京大特色入試で最多11人合格 大阪桐蔭が毎年結果を出すワケ 進路指導部「京大が求めるものがわかってきた」【大学合格者ランキング2026】

 京都大学の特色入試で、大阪桐蔭高校が存在感を示している。2026年、全国最多の11人が合格した。制度が始まった16年から、途切れず合格者を出し、累計合格者数も全国1位だ。大阪桐蔭高校は、なぜこれほど結果を出し続けるのか。

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 大阪の中心地から東へ、奈良県との境の近く、大阪府大東市に大阪桐蔭高校はある。洋館のような校舎が特徴だ。大阪桐蔭と言えば、高校野球の強豪校として全国的に有名だが、同時に関西屈指の進学校でもある。

 26年の京大の特色入試は、志願者731人のうち171人が合格。そのうち11人が大阪桐蔭高校の生徒で、全国最多だ。累計は57人。

 一般選抜も含めて25年は46人が京大に合格するトップクラスだが、特色入試では特に強さを見せている。

 進路指導部主事の榧谷(かやたに)徹教諭は言う。

「特別な理由があるわけではありません」

 背景にあるのは、特色入試が始まった16年から続いてきた「出願文化」だという。

「多数の先輩が出願して、合格を果たしてきました。生徒の中に『挑戦してみよう』という雰囲気が定着しています。それにより、総合学習をはじめとする学内外の様々な活動に積極的に参加する雰囲気も出てきました」

 こうした循環が、志願者の層を厚くしている。

■京大が求めるものがわかってきた

 特色入試で合格者を出し続けて11年。京大が求めるものがわかってきたという。京大に進学した卒業生から受験体験を聞く機会を設けている。

「高校時代の取り組みや特色入試の実際を聞くことで、志望動機が具体的になります。卒業生が出願した書類を参考にできることも強みです」

■京大が見るものは?

 卒業生にノーベル賞受賞者が多い京大。特色入試の合格者も、一流の研究者の卵なのだろうか。

「特色入試といっても、学部ごとに求められるものが異なります。研究成果の提出を求める学部もあれば、必ずしも成果物を必要としない学部もある。コンテスト入賞など、輝かしい実績がない生徒でも幅広く合格を出す学部もあります」

 研究成果を出すことが要件ではない。

「特色入試の出願に必要な『学びの設計書』を見ると、それがわかります」

 志願者は「学びの設計書」を提出することになっている。

 学部によって異なるが、高校で取り組んだこと、そこで得たこと、それに対して大学で何を学びたいか、卒業後のビジョン……などを具体的に書く。

「取り組みたいことが、ビジョンとしてはっきり見えているか。それが、京大がもっとも見ているところだと思います。その学部で学びたいことがある、最初からやる気のある生徒は、入学後も積極的に取り組めます」

■関西の高校が強い理由

 特色入試の合格は、関西の高校が多い。26年は大阪桐蔭高校に続いて、開明(大阪)の9人、北野と高槻(大阪)の7人、西京(京都)の6人、堀川と東山(京都)と須磨学園(兵庫)の4人が合格した。

 なぜか。大阪府出身で京大卒の教育ジャーナリスト石原賢一さんは言う。

「東大の年内入試は、1校あたりの志願者数を絞る学校推薦型選抜しかありませんが、京大の場合は、学校長の推薦が必要ない学部もあります。特色入試を受けて不合格だったら一般選抜を受けようという関西の受験生を引き付けます」

 しかし、京大の特色入試を受けるか、東大の学校推薦型選抜を受けるか――そこで迷う受験生は多くないと石原さんは考える。

「もちろん研究力のある京大を目指す生徒もいます。ただ、全国的には東大の存在感が大きい。地元の大学の一般選抜を受けるつもりの生徒が、年内に東大の推薦型選抜を受けてみよう、という傾向があります」

 こうした傾向は、入試制度にも表れていると石原さんは言う。京大の特色入試には、総合型選抜と学校推薦型選抜がある。

「京大の看板学部である理学部をはじめ6学部で総合型選抜が実施され、特色入試募集人員全体の半数以上を占めています。1校あたりの志願者数が少ない学校推薦型と違って、総合型選抜で幅広い個性を持った生徒を集めたい狙いがあるのでしょう。関西の優秀な生徒を東日本に流出させたくない、そんな思惑を京大の入試制度から感じています」

(AERA編集部・井上有紀子)

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