50代、夫婦ふたり暮らしに「食洗器」は必要? 暮らしを小さくしなければと思いすぎなくていい
日々の洗い物に便利な食洗機。「フランスでは日本よりも食洗器の利用が当たり前だと思われがちですが、実際はそうでもないことも」と語るのは、フランス文化研究者でフランス人の夫と日本で暮らすペレ信子さん(50代)。長らく食洗器のある生活を送り続けたあと、夫婦ふたりになって感じた、食洗器に対する向き合い方の変化を綴ります。

わが家で使用しているのは、欧米で標準サイズの12人用食洗機
【写真】昔住んでいた家のキッチン
フランス賃貸物件の「食洗器」事情

昔住んでいた家のキッチン
欧米のキッチンでは食洗機は必須だと思われていることが多いですが、パリなどの貸し物件を見ていると必ずしもそうでない場合があります。
フランスで賃貸物件は「家具つき」と「家具なし」があり、「家具つき」の方が賃料が高くなります。節約家が多いフランス人、絶対家具なしが人気かと思いきや、仕事や諸々の事情によって引っ越すことも多いため、家具つきが便利で意外と人気があります。
わが家は現在日本にありますが、フランスに住んでいた頃と、最近も家族のために、内覧も含めて何件もフランスで物件を見ました。そして気づいたのは、家具つき物件でも冷蔵庫、ガスレンジ、オーブンはあるのに、「食洗機はない」というパターン。
調べたところ、法律でフランスの賃貸物件に備える義務があるもの(ベッド、冷蔵庫、水道、レンジ、オーブンか電子レンジ等)と義務でないものがあって、食洗機は義務ではないそう。
食洗機があると物件の人気が上がるので、サービスで設置しているところもあるそうです。
一度使ったら便利だと気づいた

昔住んでいた家のキッチン
若いときは食洗機なしの物件に住んで、「いつか食洗機がある家に」と夢見るのは、フランス人も同じです。私たちもそうでした。
うちの場合は、子どもができてしばらく海外に住んでいて、そこで初めて食洗機のついている物件に住みました。
結婚前には食洗機なしの小さな物件だったので、初めての食洗機にはおっかなびっくり。食洗機を食器棚がわりに使っていたら、フランス人の友達に「そんな風に使っているの、うちのおばあちゃんみたい」と笑われたことも。
でもそれがきっかけとなり、勇気を出して使ってみることに。そうしたら、もう食洗機なしの生活には戻れなくなりました。
子どもが独立したあとの食洗器の使い道は?

その後、子ども3人の旺盛な食欲を満たした食器を引き受け、たくさんのおもてなしをしたときも大活躍してくれた、うちの12人用の食洗機。子どもが巣立って夫婦ふたりになったら、たくさん洗うものがないので、大きな食洗機を回すのがもったいない気がして、「食器数枚なら」と、夫と食器を手洗いしていました。
そして、「夫婦2人だから、食洗機に入らないような凝った食器を使えばいいし」と、食洗機はぜいたくだという潜在意識があるのか、なぜか使わない言いわけを探していた気がします。
ところがある日、うちのキッチンを製作したメーカーの人と話していたら「おふたりでも手洗いよりも節水になることが多いので使ってください。機械のためにも使った方がいいですよ。」とアドバイスされました。
不思議とその言葉がとてもうれしく、さらに私は、食洗機で洗ったあとの食器のさっぱりした感じが好きだったんだと気づきました。
そして、食洗機に入れられない凝った食器をじつはあんまりもっていなくて。漆器以外なら食洗機に入る食器は多いこと。大好きな窯のお皿も、ほかのお皿にぶつからないように気をつければ食洗機OKと知って、ますますうれしくなりました。
食洗機を使って、その分夜の時間を楽しむことに
50代後半となり、以前よりも夕飯後に疲れるようになってきました。ですが、今回の食洗機のことから、2人だけなのだからと、なんでも暮らしを小さくする方向に考えなくてもいいのかもしれないと気づきました。
これからは大手を振って食洗機を使います。大好きな食器も洗えますし。