トランプ政権による規制緩和の連発で世界恐慌ふたたび?
世界恐慌ふたたび?

1929年に発生した世界恐慌が米国のターニングポイントとなってから、まもなく1世紀が経とうとしている。いま、多くの人々はトランプ政権下の米国経済が同様の局面を迎えつつあるのではないかと懸念している。
世界恐慌の悪夢

世界恐慌の際には数百万人もの人々が一夜にして職を失い、数千人が住居を失った。企業は次々と倒産し、経済が回復するまでには数十年を要した。
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トランプ政権が大恐慌をもたらす?

そんな中、多くの経済学者や金融の専門家らはトランプ政権の政策が米国を新たな大恐慌へと導きかねないと警告している。
米証券取引委員会の懸念

米証券取引委員会(SEC)のキャロライン・クレンショー委員は政治ニュースメディア「ポリティコ」のインタビューの中で、トランプ政権が世界恐慌直前と同じような状況を生み出しているのではないかとの懸念を示した。
共和党が支配権を握る経済

SECで唯一の民主党系高官であるクレンショー氏は、共和党がトランプ氏の指名したポール・アトキンス氏をSEC委員長に据えようとする中で、米国の経済政策の行方に強い危機感を表明している。
「いずれ明らかになる」

クレンショー氏いわく:「これらの政策が本当に賢明だったかどうかは、いずれ明らかになるだろう。しかし、現在の規制緩和の流れを1929年の株価暴落直前の時代と重ね合わせる見方において、私が孤立しているとは思わない」
トランプ政権の規制緩和政策

クレンショー氏はトランプ政権の規制緩和政策によって長年ウォール街で投資を行ってきた投資家の保護が取り払われ、結果的に損害をもたらすのではないかと懸念しているのだ。
法制度の「ジェンガ」

同氏はこの状況を、法制度を一つずつ引き抜いていく「ジェンガ」に例え、最終的には全体が崩壊しかねないと警告。
画像:@imlst / Unsplash
暗躍する暗号資産ロビー

「ポリティコ」によれば、クレンショー氏のSEC委員再任は暗号資産ロビーの影響で頓挫したという。同氏はこういったロビー勢力が投資とギャンブルの境界を曖昧にしようとしていると主張していた。
『ニューヨーク・タイムズ』のコラムニスト

しかし、昨今の状況に懸念を抱くのはクレンショー氏だけではない。米紙『ニューヨーク・タイムズ』の金融コラムニスト、アンドリュー・ロス・ソーキン氏もまた、現在の米国経済と世界恐慌の類似点を指摘しているのだ。
1920年代の状況

「1920年代は一般の米国民が初めて本格的に株式市場に参加した時代だった。彼らは新しい世界に足を踏み入れ、投資を始めたのだ」と、ソーキン氏はNPR放送に語り、当時の金融熱を振り返った。
一般人が暗号資産に熱中

しかし、同氏はいま、一般の人々が暗号資産に熱中し、中には借金までして一攫千金を狙っている状況に強い懸念を示している。
「1929年当時とそっくり」

ソーキン氏いわく:「暗号資産には正直、神経質にならざるを得ない。状況は1929年当時とそっくりで、多額の借り入れをしてまで暗号資産を買っている人が大勢いるのだ」
経営者がセレブに

同氏はさらに、「1920年代は企業経営者が初めてセレブになった時代でもあった。新聞の一面や雑誌の表紙を飾る存在になったのだ」と付け加えている。
2008年のリーマン・ショック

ソーキン氏はまた、米国経済が経験したもう一つの惨事である2008年の金融危機にも言及。トランプ政権は規制を次々と撤廃して、リーマン・ショックの二の舞いを演じようとしていると指摘した。
反対意見もあり

一方で、こうした見方に反対する専門家もいる。PBS放送の取材に応じた複数の経済学者らは現在の米国経済について、見通しは錯綜しており、相反するシグナルが出ていると分析。
「ある意味ではより複雑」

ニューヨーク大学の経済学教授マーク・ガーバー氏いわく:「2008年の世界金融危機ほど深刻な状況ではないが、どの方向に進むべきかが分かりにくい分、ある意味ではより複雑だ」
前例のない事態

ガーバー氏はさらに、「リーマン・ショックの時には、金融政策と財政政策を拡張すればよかった。しかし、今回は何が正解なのかを判断するのが非常に難しい」と述べている。
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