雅子さまと愛子さま「美しき青の装い」皇后と内親王がモンゴルとラオスで見せた「国際親善カラー」に込めたメッセージ

 皇后雅子さまが62歳の誕生日を迎えた。雅子さまは、天皇陛下とともに臨んだ夏のモンゴル訪問や、長女愛子さまの初の国際親善となったラオス訪問を感謝とともに振り返った。皇室の方々が国際親善の場で示す相手国への敬意。それが、装いの色に込められることも少なくない。雅子さまが皇后としてご自身で選ぶ装い、また母として助言をされたと思われる愛子さまの装い。皇室の方々の想い「色」という視点で振り返る。

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 青い絹の布「ハダグ」を両手に持ち、その滑らかな感触を確かめるように触れる、天皇陛下と皇后雅子さま。

 雅子さま62歳の誕生日に公開された映像だ。おふたりは、モンゴルで撮影した写真アルバムや贈り物の民族衣装を眺めながら、懐かしむように会話を交わし、見つめ合いながらほほ笑む。

 青い絹布の「ハダグ」は、モンゴルの国章にも描かれており、相手を歓迎する気持ち表すときに贈られるものだという。

 雅子さまは、誕生日に際して公表した文書で、モンゴルで「心の込もった素晴すばらしいもてなしを頂いた」ことへの感謝をつづっている。

 雅子さまは滞在中に、相手国の文化や歴史、風習への敬意を言葉や振る舞いで示していた。

 女性皇族は、国際親善の場においては、その装いのなかに思いを偲ばせることは、珍しくない。

 たとえばモンゴル訪問で、スポーツの祭典「ナーダム」を訪れたおふたり。天皇陛下は落ち着いた青系のネクタイ、そして皇后雅子さまの民族服をイメージさせる鮮やかな青の装いであったことが話題を集めた。

 というのも、モンゴルの国旗は、赤と青、黄色で構成され、青は「国民」を意味する。

 おふたり、なかでも雅子さまは、モンゴルにとって大切なシンボルカラーであり、モンゴルの人びとを表す青の装いに、思いを込めたのだろう。

 皇室は政治的な発言や行為とは、距離を置くのが原則。しかし、世間がその胸の内を推し量ることもある。

 たとえば、2022年2月に滋賀県で開催された植樹祭の式典。まだコロナ禍であったため、おふたりは、皇居・御所からオンラインでの参加となった。

 このときは、現地の会場の参加者と同じタイミングで、緑化への願いを込めてハンカチを振る演出があった。おふたりには、地元の子どもたちが、「滋賀県は特別な自然や生き物がたくさん」などといったメッセージを一枚一枚に書いた黄色いハンカチが届けられた。

 陛下は青のネクタイ、雅子さまは、明るい青のスーツとアースカラーの装いで、黄色のハンカチを振った。

 奇しくも、この年の2月、ロシアのウクライナへの侵攻がはじまったタイミング。そして、明るい青と黄色は、まさにウクライナ国旗の色であったことから、注目を集めた。

 黄色いハンカチを振るおふたりの画像は、宮内庁の公式ウェブサイトにいまも掲載されている。

 同年の12月9日。雅子さまは誕生日の文書で、「世界各地での戦争や紛争により、子どもを含む多くの人の命が失われていることに深い悲しみを覚えます」と述べている。

 そして今年の誕生日の文書でも雅子さまは、嬉しいニュースとして「祖国ウクライナの戦乱を逃れて日本にやってきた高校生が、一心に稽古を重ね、日本の伝統である大相撲で大関まで昇進したことに感銘を受けました」

 と述べた。それは、ウクライナの人びとへ思いを寄せ続けていることが伝わるものだった。

 

 かつて皇室に仕えた人物は、こう話す。

「機微の部分ですから、おふたりとも慎重に言葉を選んでいらっしゃる。しかし、植樹祭での装いとハンカチの色は、それを見る人がウクライナを想像することは、ご承知での上であったであろうとは、感じます」

 

 そして、愛子さまの初の海外での国際親善となったラオス訪問。事前の専門家のご進講もご両親が一緒に出席して、ご一家でラオスの文化や歴史、習慣を学んだ。

 13年前にラオスを訪問した経験のある陛下は、愛子さまに文化や習慣などを伝えた。

「ラオス現地でのお召しものについては、多くの家庭が娘にそう振舞うように、母である雅子さまもアドバイスなさったと聞いています」

 とは、皇室と交流のある関係者のひとり。 

 愛子さまが晩餐会でお召しだったのは、かすかに緑を含む淡い黄色を指す「若芽色」の本振袖。それは、白い花弁に黄色の縞がはいったラオスの国花であるチャンバ(プルメリア)を思わせる装いであった。

 

 そして、ルアンプラバンの小児病院や滝を訪れた際には、愛子さまは、動きやすいパンツスーツスタイル。仕立てた布地は、珍しく深い青をお選びだった。

 実は、愛子さまの装いの青も、ラオスにとって大切な色だ。

 ラオスの国旗は、赤、青、白の三色。青は、「国の繁栄やメコン川」を意味している。

 この国では、人びとに馴染みの深い色で、愛子さまが首都ビエンチャンからルアンプラバンへ移動する際に乗車した列車のスタッフも青の制服を着用している。また、ラオス航空のキャビンアテンダントの制服も、美しい青をシンボルカラーにしていることで知られる。加えて、子ども達が通う学校の制服のスカートやズボンも多くは、青を基調にしたものだ。

 SNSでも、愛子さまがラオスの伝統服のシンなどを着用したことに加えて、この国に馴染みの深い青の装いであったことに対しても、「嬉しい」と喜びの声があがっていた。

 

 雅子さまは、誕生日の文書で、愛子さまのラオス訪問についても触れている。

「今回の愛子の訪問により、私にとりましてもラオスがより身近に感じられるようになりました」

 と、両国の絆きずなが深まることへの期待など、皇后としての思いを述ベたうえで、

「皆様には、今回の初めてのラオスへの訪問を温かく見守っていただいたことに感謝いたしますとともに、今後とも愛子を見守っていただけましたら幸いに存じます」

 こう結んだ。それは、愛子さまの母としての思いが深くにじむ言葉だった。

(AERA 編集部・永井貴子)

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