中学受験「女子御三家」の志願者が増加した理由は?【2026年・首都圏中学入試速報】

2月1日から東京、神奈川の中学入試が始まった。最終的な集計はまだ出ていないものの、昨年度と同様の高い受験率になる見込みだ。昨年度は減少傾向だった最難関校の志願者も増加している。2026年度入試の最新状況について、首都圏模試センターの取締役教育研究所長・北一成さんに聞いた。
■女子御三家は志願者増加
首都圏の中学受験者数は、昨年度と同様に5万2300人前後になる見込みだ。
「今年度は増加要因と減少要因の両方があり、プラスマイナス150人の幅で、少なければ5万2150人から、多ければ5万2450人になると予想しています。受験率は少なくても昨年度と同じ18.1%。多ければ18.2%と過去最高の受験率になる可能性があります」(北さん)
減少要因は少子化によるものだが、私立中高一貫校人気、私立高校の無償化などが中学受験の追い風になっている。
なかでも、最難関校の志願者が増加。昨年度は東京のすべての男女御三家で、志願者が減少したが、今年度は麻布(東京都港区)をのぞいて増加に転じた。男子校では開成(東京都荒川区)が1234人から1272人、武蔵(東京都練馬区)は518人から539人に増加。麻布は761人から750人に減少した。
注目は女子学院(東京都千代田区)だ。706人から1088人と大幅に上昇。桜蔭(東京都文京区)は542人から599人、雙葉(東京都千代田区)は389人から435人に増加した。
「安全志向が落ち着き、強気で挑戦する受験生が戻っている」(北さん)という。
女子校の増加は、サンデーショックによる影響が大きい。サンデーショックとは、2月1日が日曜日に重なった年に、一部の(主にプロテスタント系)ミッションスクールが試験日を変更することで、特に女子校が多い。今年度は女子学院、東洋英和女学院(東京都港区)、立教女学院(東京都杉並区)、横浜共立学園(神奈川県横浜市)などが2月1日の受験日を2日に移した。一方でフェリス女学院(神奈川県横浜市)と横浜雙葉(神奈川県横浜市)は、従来通り1日に試験をおこなった。
サンデーショックの影響で、女子学院と桜蔭、女子学院とフェリス女学院など、通常の年には不可能な併願が可能になった。この結果、東京の女子校だけでなく、フェリス女学院が415人から483人など、神奈川の難関女子校も志願者が増えている。そのあおりを受けて、2日に1回目の入試をおこなっている豊島岡女子学園(東京豊島区)が減少。サンデーショックの影響に加えて、今年から入試回数を3回から2回に減らした洗足学園(神奈川県川崎市)も出足が好調だ。初回の志願者を前年の132%に増やしている。

■グローバルや探究型学習の学校は根強い人気
チャレンジ志向が盛り返すなかで、無理をせずに身の丈に合った学校を選ぶ層も堅調だ。ここ数年、日本工業大学大駒場(東京都目黒区)や国士舘(東京世田谷区)などの人気が上昇してきたが、変わらず高い人気を集めている。今年はとくに、文教大学付属(東京都品川区)の人気上昇が目立つ。
一方で改革を進め、グローバルや探究型学習など21世紀型の教育を標榜する学校も相変わらず人気が高い。前年からの予想通り、 芝国際(東京都港区)、品川翔英(東京都品川区)、サレジアン国際学園(東京都北区)などの人気が目立つ。開智所沢(埼玉県所沢市)は、開智グループ姉妹校の同時出願(受験)によるダブル・トリプルカウントの仕組みの増加分を除いても、人気上昇傾向には違いない。
女子校は地域で明暗が分かれた。
「神奈川県の女子校は一部の難関校をのぞいて苦戦しているのですが、東京の女子校は元気です。広報活動が盛んで、女子生徒が自ら学校の情報を発信していることが好感を呼んでいるようです。十文字(東京都豊島区)や文京学院大学女子(東京都文京区)は模試の人気が高かったので、26年度は志願者が増加する可能性が高いのでは?」(北さん)
そのほか実践女子学園(東京都渋谷区)、昭和女子大学附属昭和(東京都世田谷区)、山脇学園(東京都港区)、三輪田学園(東京都千代田区)などの人気も堅調だ。
■付属校の注目は、明治大学付属世田谷
「ここ数年のコロナ禍の期間は、それ以前の大学付属人気もおさまって、男子校や女子校の進学校の人気が上がっていたのですが、26年度に関しては付属校がもう一度人気を盛り返している印象があります」(北さん)
ただし早慶やMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)系列の付属校は難易度が上がり、高止まりしている状況だという。その一方で、日本大学や東海大学系列の共学校の多くで志望者(特に女子)が増えている。
注目は26年度から「明治大学付属世田谷」(東京都世田谷区)と校名変更し、男子校から共学化して明治大学の付属校となる日本学園。明治大学の付属校になることが決まった数年前から年々志願者が増加しており、26年度はどこまで伸びるか注目されている。
高大連携で注目されている学校もある。順天(東京都北区)が学校法人北里研究所と合併し、26年度から北里大学の付属校になることもあり、すでに人気上昇が目立っている。宝仙学園(東京都中野区)は25年度に順天堂大学と連携し、「医学進学コース」を開設。学校の通称を「順天堂大学系属理数インター」としている。根強い医学部人気を背景に、志願者を集めそうだ。
(取材・文/柿崎明子)
・東大の合格率が高い「首都圏中高一貫校」ランキング 2位以下に“圧倒的”な差をつけた1位の男子校は?
・上位3校は公立一貫校! 国公立大の合格者数が10年で増えた「首都圏中高一貫校」ランキング
・早稲田大への「合格率」が高い首都圏中高一貫校ランキング 2位以下に大きく差をつけた神奈川県の男子校は?