船中2泊・現地0泊の弾丸ツアー、客船「さんふらわあ」で安くて楽しい船旅満喫

日の出で赤く染まった海を進むさんふらわあ

♪さんふらわあ さんふらわあ 太陽に守られて ゆこう

幼いころよく耳にしたメロディーとともに大阪・南港を出航したフェリー「さんふらわあ むらさき」は一路、別府を目指す。船内は老若男女でほぼ満員、デッキで景色を眺めたり、レストランで瀬戸内ビュッフェを味わったり、思い思いに過ごしている。2月下旬、手軽な価格で船旅を楽しめる「さんふらわあ」で船中2泊、現地0泊のツアーに挑んだ。

朝日を受けて六甲アイランドフェリーターミナルに入港する「さんふらわあ ぱーる」。大分と神戸を約12時間でむすぶ=神戸市東灘区

昭和47年にデビューした客船「さんふらわあ」は現在、商船三井が4航路10隻で運用している。関西では大阪-別府、大阪-志布志、神戸-大分の3航路で1日1便ずつ、計6隻が瀬戸内海や太平洋を航海している。

「むらさき」は、全長199・9メートル、総トン数1万7114トン。716人が乗船できる。この船に搭乗した理由は、令和5年に就航した最新鋭の客船だからだ。日本初のLNG(液化天然ガス)燃料フェリーで、以前より二酸化炭素を25%削減したという。

豪華なカプセルホテルのような16人部屋のプライベートベッド

午後7時ごろに大阪・南港から片道約12時間の旅へ出発。ちなみに同じ時間帯に別府からは、同型船の「くれない」が大阪に向けて出港している。

客室もアトリウムも豪華、ダンスステージも

最上級のスイート和洋室コネクトは畳敷きのスペースも用意される

長距離フェリーといえばカーペット敷きのスペースに雑魚寝というイメージだが、最も安いプライベートベッド(16人相部屋)でも一人一人のスペースはカーテンで仕切られ、豪華なカプセルホテルといった感じ。最上級のスイート和洋室コネクトには、海に面したバルコニーや畳とフローリングのスペースが用意される。

共用スペース中央にある3階分吹き抜けのアトリウムは、クルーズ船のような豪華な雰囲気。丸い天井にプロジェクションマッピングで別府の名所が映し出され、ステージではタップダンサーの華麗なダンスが演じられていた。

午後10時半になると、照明が落とされ薄暗くなる。部屋に戻って早めに就寝、早起きして展望大浴場で朝風呂を満喫した。

午前7時ごろに別府に到着するとあいにくの雨模様だったが、レンタカーを借りて街のあちこちから立ちのぼる湯けむりを見物し、船に戻った。午後は船内を撮影、帰路に備えた。

USJに行く3世代旅行も

午後6時45分、大阪行きが出発。帰りもほぼ満員で、レストランは一時、入場が制限されていた。ステージでは「なごり雪」や「卒業写真」などのフォークソングが演奏された。

窓辺のソファでくつろぐ船客も多い。大分県杵築市の高端正さん(77)は夫婦でビールを飲みながら演奏を楽しんでいた。「昔からさんふらわあを使って大阪に行っている。安いし新幹線より楽。お酒も飲んだし、懐かしい曲も聴けてよかった。あとは寝るだけ」と笑う。

午前6時前、明石大橋をくぐり着岸が近づくとアトリウムがにぎわいだす。3世代で「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」に行くという豊田心菜ちゃん(8)と芽依菜ちゃん(6)は「お船楽しかった、ごはんもおいしかった。USJでいっぱい遊ぶ!」と元気いっぱい。

むらさきを使った船中2泊、現地0泊の弾丸ツアーの費用は1万6千円から。もちろん、スイートを使ったぜいたくな旅もいいだろう。

飛行機や新幹線では味わえない魅力あふれる船の旅、一度体験すると病みつきになりそうだ。

(写真報道局 土井繁孝)