【解説】浜岡原発“審査白紙”へ 中部電力の不正行為の「問題」と「影響」

浜岡原発の再稼働に向けた審査をめぐる中部電力の不正行為について、原子力規制委員会が会見を行いました。会見で「安全規制に対する暴挙である」と強く非難し、再稼働への審査を「白紙」に戻す見通しを示しました。社会部原発担当・安藤翔記者の解説です。

■中部電力の不正行為 問題点は

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――今回の中部電力の不正行為は何が問題だったのでしょうか?

福島第一原発の事故後、原発の安全性が問われる中、中部電力が再稼働を目指して審査を受けていた浜岡原発において、耐震設計の前提となる地震の揺れを、意図的に過小評価したデータを報告していたということです。

この不正によって、原発の安全性の審査において基となる情報が根本から崩れた、といえます。

原子力規制委員会の委員は「どこが信用できて、どこが信用できないか既にもう分からない」と話すなど、規制委側は何を信頼して審査を進めればいいのか、分からなくなってしまうのです。

■“不正データ”基に再稼働…大きな事故につながる可能性

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――もし、今回の不正なデータを基に原発が再稼働されていた場合、“最悪のケース”も起こりえたわけですよね?

不正が行われた基準地震動というものに基づいて、原発の施設は耐震性が十分かどうかを確認しています。

これを過小に評価するということは、耐震性が十分でないまま原発が再稼働することになるため、仮に大きな地震がきたときに、施設が地震に耐えられない可能性が出てくる、ということです。

もしこのまま審査が進んでいた場合、想定されている南海トラフのような大きな地震が起きたとき、原発の安全を保つ「止める、冷やす、閉じ込める」という機能を果たすことができなくなり、大きな事故につながる可能性があります。

■他の原発の再稼働への影響は?

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――浜岡原発の再稼働は白紙になる見通しになりましたが、今回の事態を受けて、ほかの原発の再稼働に対しても影響は出てくるのでしょうか。

原子力規制庁としては、電力会社のいわゆる「性善説」に立って、電力会社から示された資料を基に審査を行っています。

7日に会見した原子力規制委員会の山中委員長は、今回のようなケースは今のところ中部電力だけの問題だとして、他の電力会社への調査などは考えていない、と話しました。

しかし、電力会社側が不正を行っていた場合、今回のような外部通報がないと見抜けない、ということも判明しました。

現状、電力会社のデータが正しいかというのをチェックする仕組みはありません。

山中委員長は「原子力の安全の確保は原子力事業者の責任」としています。つまり、「原発の安全性は電力会社の誠実さ次第」ということも露呈したといえます。