愛子さまの愛猫2ニャン ごはんを求めビル7階まで非常階段を登った「セブン」と弱っていた「美海」 天皇ご一家のやさしい保護猫ストーリー

■愛子さまと雅子さまが撮影した美海, ■美しい海を願って, ■非常階段を登った母猫とセブン, ■ビルの7階で保護したから

 愛子さまの誕生日に、公表された愛猫の「美海」と「セブン」の写真。愛子さまや雅子さまが自ら撮影した、愛情あふれるショットだ。天皇ご一家の私的な場面には、愛犬や愛猫など大切な「家族たち」がたびたび登場する。美海とセブンがそうであるように、彼らはもともとは保護猫であったりお住まいに迷い込んだ犬や猫が生んだ子たちだ。

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■愛子さまと雅子さまが撮影した美海

 すき間からあどけない顔をのぞかせる、ちいさな三毛の子猫。愛子さまは、レンズを向けて、その愛らしい姿を撮影した。

 愛子さが24歳を迎えた12月1日、天皇ご一家の「家族」たちの3枚の写真が公表された。うち2枚は、この8月にご一家のもとにやってきた、「美海(みみ)」(メス)の写真で、愛子さまと雅子さまが自ら撮影したものだ。

 美海は、生まれてわずか2カ月半の時期に、都内のとある場所で保護された。

「わたしたちが見つけたときには、かなり弱っていました。保護できなければ、危なかったでしょう」

 そう話すのは、動物の保護や福祉活動を行う、一般社団法人「東京都人と動物のきずな福祉協会」代表の、香取章子さんだ。

 香取さんらは、保護する猫や犬に仮の名前をつける。この子猫は、「海(うみ)ちゃん」と呼ばれていた。

■愛子さまと雅子さまが撮影した美海, ■美しい海を願って, ■非常階段を登った母猫とセブン, ■ビルの7階で保護したから

■美しい海を願って

 保護から2カ月ほど経った今年8月、動物病院を通して、天皇ご一家のもとで暮らすことになった。

 ご一家は、子猫の仮名である「海(うみ)」の文字を残し、地球の象徴ともいえる美しい海を願い、「美海(みみ)」と名づけた。

 この11月にラオスを訪問した愛子さまは、美海のことを明かしている。現地の学校で日本語を学ぶ学生が、「海」という漢字がいちばん好きと話すと、愛子さまは、こう話した。

「私も名前に『海』という漢字を使った猫を飼っています」

■愛子さまと雅子さまが撮影した美海, ■美しい海を願って, ■非常階段を登った母猫とセブン, ■ビルの7階で保護したから

■非常階段を登った母猫とセブン

 愛子さまの誕生日に公表された3枚のうち2枚は「美海」、残り1枚は先輩猫で9歳の「セブン」だ。

 セブンも、保護猫だった。

 2016年夏。およそ生後3か月の子猫だったセブンは、母猫と一緒に千代田区にあるビルの非常階段を、よちよち歩きの危なっかしい足取りで登っていた。

 お目当ては、7階にある空中庭園。ここで休憩しながら食べ物をくれる人を頼り、母猫がセブンら子猫を連れて危ない階段をたどり、姿を現していた。

■ビルの7階で保護したから

「飼い主のいない猫が、何度もやってくる」

 ビルの管理会社から、動物愛護団体「ちよだニャンとなる会」に相談が寄せられた。香取さんが業務執行理事を務め、長く活動するNPO法人だ。

 放っておけば、車にひかれて命を落とすことも珍しくない。香取さんたちは、親子の猫を保護。子猫は、ビルの7階で保護したことから、「セブン」と仮の名前がつけられた。

 人への警戒心が強かったセブンは、動物病院で人に慣れるための訓練を経て、9月に東宮時代の天皇ご一家のもとに引き取られた。

■愛子さまと雅子さまが撮影した美海, ■美しい海を願って, ■非常階段を登った母猫とセブン, ■ビルの7階で保護したから

 保護猫は、引き取られた先で新しい名前をもらうことが多いが、仔猫は、「セブン」のままご一家と暮らすことになった。

 人づてに「愛子さまが、『セブン』という名前を気に入って、喜んでくれている」と、聞いた。

 しばらくしてから、獣医師らが主催するイベントに、陛下(当時、皇太子さま)と雅子さまが私的に訪れたことがあった。

「セブンちゃんが、大変お世話になりました」

 陛下は、そう香取さんたちにお礼を伝え、雅子さまもこう話した。

「素晴らしい活動をなさっている団体と伺っています」

 千代田区は、去勢や不妊手術とともに保護して譲渡する活動を続け、猫の「殺処分ゼロ」を11年に達成。いまも、ゼロを維持している。香取さんら「ちよだニャンとなる会」は、こうした活動に協力し、さらに路上で命を落とす「路上死」ゼロを目指している。

 

■愛子さまと雅子さまが撮影した美海, ■美しい海を願って, ■非常階段を登った母猫とセブン, ■ビルの7階で保護したから

 香取さんが、再びセブンの姿を目にしたのは、2016年12月1日。愛子さまの15歳の誕生日だった。宮内庁が公表した写真をみると、愛子さまの膝のうえでくつろぐセブンが一緒に写っていた。

 香取さんが保護したとき、子猫ながらセブンは人への警戒心がやや強く、すこし心配だった。しかし、愛子さまの腕にすっぽりとおさまったセブンは、右手を愛子さまの腕に乗せ、居心地良さそうにしている。

「セブンは元気ですよ」

 そんな愛子さまからのメッセージのようにも思えた、とセブンの保護に携わった関係者は振り返る。

 天皇ご一家は、「セブン」と「美海」などの保護猫や迷い犬、猫をあたたかく迎え入れ一緒に暮らしてきた。誕生日やご静養などプライベートな場面では、そうした「家族」と一緒にいる映像や画像を公表することも多い。

 国の象徴である天皇陛下とそのご家族のもとで、幸せに暮らす元保護猫や元保護犬たちの存在が、ごく自然に、世の中に伝わってゆく。そうした小さな発信の積み重ねが、たくさんの命を守ることにつながっていくのかもしれない。

(AERA 編集部・永井貴子)

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