山敦司センター長は、こう話します。

「文部科学省の大学・高専機能強化支援事業を背景に、デジタルやグリーンなど成長分野に関わる学部・学科の新設が目立ちます。25年7月に実施したベネッセの『総合学力記述模試』では、新設学部の中には志願者があまり集まっていないところもありますが、新設学部はこの先変化していく社会を見据えて設置されているので、将来的なニーズも高いはずです。合格ラインが見えないからといって怖がりすぎずに、興味があればチャレンジするといいでしょう」

工学系のトレンドは?

国公立大学の26年度の改組で、一つの特徴といえるのが、工学系学部を中心に複数の学科を1つにまとめてコース制を導入することです。例えば、信州大学工学部は、5学科から1学科10コースへと変わります。なぜ多くの大学がコース制を導入するのでしょうか。

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(表=河合塾提供)

「学科が複数ある場合、原則として所属している学科の授業のみを履修していくことになりますが、コース制だと自分の興味ややりたいことに合わせて、ほかのコースの授業も履修することができます。例えば、自動車は機械工学ですが、今では電気や情報通信の研究も必要になります。大学としてはテクノロジーの発展に合わせて幅広く学んでほしいという意図があるのですが、学生側は自分で授業を選択し、主体的に学ぶ姿勢が求められます」(河合塾の近藤主席研究員)

後期日程の廃止が相次ぐ

国公立大学では、後期日程を廃止する動きが続いています。26年度入試では、旭川医科大学(医学部医学科)、山形大学(医学部医学科)、茨城大学(地域未来共創学環など)、群馬大学(共同教育学部)、静岡大学(人文社会科学部の言語文化学科、経済学科など)、和歌山県立医科大学(保健看護学部)、広島大学(法学部、生物生産学部)、佐賀大学(医学部医学科)、長崎大学(薬学部薬科学科)、宮崎大学(医学部看護学科)などが、後期日程を廃止します。後期日程を廃止した分の定員は、前期日程で増員したり、総合型・学校推薦型選抜に振り分けたり、大学によってさまざまです。

では、後期日程の廃止により、志望動向にはどのような影響が出ているのでしょうか。

「医学系では、近いエリアの大学に影響が出ています。例えば、山形大学医学部医学科の後期日程の廃止の影響を受けて秋田大学医学部医学科の志望者が前年より増え、佐賀大学医学部医学科の後期日程廃止で鹿児島大学医学部医学科の志望者が増えています」(ベネッセの日山センター長)

学部・学科の新設や、国公立大学の後期日程廃止は、受験動向に影響します。志望大学にそうした動きがないか、情報を把握しておきましょう。

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(文=中寺暁子)