【800人調査】自民党に投票した有権者が本音で答えた「中道」が勝てない理由 「ドレッシングじゃあるまいし、水と油が混ざるわけがない」

 先の衆院選は自民党圧勝という結果になったが、高市政権により期待をかける人、少数意見が反映されるか不安に思う人、さまざまな思いが交錯しているようだ。そこでAERAは「衆院選にひとこと言いたい!緊急アンケート」を実施。約800人の有権者から総選挙の結果に対する“本音”を聞いた。自民党を支持した人々の声から見えてきたのは、高市早苗首相への絶対的な期待と信頼、そして対抗勢力となるはずだった中道改革連合への失望だった。

※アンケートは2月8日から11日に実施。設問は4問で、「衆院選で支持した政党」を選択式、「その政党を支持した理由」「自民党が大きく議席を伸ばした理由(もしくは中道が議席を伸ばせなかった理由)」「第2次高市政権への期待や懸念」を記述式で尋ねた。AERAのSNSやメールマガジンなどを通じて回答を募ったところ、789件の声が寄せられた。

*  *  *

「高市早苗の人気がすべてだと思う」(50代女性)

 この声に代表されるように、衆院選で自民党を支持したと答えた230人の回答の大半に、高市首相個人を高く評価する内容がつづられていた。

「本来自民党はあまり推したくなかったけれど、高市総理を応援したいことから自民党にした」(70代以上男性)

「(自民党には)腹黒い人たちもまだいるけど、高市総理の良心と聡明さにかけた」(70代以上女性)

「国会答弁でもメモを見ずに自分の信念を述べている」(70代以上男性)

 首相就任時に「ワーク・ライフ・バランスという言葉を捨てる」と宣言した通り、馬車馬のような働きっぷりを見せ、はっきりとした物言いをする姿に好感を抱く有権者が多かったようだ。政権発足後わずか3カ月での解散・総選挙だったが、短期間での“実績”や“実行力”を評価する声もあった。

「政策を進めるために維新と連立するなどとにかく行動的で良い動きだった」(40代男性)

「前総理二人(岸田文雄元首相、石破茂前首相)ができなかったことをすぐ実行して、ガソリン税を下げるなど実績と安心があったから投票しました。財務省にメス入れたりと腐敗を切っているところ」(20代男性)

■「愚の骨頂」中道への“野合”批判

 高市首相への賛辞だけでなく、中道への不満や失望も全体的に目立った。とりわけ多かったのが、これまで与党と野党という立場で対立してきた公明党と立憲民主党が手を組んだことに対する“野合”批判だ。

「中道は国家国民のことより議席を確保し身分を守るのに必死なのが、有権者に知られた」(60代男性)

「あんな主張と結成理由で国民が賛同すると思われたことが腹立たしかった」(70代以上女性)

 公明党の支持母体である「創価学会」の“幽霊会員”だという50代男性は、「中革連とか愚の骨頂でしかない。そもそもドレッシングじゃあるまいし、水と油が混ざるわけがない」と切り捨てた。

 立憲民主党にはかねてより「自民党の批判ばかり」との指摘が少なくなったが、今回はこれが中道にも向けられた。

「新政権になって国会中継に注目する国民が増え、野党議員の醜悪な態度に気がついてしまった」(70代以上男性)

「野党は与党批判ばかりで見苦しかった。いつまで裏金言ってるの? しかも自分たちもやっているのを棚に上げて」(50代男性)

「自分たちもやっている」というのは、2023年11月に発覚した、立憲元幹事長の安住淳氏の政治資金収支報告書に30万円分のパーティー券収入が未掲載だったことを指しているのだろうか。これまで「態度が大きい」と批判されてきた安住淳氏だが、選挙戦中も、車中で足を組んでクリームパンを食べる様子を映した動画が「生意気だ」と炎上するなど、SNS上で大バッシングが巻き起こり、10連勝を誇る地元・宮城4区でまさかの“ゼロ打ち”落選となった。

■不祥事が有耶無耶にされるのでは…

 中道は安住淳氏をはじめ、枝野幸男氏、岡田克也氏など立憲出身の大物議員たちが軒並み落選した一方、自民党は衆院の3分の2議席以上を押さえる大勝利をおさめた。この歴史的勝利には「高市早苗総理がやりたいようにやればいいと思う」(60代男性)と全面的に応援する声もあるが、一抹の不安を覚えている自民党支持者もいる。

「大勝して末端まで目が届かず、初当選の議員から問題が出そう」(60代男性)

「旧統一教会とこれまで関わりを持っていた人たちで組閣してほしくない」(60代女性)

「裏金問題が懸念。臭いものに蓋をする構造や、今回の獲得議席数が多かったのでそういった不祥事が有耶無耶にされていくのではないかというのはある」(40代男性)

 さらに、

「本当の敵は自民党内にいる」(40代男性)

「足を引っ張られるのが心配」(50代男性)

「(保守色が強い高市首相とは距離があるとされる)石破などの方々は離党して中道と合流したほうが良い」(70代以上男性)

 と周囲からの突き上げを警戒する声も上がった。党内の圧力に屈して首相が自らの信条を曲げれば、支持者離れを引き起こす可能性もある。一方で、他者の意見を聞かず強引に政治を進めれば、「高市総理の独走」(70代以上男性)を懸念する層からは見限られるだろう。

 今後、高市首相は非常に難しいかじ取りを迫られることは間違いない。「もう一度、自民党を信じてみたかったから」(60代男性)という期待の声が、その肩に重くのしかかる。

(AERA編集部・大谷百合絵)

・【写真】雲隠れ?安住淳氏に代わり、取材対応したのはこの人

・【写真】“辻立ちクイーン”にまさかの敗北…中道結党のキーマンはこちら

・【写真】中道の党名発表で「5G(爺)」と揶揄されたのがこの5人