琵琶湖と「うり二つ」がつないだ縁 万博オーストリア館のオブジェを滋賀県に寄贈

「あかしろあか」のバルーンは滋賀県庁本館4階の国際課にも飾られた

滋賀県では、大阪・関西万博でオーストリアパビリオンを装飾していた音符のオブジェなどが閉幕後に寄贈された。もともと万博前から、琵琶湖とオーストリア国土の形が「うり二つ」とSNSなどで話題になったことを機に両者は交流を続けてきた。県は今後、寄贈品をオーストリア関連イベントに展示するなど両者の〝交流の証し〟として活用していく。

滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールに置かれているスタンプなどの寄贈品=大津市

県によると、今回寄贈されたのは、オーストリアパビリオンの公式キャラクター「あかしろあか」のバルーン十数枚、音符のオブジェ3種計5個、オーストリアパビリオンに設置されていたスタンプラリー用のスタンプ2種。

あかしろあかは、オーストリア国旗の赤・白・赤色を表現したキャラクター。

オーストリアといえば、ハイドン、モーツァルト、ベートーベンを中心とするウィーン古典派が活躍した舞台でもある。そのためオーストリアパビリオンのテーマも「オーストリア:未来を作曲」。音符のオブジェは3種で、パビリオンの天井からつり下げていた。

滋賀県は万博期間中からオーストリア側に対し、閉幕後に「何か交流の証しになるものを譲ってほしい」と依頼していた。

そこで閉幕直後、オーストリア側から今回の寄贈の申し出があり、閉幕2日後の昨年10月15日に会場で担当者が受け取った。

寄贈が決まると、県民からは早速、「琵琶湖とオーストリアの形が似ているのがご縁でこんな素敵な機会に恵まれるなんて!」「オーストリア館行けなかったので、すごくうれしいです~」「あのかわいいオーストリア館のいろいろなものが滋賀県でも見れるようになるんですね!!」などとSNSなどで歓迎のコメントが続々と寄せられた。

この寄贈品は、まずは11月8日、安土文芸の郷公園(同県近江八幡市)で開催された観光キャンペーン「戦国ディスカバリー滋賀・びわ湖」のイベント会場にスタンプだけが設置された。

11月14日~12月14日には、オーストリア・ブルゲンラント州陶芸学校と滋賀県立信楽高校陶芸部の生徒らがオンライン交流で共同制作した作品が展示された県立陶芸の森(同県甲賀市)で、あかしろあかのバルーンと音符のオブジェ、スタンプが展示された。

県立芸術劇場びわ湖ホール(大津市)では今年3月15日まで、メインロビー一角の舞台芸術情報サロンにスタンプなどを設置しており、実際にスタンプを押すこともできる。

オーストリア館=大阪市此花区(恵守乾撮影)

県の担当者は寄贈品について、「今後もオーストリア関連イベントで展示するなど、大切に使わせていただきたい」と話している。

イベント通じ友好関係深化

滋賀県とオーストリアは万博期間中も、さまざまな交流イベントを開催し、友好関係を一層深めた。

期間中は、オーストリア・ブルゲンラント州のヨーゼフハイドン私立音楽大学の学生らを招いて、県立石山高校音楽科の生徒らと交流演奏会を開いた。

万博の「滋賀県デイ」ステージでも、両校は約1900人の観客を前に両地域ゆかりの2曲を披露。会場に詰めかけた観客を魅了した。

同州と滋賀県内で陶芸を学ぶ生徒らはオンライン交流を通じて作品を制作。完成した作品が万博会場で展示された。

また万博のオーストリアパビリオン内のレストランでは、オーストリアの伝統菓子「リンツァーケーキ」と「近江の茶」の組み合わせなど、両地域の期間限定コラボメニューも提供された。

県の担当者は「万博は、滋賀県とオーストリアの交流を深める絶好の機会となった」と振り返る。(土塚英樹)

「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、大阪市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)で184日間にわたって開かれた2025年大阪・関西万博。158の国・地域が参加し、趣向を凝らした展示が来場者の人気を集めた。昨年10月の閉幕に伴い、近畿の各府県や自治体が各パビリオンから引き継いだ品々や万博を機に広がった交流といったレガシー(遺産)を紹介する。