石破茂氏、「高市さんよくぞ言った」の空気に待った 存立危機事態…考えてはいても「公の場で言うことか」

 自民党の石破茂前首相が東京新聞のインタビューに応じ、台湾有事や「存立危機事態」を巡る高市早苗首相の国会答弁について「公の場で言うことではない」と苦言を呈した。報道各社の世論調査で首相答弁を「問題ない」とする回答が多いことに対し、石破氏は「国民は『よくぞ言った』と歓迎しているが、これは危ない」と警鐘を鳴らした。(木谷孝洋)

◆台湾を巡る発言「すごく気をつけてきた」

 高市首相は7日の衆院予算委員会で、中国が台湾に武力侵攻する「台湾有事」を巡り、安全保障関連法に基づき集団的自衛権行使が可能になる存立危機事態になり得ると答弁。中国が強く反発している。

取り組んだ政策や自民党などについて話す石破前首相=26日、国会で(池田まみ撮影)

 石破氏は日中関係について「昭和47(1972)年の国交回復以来、細心の注意を払いながらやってきた」と強調。台湾を巡る問題は「すごくデリケートなものだ」として、「政府の任にあるときは、この問題の発言にはすごく気を付けてきた」と話した。

 存立危機事態については「この場合にはこうなるというのは常に考えているが、公の場で言うことか。歴代政府はそれをしなかった」と指摘。集団的自衛権行使に至れば「米国に対して攻撃を仕掛けている国に自衛権を発動するわけだから、それは交戦状態になるということだ」と述べた。

◆比例だけの定数削減は「理屈が通らない」

 石破政権ではコメの価格高騰を受け、従来の生産調整から増産にかじを切った。だが高市政権は「需要に応じた生産」を掲げ、増産方針を転換。石破氏は「国家の存立の基盤は人であり、食料だ。増産はやめるという理屈が分からない」と批判した。

 自民党と日本維新の会が協議を進める衆院の定数削減には、「納税者の代表が減るのがそんなに良いことか。(減らすなら)比例も小選挙区も同じように減らさないと理屈は通らない」と疑問を投げかけた。

 石破政権が10月21日に退陣してから1カ月余り。石破氏は約1年の政権運営を振り返り、「あれ以上のことはできなかった。そう言えるのは幸せなことだ」と語った。

 インタビューは今月26日に行った。

インタビューに応じる自民党の石破茂前首相(左)と高市早苗首相(コラージュ)

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