デフレ進行で“タダ同然”の値引き合戦 中国で“出前競争”…政府が注意も

中国ではいま、デフレが進行し、値引き競争が激しさを増しています。特に深刻なのが外食のデリバリー業界。“実質タダ”という行きすぎた割り引き合戦も繰り広げられ、政府が注意を呼びかけています。

■利用客「自分で作るより便利で安い」

街中をせわしなく走る…デリバリーの配達員たち。年末年始の休みモードが高まるいま、注文数は――

配達員歴1年

「(注文は)増えてます。携帯にリクエストが届く、それがずっと鳴りやまない」

コロナ禍以降、需要が高いフードデリバリー業界。

中国でもフードデリバリーは大忙し。北京のオフィス街では――

デリバリー配達員

「フードデリバリーです。ロッカーに入れますね」

フードデリバリー用のロッカーです。

配達員がロッカーに食事を入れると、利用客がアプリでロッカーを開錠し、受け取るシステム。

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昼時になると――

坂元亮太記者・NNN北京

「ビルの前には大勢の人だかりができています」

利用客が受け取るとすぐさま届ける配達員が…。ロッカーの上や横にも食事の入った袋が置かれます。

毎日デリバリーを利用

「ジャガイモとスペアリブの煮込みがクーポン使って13元(約290円)。20分くらいで届きました」

週4でデリバリーを利用

「選択肢がたくさんあるし、自分で作るより便利で安いです」

■デリバリー戦国時代

安くて速い。急成長し続ける中国のデリバリー業界。今年、国内で1日2億件の注文があった日もあり、市場規模は年間およそ30兆円になる見込みだといいます。

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街中は配達員があふれ、各社がシェアを奪い合う、いわゆる「デリバリー戦国時代」に。より安い値段でお客さんを取り込むため――

記者

「350円でこの量なので非常に満足感があります」

同じ食事を注文する人が一定数に達すると、店側が調理を始める“相乗り注文サービス”が登場するほか、食事が実質タダになるほどのクーポンもデリバリー会社が提供。し烈な競争でフードデリバリー業界の「デフレ」が急速に進行する中――

配達員歴6年

「あまりオーダーがきません。昔より減っています。配達員が増えたからです」

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就職難が続く中国で、学歴・経歴不問のデリバリー配達員は人気の職種。いまでは1300万人もの配達員がいると言われていて、配達の仕事も争奪戦となっているのです。

■配達員「いくら待ってもオーダー来ない」

河北省から北京に出稼ぎできた王さん(25)。日本料理店の仕事をやめ、3か月前からデリバリーの配達員になったばかりです。

配達歴3か月・王さん(25)

「デリバリーの方が早くお金入ってくるし、働ければ働くほどお金入る」

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地元に残る妻と娘に仕送りしながら、1日13時間ほど働いている王さん。収入は1日およそ6000円。中国の平均日給5800円とほとんど変わりません。

稼ぐために始めたデリバリーの仕事ですが、競争が激化しすぎて――

配達歴3か月・王さん(25)

「昔は1日40件もできてたのに、いまはいくら待ってもオーダーが来ない」

働きたくてもオーダーが回ってこないといいます。

さらに、デフレで食事の単価が下がれば下がるほど、配達料金も下がり、稼ぎは減る一方。

王さんが暮らすアパートの部屋の中には、2段ベッドが敷き詰められています。少しでも節約できるように、ほかの配達員たちと暮らしているのです。

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配達歴3か月・王さん(25)

「未来か……日々を過ごしながら考えます。いい仕事があれば就くし、なければ……またその時で」

デフレが進む中、中国政府は今年、複数のフードデリバリー会社に過剰な価格競争を控えるように要請を出しています。

価格競争の中、悲鳴をあげる中国の配達員たち。巨大なデリバリー市場の恩恵はいつ受けられるのでしょうか。