パリへの思い…4層のチーズケーキに込めて くちどけのよい絶品

チーズケーキ「アトレビアント」。くちどけのよさが特徴だ=神戸市西区(泰道光司撮影)

「フランスにチーズケーキはない」と教えてくれたのはパリの書店の女性店主。「パティスリードパリ アトレビアント」オーナーシェフの中尾誠一さん(51)が、お菓子作りの修業中にホームステイをさせてもらっていた。

フランスは、種類や消費量で世界トップ級のチーズ大国だ。「チーズはそのまま食べるのがおいしい。なぜ加工するの」と言われ創作したのが「アトレビアント」。言葉の意味は「またすぐ会いましょう」。彼女に再会し、おいしいチーズケーキを食べさせてあげるのが恩返しだと思っている。

クランブル(クッキーを砕いたもの)、ベイクドチーズケーキ、レアチーズケーキ、生クリームの4層。一般にレアチーズケーキはゼラチンで固めるが、チーズ、砂糖、生クリームだけで作るので、くちどけがよい。

「たくさんの人の記念日をお祝いできる仕事につきたい」。菓子メーカーで約10年間勤務し、30歳を目前にフランスへ。アルザスで「ジャムの妖精」と異名をとるクリスティーヌ・フェルベール氏の店でジャムづくりを学んだ後、パリを代表する百貨店「ル・ボン・マルシェ」の製菓部門で働く。フランスの洋菓子コンクール「ガストロノミック・アルパジョン」に出場、アントルメ(ホールケーキ)の部で入賞した。

ケーキを手に取る中尾誠一さん=神戸市西区

神戸・伊川谷で開業したのは自然があり、農作物が獲れるから。朝摘みの果物が午前10時の開店時にはタルトになって店頭に並ぶ。地元の小学生が収穫したサツマイモでケーキを作りプレゼントしていたこともあり、地域に根差した活動に力を注ぐ。「生産者と消費者の架け橋になりたい」と願う。(安東義隆)

平成24年の創業以来、アトレビアント(570円)は店一番の人気商品。「ぜいたくプリン」(280円)、「シューパリジェンヌ」(250円)の定番以外の生ケーキは入荷する果物などに合わせて入れ替わる。「幸せを呼ぶ」と言い伝えのあるスペイン・アンダルシア地方の伝統菓子「光のポルヴォローネ」(320円)など焼き菓子もおすすめ。

地域に根差した活動にも力を入れる「パティスリードパリ アトレビアント」=神戸市西区

【住所】神戸市西区前開南町2―12―15ルームズ学園北町1F

【電話】078・939・2511

【営業時間】午前10時~午後6時

【休日】月曜、不定休火曜