年末年始に急増?ゴールド免許を失うクルマ以外の違反行為

ゴールド免許は、クルマの違反だけで失うと思っていないだろうか。実はそうではない。自転車や電動キックボードでも違反点数が付けば、優良免許の条件から外れる。しかも、場合によっては免許停止や取り消しに至ることもある。今回は、優良免許を守るために知っておくべき違反行為を整理していこう。
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文:藤原鉄二/写真:写真AC
自転車・電動キックボードの検挙件数が急増
警察庁の令和6年統計によると、2024年の特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード)に関する交通違反の検挙件数は約4万件超にのぼった。
また、自転車の交通違反の検挙件数も近年増加傾向にあり、2024年には5万件規模に達したとされている。
特に年末年始は飲酒の機会が増える時期だ。クルマでの飲酒運転は避ける人が多い一方、「自転車なら大丈夫」「電動キックボードなら平気」と安易に考えてしまうケースもある。しかし、これらの行為でも違反点数が付く場合があり、優良運転者の資格にも影響する可能性があるので注意が必要だ。
ゴールド免許の条件は違反点数の有無で決まる

ゴールド免許を失うと、警察署での即日更新ができなくなるほか、講習時間の延長や更新手数料の増加など、さまざまな不利益が生じる
ゴールド免許は「優良運転者」としての証であり、更新時に交付されると保険料の割引や講習時間の短縮など、数々のメリットがある。
条件は「過去5年間に無事故・無違反である」ことだが、ここでいう「無違反」とは、「違反点数が一度も付いていない」ことを指す。免許更新時の判定は、この違反点数の有無だけで決まる仕組みだ。
「クルマで違反しなければOK」と考えがちだが、実際にはそう単純ではない。免許不要の自転車や電動キックボードであっても、行為の内容次第では免許に影響が及ぶ場合がある。
近年は重大事故の増加を背景に、電動キックボードなど一部の車両区分で違反行為に対して違反点数が付くよう、道交法の整備が進められている。つまり、自転車や電動キックボードでも、行為によっては違反点数が付く場合があり、その時点で優良運転者の資格を失うことになるということだ。
違反点数が付くと、免許の更新期間が5年から3年に短縮されることがあるほか、自動車任意保険料の割引(ゴールド割引)が適用されなくなるなど、数々のデメリットが生じる。
では、自転車や電動キックボードなど、クルマ以外で具体的に優良運転者の資格を失う違反行為にはどんなものがあるのかをみていこう。
飲酒後の自転車運転には刑事罰が科される

自転車のながらスマホ運転は刑事罰対象。事故など悪質な場合は、公安委員会の判断で免許停止・取消の対象となることもある
自転車は道路交通法上「軽車両」に分類される。多くの違反は指導で終わるが、悪質な違反は刑事罰の対象となり、さらに悪質なケースでは免許に直接影響することもある。
「悪質なケース」とは、単なる不注意を超えて、他人の生命に危険を及ぼすような重大な違反や、法令を著しく軽視した行為のこと。こうした場合、刑事罰に加えて行政処分として免許停止や取り消しの対象になり得る。
つまり、ゴールド免許の剥奪どころではない厳しい処分となる可能性があるということだ。
自動車免許の停止(免停)や取り消し(免取)の対象として考えられるのは以下のようなケースだ。
1.酒気帯び・酒酔い運転
自転車の酒気帯び・酒酔い運転は、自動車運転免許の点数制度の対象外だが、違反そのものが刑事罰(懲役・罰金)の対象となる。そのうえで悪質な場合、公安委員会の判断で自動車免許の停止・取り消し(行政処分)の対象となり得る。
2.重大な事故の誘発
自転車側の違反によって、歩行者や他の車両を死傷させた場合。例えば、ひき逃げ(救護義務違反)、死亡事故の誘発: 信号無視やスマホ操作などで第三者を死亡させた場合(死亡事故の誘発)があげられる。
3.妨害運転(あおり運転)
故意に他の車両や歩行者の通行を妨害する目的で、 逆走して進路を塞ぐ、急ブレーキをかける、執拗にベルを鳴らすなどした場合だ。
4.指導に従わない継続的な違反
スマホを使いながらの片手運転や、一時不停止を現行犯で注意されたにもかかわらず、その場で再度違反を繰り返したりした場合だ。
ただし、ながらスマホ運転は、現時点では反則金(罰金など)が主な処分だが、人身事故につながれば過失の内容次第で処分が重くなる可能性がある。
電動キックボードの区分誤認によって点数が付くことも

街で増大しているレンタル電動キックボードの多くは免許不要だが、原付扱いの車両が混在している点には注意が必要だ
免許に影響が及ぶ可能性のある違反行為は自転車と同じだが、電動キックボード特有の注意点がある。
現在、多くのシェアリングサービス(LUUPなど)では免許不要の「特定小型原動機付自転車」が採用されている。しかし、観光地や一部のレンタル店では、最高速度が20km/hを超える「一般原動機付自転車(一般原付)」が貸し出されているケースも少なくない。
もし、借りた車両が「一般原付扱い」であった場合、その時点であなたは「自動車免許を使って原付を運転している」状態になる。
特定小型原付(免許不要モデル)であっても、信号無視などの交通違反は刑事罰(罰金など)の対象となるが、原則として自動車免許の違反点数が加算されることはない。しかし、一般原付を「特定小型」だと思い込んで運転すると、話は一変する。
一般原付として扱われる電動キックボードで違反を犯すと、その行為によっては自動車免許の違反点数が加算される可能性があるのだ。
例えば、ヘルメット未着用でも特定小型では「努力義務」だが、一般原付なら「点数1点」の違反となってしまう。
「免許不要の乗り物だと思っていた」という言い訳は許されず、検挙されれば、自動車免許の点数が付く可能性があり、ゴールド免許がブルーに格下げされることもある。さらに累積点数によっては、自動車の運転停止(免停)に追い込まれる場合もあることは知っておきたい。