日本に逆留学して見えた、日本人が気づかない当たり前

写真中央が筆者。現在ミネルバ大学の東京拠点に滞在中。

海外の大学に進学したのに、いま私は日本で暮らしています。通っているのは、世界50カ国以上の学生が集まり、都市を移動しながら学ぶミネルバ大学。2025年に東京拠点が新設され、私はその「東京1期生」となりました。

多様な仲間と日本で生活してみると、コンビニや電車、街の風景など、これまで当たり前だったものがそうじゃなかったと気づくことが多くあります。そんな日本に“逆留学”して気づいたリアルな発見を、等身大で伝えたいと思います。

編集部注:本記事は、世界50カ国以上の学生が学ぶミネルバ大学に在学する筆者が、2025年に新設された東京拠点の第1期生として日本で生活・学習した実体験をもとに執筆しています。個人の視点を起点に、日本社会や教育、グローバルな価値観について考える内容です。

「世界を移動しながら学ぶ」ミネルバ大学って?

1年生のときの写真。入学後の1年間は、本部のあるアメリカ・サンフランシスコで寮生活をしていました。

ミネルバ大学は、一言でいうと“世界を移動しながら学ぶ”新しいタイプの学校です。4年間の在籍中、4大陸を周り、各地の文化に触れながら学びを進めていきます。生徒も世界50カ国以上から集まっているため、食べ物、文化、考え方など、まさに新しい発見に溢れる毎日を送っています。

滞在先の国にあるのは寮のみで、特定のキャンパスはなく、授業は全てオンライン。……といっても、教授が話すのは授業時間全体の1割ほどで、これまで私が日本で学んできたような座学スタイルとは異なります。

授業の大半は、生徒の発言やディスカッションをベースに進んでいくため、「知識や意見をいかに伝えるか」を重視したカリキュラムになっています。

そんなミネルバ大学の寮が、2025年新たに東京・港区に設立され、現在2年生の私は「東京1期生」として9月から日本で生活をしながら学んでいます。

この約4カ月間、「縁」「禅」マインドなど日本に根付いた価値観について学んだり、学期初めには書道家の方に習字のレクチャーをしていただいたりと、日本の文化を新鮮な視点から深く感じられる時間を過ごしていました。

50カ国の学生と暮らして気づいた、日本の「当たり前」

日本での課題の一環として、グループメンバーと訪れた神社。

日本人として日本で生まれ、親の都合でアメリカで暮らした10歳〜13歳を除き、約17年間日本で暮らしてきた私ですが、50カ国以上の生徒と一緒に日本で暮らすのはもちろんはじめて。新たな発見だらけの毎日です。

例えば、あるヨーロッパ出身の友人と市街地を散歩していると、「なんで街中に鳥居だけがあるの?」との質問。私も答えが分からず一緒にで調べてみると、都市化の影響と昔からの名残りが理由の1つとしてあることを知りました。

このように、普段当たり前に見ていて疑問にも思わなかった光景について、海外から来た友人の疑問をきっかけに改めて考える機会が増えたと感じています。授業の一環で学んだ「縁」というテーマも、現代の日本人の行動や価値観にどう繋がっているのかを改めて考えたり、異なる宗教やバックグラウンドを持つ生徒がこの言葉にどんな感情を抱くのかディスカッションをしたりできたのは、国を超えた人々の共通点・相違点を感じられる貴重な経験になりました。

また、改めて感じたのは日本の“便利さ”です。