「白人を見たら神だと思え、無料だ」飢餓国“支援慣れ”の課題も?必要な食糧援助の形

「白人を見たら神だと思え、無料だ」飢餓国“支援慣れ”の課題も?必要な食糧援助の形

紛争や気候変動によって世界で深刻化する食糧危機。ユニセフによると、2023年に最大7億5700万人が飢餓に直面しており、世界では11人に1人、最も深刻なアフリカでは5人に1人となっている。

そんな中、今月、国連のWFP(=世界食糧計画)が「もし実施されれば、飢餓に直面している。何百万もの人々にとって死刑判決に相当する」と投稿した。ここまで強い警告を発表した理由は、「アメリカ政府からの緊急食料支援の打ち切り」。AP通信によると、支援が打ち切られた14カ国は紛争に苦しむシリア、イエメン、アフガニスタンなど。

WFPはアメリカに対し明確な説明と支援継続を強く求めると表明した。その後、アメリカ当局は方針を転換、レバノンやシリアなど6カ国のWFPプログラムの支援を再開したとCNNが報じている。

一方で、こうした海外支援は日本でも…。WFPへの年間拠出金は、約300億円で世界では12位。もちろん、飢餓を無くすために支援は必要だが、ネットでは「他国を支援する余裕は今の日本にはない」「日本のためには何もしないが外国のためなら即決即断」「他国の支援より、国内の能登半島復興に力を入れてほしい…」といった声が上がっている。果たして、日本の対外支援はどうあるべきなのか。『ABEMA Prime』で専門家とともに考えた。

■飢餓とは?

そもそも飢餓とは、身長に対して妥当とされる最低限の体重を維持し軽度の活動を行う必要なエネルギー(カロリー数)を摂取できていない状態のこと。国際NGOワールド・ビジョン・ジャパンの望月亮一郎氏は、飢餓状態にあることで「例えば病気にかかりやすくなったり、食料を得るために争いが生まれたり、様々な問題の原因にもなっている」と考えている。

また、「7億人以上の方が飢餓に直面していると言われているが、アジアが1番多く、3億8000万人以上。アフリカでは3億人の人たちが飢餓に苦しんでいて、総人口の約2割を占める状況が起きている」と説明した。

■アメリカ政府からの緊急食料支援の打ち切り

DegasCEOで、牧浦土雅氏は、アメリカ政府からの緊急食料支援の打ち切りについて、「WFPの目的、役割は短期での食料支援。中長期で飢餓問題を解決することは役割ではない。アメリカがWFPへの支援を打ち切ることによって飢餓問題が悪化するのは、そもそも論点がずれている。これを前提とした上で考えなければいけないのは、支援し続けることが正しいことなのか。トランプ大統領は外国援助の一時打ち切りを90日間とUSAIDの解体同様に提言したところなので、一定の合理性がある」。

また、「そもそもWFPは、アメリカの農家から穀物を買い取って、それを支援してる。なので、支援の打ち切りは、アメリカの農家にとっても『ちょっと待ってくれよ』と。数千億円近くのお金がアメリカ農家に流れてることから、裏には政治もある。現場レベルで必要な人たち以前に、政治と深い絡みがあることを念頭に置いて議論しなければいけない」と強調した。

■「白人を見たら神だと思え、無料だ」

牧浦氏は、支援のあり方について「紛争地域など緊急的な飢餓国への食料支援は止めるべきではない」、一方で「慢性的な飢餓国に対しては食料支援よりも農業従事者を増やし所得をあげるアプローチのほうが重要」だと考えている。

その真意について、「実際にガーナの北部の農地でプログラムをやった。肥料を提供して『トウモロコシの袋で返済してくださいね』っていう現物支給、現物リターンで取り分をシェアするが、農家の返済率はすごい下がる。振り返ってみると、白人が説明しに来たからだ。向こうだと、ことわざで『白人を見たら神だと思え、無料だ』。つまり、白人=ほぼ米国の人たちの支援に慣れてる」と明かす。

ガーナについては、「本来であれば農業の生産性は高いはずだ。しかし、頑張らなくても、食料も、教育も、給食もタダで提供されてるので、支援がいきすぎちゃってる一面は少なからずある。少なくともガーナにWFPの存在は必要ないと思ってる。もっと支援を必要としてるところに振り分けるべきだ」との見方を示した。

■「日本は先進国、途上国から好まれる支援元」

一連の動きに対し、Xでは「外国にお金をばらまく前に国内の貧困を救って」「諸外国への支援は必要と思うが、国内の子どもたち何万人も食べられない状態にある」「日本はもはや先進国じゃない。30年前ならまだしも国内が危機なのに他国の農業発展を支援している場合か」「外国支援させるために税金払ってるわけじゃない」などの声が上がっている。

牧浦氏は「日本は当然、アメリカに比べると資金面で劣ってしまう。悪い点を申し上げると、この国に重点的に支援をしようとはならない。アジア全体でとか、戦略的な国、ナイジェリア、エチオピア、スーダンはできない」とコメント。

いい点については、「日本が国際援助を行ってるJICA(国際協力機構)は、USAIDの支援に比べて有償が多い。つまり円借款なので『利率は安くするけど、ちゃんとお金返してね』と。無償は割合的に高くない。なので当然、日本国民にも恩恵がある投資を行ってるので、まだ日本は中長期的な目線でやっている。中国は『100年後お金払えなかったら、この鉄道の権利は中国のもの』みたいことを東南アジアでやってたり、そうした国のいろんな違いが出てるので、そういった意味でも日本は先進国、途上国から好まれる支援元なのは確実だ」と語った。

(『ABEMA Prime』より)

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