物価高騰が止まらない米国:マムダニ旋風の米民主党が中間選挙で巻き返すか?
巻き返しを図る米民主党

ニューヨーク市長選や各地の州知事選挙で全勝し、これまでのトランプ旋風を押し返しはじめた米民主党。一方、共和党のアナリストや議員らは民主党が物価対策に的をしぼった選挙キャンペーンに打って出たことに焦りを隠さない。そもそも、物価対策は2024年の大統領選でトランプ大統領が掲げたテーマであり、2026年に行われる中間選挙でも焦点になるものと見られる。
「バイデンよりまし」と主張するトランプ大統領

ところが、トランプ大統領自身は民主党の勝因が暮らしに根ざした政策だったという見方を否定。ジャーナリストらに対し、「あらゆるものが安くなっているが、マスコミはそのことを報じようとしない。われわれはバイデンより遥かにうまくやっている。われわれこそ暮らしやすさの伝道者だ」とコメントした。
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物価上昇は収まっていない

しかし、トランプ政権下で庶民の暮らし向きが良くなったかといえば、そうではない。確かに、バイデン政権下で見られたような急激な物価上昇(たとえば、2022年6月の9%増)は起きていないが、物価上昇のペースは徐々に加速しており、8月は2.9%増、9月は3%増を記録しているのだ。
怒りを爆発させる消費者たち

米国におけるインフレ率は2022年にピークに達した後、今年1月までは一貫して低下しつづけていた。消費者もこのことに気づいており、生活苦への不満がトランプ政権に向かう形となっている。
上昇する食料品価格

『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙によれば、トランプ関税による物価上昇は経済学者の予想を下回っており、トランプ政権にとっては好ましい状況だとされる。その一方で、食料品をはじめとする生活必需品の価格は上昇し続け、庶民を悩ませている。
値上がりした牛肉

たとえば、牛肉価格は2025年8月に大幅に上昇。牛ひき肉は5月より1ポンド(およそ450グラム)あたり30セント、ステーキは1ポンドあたり1ドル値上がりした。平均では昨年比で約12〜14%の値上げとなっている。『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙が報じた。
コーヒーも値上げ

また、コーヒー価格もここ数ヵ月で1ポンド(およそ450グラム)あたり1ドル上昇。前年比で見ると、20%強という大幅な値上げとなった。
値上げされる生鮮食品

さらに、バナナの価格も同期間で6.6%値上げ。果物、野菜、乳製品をはじめとする生鮮食品はすべて、前年比で顕著な価格上昇を記録している。
物価を押し上げる医療費

しかし、今後数ヵ月でインフレを押し上げる元凶となるのは医療費かもしれない。オバマケアによる税額控除や補助金などが2026年1月に期限切れを迎えるが、トランプ政権は延長しない立場を取っているため、医療費や保険料が急騰する可能性が高いのだ。
保険料が倍増

米国の医療政策調査機関「カイザー・ファミリー財団」いわく、オバマケアが廃止されれば、保険料が最大114%上昇するおそれがある。同財団の試算によれば、両親2人、子供2人の4人家族で年収8万ドルというケースでは、連邦政府による控除などを受けたとしても、年間の出費が最大3,800ドルあまり増えるとされている。
住宅価格の高騰

また、米国では住宅価格の高騰も以前から問題となっている。2024年末には一時、不動産価格が落ち着く兆しが見られたものの、ふたたび上昇傾向に転じてしまった。その結果、住宅の購入を望んでも、予算が足らないという人が増えているのだ。
現実味のない対策

米国における不動産価格の高騰は長年の課題であり、トランプ政権のせいだと断じることはできない。けれども、トランプ政権が提示した対策はあまりにも非現実的だ。現在標準となっている30年ローンの代わりに、50年の住宅ローンを導入するというのだ。これでは子どもたちが親から負債を相続することになるおそれがあり、住宅購入者の懐事情を悪化させることにつながりかねない。
トランプ離れが進む可能性

結局、トランプ大統領もバイデン前大統領とおなじく、米国経済は庶民が感じているよりも好調だと言い張るしかない立場に追い込まれてしまった。しかし、第二次トランプ政権の発足以降、雇用統計は悪化し、インフレ率も上昇し続けている。その一方で、トランプ大統領は強引な外交政策やホワイトハウス改装に熱中しており、有権者のトランプ離れが進む可能性がある。
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