数珠にバッグ、40代が今年「買ってよかった」5選。便利なものは精神的な余裕につながる
築35年の賃貸マンションで、夫婦2人で暮らしの深尾双葉さん(41歳)は、元古道具と器の店のオーナーで大の雑貨好き。ですが、「捨て活」をきっかけに、今はものを厳選してすっきり暮らしています。そんな深尾さんが、選び抜いた「今年本当に買ってよかったもの」を5つ紹介してくれました。

心からいいと思うものに出合えた1年でした
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1:シックなデザインの数珠、数珠袋、袱紗(ふくさ)

数珠はブラック、袋はグレーを選びました
以前から、きちんとした数珠を用意しなければと思いながら、つい後回しにしていまし
た。簡易的なものは一応持っていたものの、長年使ううちに状態も悪くなり、石の色や房の色にもどうしても心が惹(ひ)かれず、このまま使い続けることに小さな違和感を抱えていたのです。
使用する頻度は決して高くありませんが、「もっている」という事実そのものを考えたとき、たとえ出番が少ないものであっても、手元にあることが心地よく、目に入ったときに気持ちが整うものとつき合いたい。そんな思いが、年々強くなっていきました。
以前から気になっていたのが、シュオ(shuo)というブランドの数珠。静かな佇まいの写真を眺めるたび、いつか購入したいと思っていたのですが、今回は思いきって、夫の分も含めて2人分を、数珠袋と袱紗もセットで注文することにしました。
選んだ石はマットオニキス、房はシルク。どちらもブラックで統一し、余計な装飾のない、私の好みにすっとなじむ組み合わせです。
届いた数珠は、想像していた以上に美しく、静謐(せいひつ)でありながら凛とした空気をまとっていました。手に取ると、不思議と気持ちが落ち着き、自然と背筋が伸びるような感覚があります。こうした場にこそふさわしいものとは、こういうものなのだと、改めて感じさせられました。
・Juzu(Matte Onyx/Large) ¥3300
・Juzu Bukuro(Gray) ¥4950
・Fukusa(Gray) ¥5830
2:ピューター(しろめ)のトレイ

シルバーカラーのアイテムは空間から食卓まで、ピリッと締めてくれます
金属のものは、空間にさりげない緊張感と奥行きを与えてくれるので、少しずつ集めてい
ます。光を受けたときの静かな反射や、時間を経て生まれる風合いの変化も含めて、暮ら
しの中にあると心が引き締まる存在です。
木の大きなお盆はすでに1つもっているのですが、もう少し小ぶりで、グラスとおつまみをのせられるような、お皿にもトレイにもなる金属の盆があればいいなと以前から思っていました。用途を限定しすぎず、気軽に使えるサイズ感のものを探していたのだと思います。
そんな折、ふと出合ったのが、古いピューターのトレイでした。脚がついているため、もともとは台座のような役割を担っていたのかもしれませんが、詳しい用途は分かりません。ただ、その曖昧さも含めて、妙に惹かれるものがありました。しっかりとした銀の発色をもつピューターが好きなことに加え、あまり見かけない形に心を掴まれました。
小さなグラスに赤ワインを注ぎ、チーズなどの簡単なおつまみを添えてこのトレイに並べると、それだけでひとつの景色が生まれます。
また、木製の机にコップや急須の跡がつきそうなときには、このトレイにそっとのせておくと安心で、実用性の面でも頼りになる存在です。ほんの小さな道具ひとつですが、食卓に生まれる表情の幅がぐっと広がったように思います。
・ピューター トレイ ¥55000
3:ほうろう容器のフタ

上下の素材がそろうと、見た目もすっきりと気持ちがよい
以前から愛用している野田琺瑯(のだほうろう)の保存容器。これまでは、フタだけプラスチック製のものを使っていました。密閉性を考えると安心感があり、選択としては間違っていなかったと思います。
ただ、香りの強いものや色味の濃い料理を入れる際には、どうしても色移りやにおい残りが気になり、その都度ラップを併用していました。
けれど、日々の暮らしを見直してみると、つくりおきのおかずをほとんどつくらないこと、そして食材を長期間保存することも滅多にない、という事実に気づきました。
そこで試しに、琺瑯製のフタを1枚だけ購入し、数か月間お試しで使ってみることにしました。実際の使用感は、フタがぴたりと固定されるというより、そっとのっているという表現がしっくりきます。それでも、不便を感じたことは一度もありませんでした。
むしろ、冷蔵庫の中に並んだ白い琺瑯がすっきりと美しく感じています。ラップの使用頻度は確実に減り、プラスチックゴミも少なくなりました。小さな変化ではありますが、暮らしの中の余計なものが1つ減ったような感覚があり、精神衛生的にもとても心地よい選択となりました。
・レクタングル深型S用 琺瑯蓋 ¥1100
・レクタングル深型M用 琺瑯蓋 ¥1320
4:バケツ型のバッグ

バケツ型のバッグは使いやすく、つい手にとってしまいます
これまで外出の際は、気軽さを優先してエコバッグで出かけることがほとんどでした。ただ、旅行のときも、日常のちょっとした外出のときも、場面を選ばずに使えるバッグが1つ欲しいと、心のどこかで感じていました。
そんなとき、PHEREのオンラインストアを眺めていて、TEMBEAとの協業でオーダーしたというバケツ型バッグを見つけました。もしすべてがキャンバス地だけのデザインだったら、きっと購入には至らなかったと思います。
持ち手などの要所にレザーが使われていること、そして大好きな黒であることに、自然と心が傾きました。さらに、使い込んでくたくたになった姿まで想像できたことが、決め手になったのだと思います。
実際に使ってみると、その使い勝手のよさは想像以上でした。たっぷりとした容量があり、パソコンや本など重さのあるものを入れても、不思議と負担を感じにくいのです。しっかりとした深さがあるので、撮影の仕事で外に持ち出す三脚も、気負わずバッグの中にがさっと入れて持ち運ぶことができました。
また、持ち手には、鍵などをとめておけるループがついていて、カバンの中で行方不明になりがちな小物をすぐに見つけられるのもうれしいポイントです。こうしたささやかな心遣いに、道具としての誠実さを感じます。
これから先、表情が変わるほど使い込んで、もしボロボロになったとしても、その都度修理をしながら大切に使っていきたいと思います。
・BAGUETTE TOTE
5:黒い片口(かたくち)

万能な器、片口は1つはもっておきたいもの
ものの手放しを進めてから、器の数はほぼ固定され、新しく迎えることはほとんどなくなりました。食器棚の中身が定まり、日々使う器も自然と決まっていくなかで、ただ1つだけ、ずっと探し続けていたものがありました。
それが「片口」です。料理の器としても、酒器や茶器としても使えて、あるとなにかと重宝する存在。1つだけでも、心から納得できる片口を手元に置きたいと思っていました。
そんなときに出合ったのが、器作家・森岡成好さんの黒い片口でした。自然そのものを思わせる佇まいで、どこか作為を感じさせない、その雰囲気に強く惹かれました。完成されすぎていない、けれどたしかな存在感があり、気づけば迷うことなく食器棚に加えることを決めていました。
土そのものの表情がそのまま生かされていて、使用前に軽く水にさらすと、器全体がしっとりと落ち着いた表情に変わります。黒一色に見えて、よく見ると茶色味を帯びた部分があったり、光を受けてほのかにツヤを感じさせるところがあったりと、1つの器のなかにいくとおりもの表情が潜んでいます。その変化を手の中で感じながら使う時間も、この器の楽しみです。
茶を注ぐにも程よい形状で、持ったときの収まりもよく、やはり片口は1つはもっておくべき器なのだと、使うたびにしみじみと感じています。用途を限定せず、暮らしのなかで自然と役割を広げてくれる存在は、数をもたずとも十分なのだと教えてくれるようです。
友人が和歌山にある工房へ何度か行ったことがあるようで案内をしてくれるとなり、旅の楽しみも増えました。器との出合いが、次の時間や場所へと静かにつながっていく。そんな流れに心温まり、うれしく感じています。
・片口 19800円
※ 紹介したアイテムは、すべて著者自身で購入した私物です。店舗への問い合わせはご遠慮ください
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